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悪魔言詞録

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115.幻魔 クー・フーリン



 ねえ、召喚主さん。
 ここの奴らも楽勝になったし、どうですか、ここらでちょっと遊んでいきませんか。

 お遊びはピクシーたちのトラップでもう十分? まあまあ、そんなことを言わずに。あれはあれで面倒でしたが、正気に戻ればピクシーたちもとてもかわいらしいと思いますよ。それに、少し出世したハイピクシーも見かけましたが、彼女らも素晴らしいじゃないですか。役目を任されてキリッとした感じがまたいいんですよね。
 それに、何と言っても妖精の女王ですよ。その名に違わず強かったですが、あの冷たいまなざしで、こちらに絶対零度を仕掛けてくる様は本当にたまりませんね。多分、あれが本当の塩対応っていうもんなんじゃないかなって思うんですよ。
 あ、あとうわさではこの公園の奥に、ものすごい『女帝』がいるみたいなんですよ。どんな姿をしているんでしょうね。女王のさらに上なんですから、そりゃあもうすごいことになっているんじゃないかなって思いますよ、きっと。

 で、何が言いたいのかって? 全くもう、わかっているくせに。この公園にはそんな美しい女子たちがいるんですから、ちょっと声をかけて仲良くなっておきましょうよ。『女帝』は置いといて、あなたの実力なら、ピクシーや女王は話を聞いてくれると思うんですよね。うまくいけばこちらの戦力も上がるし、僕らもお近づきになれるし、いいことづくめじゃないですか。どうでしょう、何人か声をかけては。

 でも、ピクシーは病院から一緒の娘がいるし、その娘がハイピクシーにもなったから、彼女らの実力はだいたいわかっている? 女王さまは女王だけあってちゃんと配偶者である王さまもいるし、その王さまと面識があるからあまり女王に無礼なことはできない? それに、おまえは神話の中に嫁や仲のいい女性がちゃんといるんだから、そういうのは控えてくれ?

いや、でも、英雄は色を好むってよくいうじゃないですか……。ちょっとぐらいならいいと思うな、僕は。


作品名:悪魔言詞録 作家名:六色塔