悪魔言詞録
27.精霊 エアロス
どうも、こんにちは。
アマラ経絡内で、何度かお会いした方ですよね。あのとき、とても強かったのを覚えていますよ。その後も順調にこの世界を生き抜いていると、風のうわさで聞いていました。なので、ぜひご同行したいと思ってたんです。よろしくお願いいたします。
え? 申し訳ないけど、すぐ合体させてしまう?
はあ、そうですか。ま、それも仕方ないか。私たち精霊は、戦闘より合体がメインの仕事という自覚はありますので。
で、どの種族のランクをアップさせるのですか? 魔獣ですか、夜魔ですか。あ、妖魔でしょう。あそこは変化する仲魔が多いですからね。自分で言うのもなんですが、彼らを手っ取り早く作るには私は最適な存在ですよ。
ほう、御霊を作成するんですか。こんな早い時期に御霊の存在を知っていて、その上、実際に作る段階まで来ているってのは相当なもんですよ。さすが私が目をつけていた方だけありますねぇ。で、御霊でどの仲魔を強化するんでしょう。強そうなかたがたばかりで、全然予想がつきません。
ん? そこまで教える必要はないだろう?
いや、そんなことを言わないでくださいよ。ちょっとぐらい、いいじゃないですか。合体に使われて、その後のことは分からない身の上なんですから。
はい。取りあえず登録だけしておいて、今のところは一番強いヴァルキリーさんを強化しようかと思ってる、と。
なるほど、なるほど。今すぐ誰かを強化するという目的より、今後のために早めに作っておこうという魂胆なんですね。さすが、いろいろ考えているんですねぇ。
ところで、ヴァルキリーさんとは親しい間柄なのですか。変化前からずっとともに戦ってきた仲でしょう、さぞかし特別な思いもあるんじゃないですか。ねぇねぇ。そこんとこ、気になるんですよ。どうなんですか。
……いい加減、話を引き延ばそうとしても駄目? さっさと合体する?
ばれましたか。それなら仕方がありません。大人しく、合体をしましょうか。