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悪魔言詞録

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35.外道 ブロブ



 ウルィィィー。
 ウルィィィー。

 ウルィー、ここは実に居心地がいい。やはり暗い場所は最高だな。ここなら食い物もあるし、凍らされることもないし、まさに天国のような場所だわい。ウルィィィー。

 ……お。おう、おまえ。そう。そこにいるおまえだよ。どうした。なんでこんな暗い地下道を急いでいるんだ? 何? イケブクロへ行こうとしているのか。ほう、じゃあおまえが例の、最近、ここら辺で鳴らしている悪魔ってわけだな。ウルィィィ。
 ところで、おまえ、元人間だとか聞いたが本当か? じゃあ、俺のこともよく知ってるだろう? 何? スライムがちょっと強くなったやつ? あいつらとは仲良しだが、一緒にしてくれるな。こう見えても俺、ハリウッド映画に出演したことがあるんだぞ。まあ、案の定というかやっぱりというか、悪役なんだけどな。ウルィィ。
 何? すまないが、映画は見ないだと? おまえ、映画は見とかないと女子にもてないぞ。多分、おまえが助けに行こうとしている巫女さんも、今の言葉を聞いたらがっかりするぞ。というわけで、映画は見ておけ。少なくとも、俺が出ている映画だけは見ておいたほうがいいぞ。リメイクもされているからな。ウルィ。

 さて、イケブクロを目指して頑張れよ。じゃあな。何? 戦わないのかって。ここはいろいろな悪魔もいるから、食べるものにも事欠かないし、凍らせてくるやつもいないからな。わざわざ危険を犯して戦う必要などないんだ。ウルィ。
 どうしても必要とあらば、おまえについて行ってもいいが、俺は弱点が有名だし、見た目もあまり良くないから、ついてきてほしくないだろう。俺にお似合いのこの暗い地下道で、ほそぼそと暮らしていくことにするよ。
 ん? ついてきたら、合体してかわいい仲魔にしてやる? それもいいが、やはりここで悠々自適に暮らしているほうがいい。

 ただ、話を聞いてくれたおまえにいいことがあるよう、この地下道から祈ってやろうとは思ってるよ。ウルィィィー。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔