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悪魔言詞録

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28.天使 アークエンジェル



 …………。

 どうも。アークエンジェルです。よろしくお願いします。

 はい? 大人しいじゃないかって? いや、普段からこんなもんですよ。

 ええ。ああ、はい。私がレベル20になったときに覚える、エストマの魔法に期待している、と。……まあ、レベル20まで面倒を見てくれるなら、それなりに使えるようになるかもしれませんね、私も。でもそこまでに私のこと、見放しちゃうんじゃないかな……。

 ……やけに後ろ向きだけど、どうかしたのかって? まあ、いろいろあるんですよ、天使にも。

 話してみてくれないかって? ええ、いいですけど。私より位の高い天使には、内緒にしておいてくださいよ。

 私たちアークエンジェルの主な役割は、文明や国家の盛衰をつかさどることです。また、私たちアークエンジェルが一番、人間の営みにもっとも直接関わる天使なのです。そういう意味では、もっと人の子も慕ってくれてもいいと思うのです。ですが、私たちはびっくりするほど人気がない。普段私たちも会えない、大天使さまのほうがよっぽど人気なんですよね。……どうせ、そんなもんなんですよ。地道に現場で活動して人を救済に導いたって、私たちは報われることはないんです。いや、もちろん私たちを敬ってくれとか言いたいんじゃないんです。でも、ずっと現場の仕事をしていると自信をなくすことも多いんです。そのせいか、なんかストレスがたまっちゃって……。
 何と言うんでしょうか。別に神に反旗を翻して、堕天使になろうとしているわけじゃない。でも日々、神のために力を費やすことに疑問も感じ始めてる。こんな中途半端な思いで、果たしてアークエンジェルとして力を出せるのか。甚だ疑問なんです。

 ええ、はい。じゃあ、しばらくストックに入れとくから、何も考えずに休んでいたらどうだ?

 ……そうですね。ご迷惑がかからないなら、少しお時間をください。エストマが使えるようになったら、きっと恩返しをさせていただきますんで。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔