悪魔言詞録
25.妖精 ハイピクシー
さぁっ、変化したわよっ!
シブヤの探索がほとんど終わって、これからアマラ経絡に臨もうというこのタイミング! われながら完璧だわぁ。
あらためて、自己紹介するわね。私は妖精 ハイピクシー。今後ともよろしくっ。
…………。
あら、どうしたの。黙りこくっちゃって。あ、分かった。あたしがあまりにも見違えちゃったんで、驚いているんでしょう?大丈夫。病院の分院ゲート前で仲間になった、あのピクシーだよ。出会ったときのことだって、今までのことだだって、みんなちゃんと覚えているから。何? 何か私に聞きたいことでもあるの?
ん? その変化というやつで、いったい何が変わったんだって?
えーとね。まず、能力がピクシーよりも上がったんだ。これで、今まで以上に活躍できること間違いなしだよ。あと、さらにスキルを覚えることができるよ。どんなスキルかはお楽しみだけど、絶対お得だから、きちんと経験を積ませてほしいな。最後にもう一個あるんだけど、これは見ればすぐ分かるでしょう。えへへ、ちょっと大人っぽくなりました。いつまでも子供みたいな見た目じゃ、きみもきっとつまらないもんね。……もう、何か言いなさいよ。
いや、そこらへんのことは大体分かってるって? そ、そうなの。じゃあ、何が聞きたいのよ。え? ピクシーとハイピクシーは、一体何が違うのかが知りたいって? ああ、そういうことかぁ。簡単に言うと、たくさんのピクシーを束ねるボス的な存在がハイピクシーに当たるんだよ。だから、私の下にもたくさんのピクシーがついていて、私の指示でいろいろ動いてくれるんだ。要するに、ちょっと偉くなったと思ってくれれば分かりやすいかな。
ふーん、バイトがバイトリーダーになった感じか……? こら、そんなふうに言うなー。妖精の世界で出世するのは大変なんだぞ。もちろん、人間の世界も大変だってことは聞いてるけどさ。
こうなったら絶対、妖精の女王になってきみを見返してやるんだからなー。