悪魔言詞録
38.幽鬼 ラフィン・スカル
カタカタカタッ。カタカタカタッ。
おお? 何だよ、おめえ。カカカカカッ。このオレさまと、戦おうっていうのかあ。キキキキキッ。
ん? 何だ、やる気はねえのか。クククククッ。じゃあ、いってえこの、ラフィン・スカルさまに何の用があるってんだ? ケケケケケッ。
え? おまえ、ずっと笑ってるだけじゃないかって? ココココッ。だって、笑うしかねえんだから仕方がねえだろう。
じゃあ聞くが、何でスカルが笑っちゃいけねえんだ? 死の象徴たるしゃれこうべが、ケタケタ笑っていたら、そんなに変なことなのか?
俺らスカルは、おめえら人間には必ず一つ、くっついているもんだ。どんな美男美女だろうと、ブサイクだろうとな! そして、ご存じの通り、人ってのは笑う生き物だ。なのになんで、スカルが笑っちゃあいけねえんだ?
なあ。なあ。なあ。どういうことなんだ?
そもそも、笑うって何だ? 死って何だ? 生きるってどういうことだあ?
なあ。なあ。なあ。どういうことなんだ?
な。答えらんないだろう? 実はな、俺にも分からねえんだ。こりゃあ、笑うしかねえや。ウヒャヒャヒャヒャ。
あー、おもしれえ。こりゃたまらん! アヒャヒャヒャヒャヒャ。誰も分からねえ問題を問いかけて、誰も分からねえから答えられなくて、何も分からねえけどおめえは聞いてきて、何も分からねえから俺は笑ってる。イーヒッヒッヒ。こりゃあおかしくてたまらねえ。ありもしねえはらわたがよじれっちまう。オーホッホッホ。
……あーあ。笑いすぎて笑いすぎて、笑い疲れしちまったあ。
何だよ、おまえは笑わないのか? こんなに面白いのに、面白えやつだな。何ならもう一回話してやろうか、いい? そんな遠慮すんなよ。初めてでも、もう一回でも、面白えことは間違いねえんだから。
あっ、おい。おまえ逃げるのか? 何で笑ってるのか聞きにきて、自分から逃げるのか? おまえ、本当に面白いな。あー、おかしくておかしくてどうしようもねえや。
ハーハッハッハ。