悪魔言詞録
6.鬼女 ダツエバ
…………。なんだい? うっとうしいねぇ。
おまえさん、こんなばあさんに声を掛けて、一体どうしようっていうんだえ? おおかた、ガキやスライム、モウリョウあたりにこっぴどくやられたんじゃろう? それとも、そこらへんを飛び回っている、ピクシーやカハクに振られたんかのう? 一度や二度、手ひどい結果になったからって、すぐヤケを起こすんじゃないよ。戦闘もナンパも、根気よく何度も試してみて、じわじわと分かってくるもんなんだからね。
違う? ははあ、なるほど。さてはおまえさん、あんな下等な魔物やケツの青いガキどもには、興味がないっていうことだね。ということは、かっこよくて強そうな悪魔や、大人の体つきをした色っぽい悪魔が好みなんじゃな? 大丈夫、大丈夫。これから先、そんな悪魔にもたくさん出会うじゃろうし、なんならそこの館で呼び出すこともできるようになるんじゃから、安心おし。とにかく、間違ってもこんな熟しきったばあさんに声をかけるマネは、もうするんじゃないよ。
なんだい? まだ、話しかけてくるのかい?
さすがいろいろとご存じですねって、バカにするんじゃないよ。亀の甲より年の功と言うじゃろ。老いぼれの言うことは聞いとくもんなんじゃ。
なんじゃと? シンジュクの病院でも、あなたにそっくりで、戦いの知識がとても豊富なダツエバにとても世話になった? ほほう、同族にそんなやつがおったんかのう。
ん? そりゃあ、もしかして……。
なあ、おまえさん。ちと手数をかけてすまないが、あたしをそのシンジュクなんちゃら病院まで連れてってくれんか。連れてってくれるなら、おまえさんの死後、少しは服を優しく脱がしてやるからの。ま、六文持ってくりゃ、その必要はないんじゃが。とにかくこの通り、頼む。その病院で出会ったというダツエバと、あたしを引き合わせておくれ。見立てどおりならば、そやつ、あたしの知り合いなんじゃ。
……ありがたい。今後とも、よろしく頼むよ……。



