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悪魔言詞録

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30.妖獣 バイコーン



 …………。

 ケッ。やっぱりおまえが先客で来ていたか。全く、嫌んなるぜ。
 何? 仕方がない? レベルはあまり変わりないし、でもできることはほぼ正反対だし、俺たち、こうやって一緒に戦うにはうってつけだろうって?

 あのなあ。ずっと前から言ってるけど、俺はおまえのそういうところが大嫌いなんだ、ユニコーン! 何でも聞き分けが良くて、前向きに解釈して、どんなこともみんなで頑張ってこなしていこうって、そんな優等生っぷりに反吐が出るんだよ!
 大体なんだよ、おまえ。ウマのくせに防御や回復が得意って。そりゃあ、今やウマだってかわいくなってレース場を走る時代だけどな。おまえ、正直そんな回復とかするキャラじゃないだろ。元々かなり獰猛なの、みんな知ってんだぜ。たまたま純潔を司る「設定」だったから、ちやほやされているだけなのにな。

 おお? やんのか? やってやろうじゃねえか。防御や回復しか能がねえオカマ野郎には、負けるわけがねえ! 俺の2本の角で、突き殺してやんよ!
 あっ……。はいっ、すみません。

 ……召喚主の指示だからここは矛を収めてやるけど、てめえとは絶対いつか決着を付けてやるからな。覚えとけよ!

 ……ふう。ようやくストックに戻りやがったか。

 ところで……召喚主さん。申し訳ないけど、後であいつにうまいこと言ってやってくれねえか。俺が力でなんとか押さえつけたから、忘れてやってくれ、みたいな感じでさ。
 え? いや、正直言って、知名度ではあいつに敵わねえからさ。俺も、世話になってる部分あるんですよね。言いたかないけど、あいつと相反する存在ってことで、俺、ここに来れた感じプンプンするもん。でもさ、それでお礼言ったら、このバイコーンさまの名折れだろ。すまねえけど、あんたに間に立ってもらいてえんだ、頼むよ。

 ええっ! 何でですか?

 直接、言ったほうが喜ぶぞって……。それができねえから、こうやって頼んでるんじゃないですか。

 ねえ、お願いしますってば〜。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔