狩沢さんと帝人のデート
合わせしようか。
何時位がいいかな
?良かったら一緒
に夕ご飯食べたい
から、夜まで遊ぼう
よ!
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10/04/03 20:23
FROM 竜ヶ峰帝人
件名 Re:Re:こん
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待ち合わせ場所、
了解です!夜まで
遊ぶならお昼くら
いからにしましょう
。一時でいいですか
?
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10/04/03 20:25
FROM 狩沢絵理華
件名 Re:Re:Re:こ
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一時だね?了解!
ちなみに帝人くん
は何色が好きかな
?
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10/04/03 20:27
FROM 竜ヶ峰帝人
件名 Re:Re:Re:R
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色?ですか?そう
ですね割と青色と
か好きですけど・・・
?
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10/04/03 20:29
FROM 狩沢絵理華
件名 Re:Re:Re:R
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青色ね!私も好き
なんだー!じゃあ
明日、一時に東口
で待ち合わせだね
!楽しみにしてる
ね!^^
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10/04/03 20:31
FROM 竜ヶ峰帝人
件名 Re:Re:Re:R
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こちらこそ楽しみ
にしてます!じゃ
あまた明日!
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池袋駅東口。すでに正午を過ぎ日曜日なこともあって
出口付近は人で溢れ返っている。目立つ場所の壁際に立ちながら周りを見渡すが
まだ狩沢さんは到着していないようだ。少し早く着すぎたのかもしれない。
何だか落ち着かない気分のまま、視線を動かし続ける。
・・・やっぱりちょっと緊張するなぁ。
あまり意識するものではないと頭では分かっていても、わずかに心臓が跳ね上がっている
のを意識せずにはいられない。そろそろ一時になる頃だ。
「やっほー!おまたせ!」
聞き覚えのある声のしたほうを振り向くがひどい人ごみのせいで瞬時に狩沢さんを見つけ
ることが出来ない。
すると人の波をかき分けてこちらに近づいてくる人影があった。
「ごめんねー!危うく遅刻するところだったよー!待たせちゃったかな?」
「いえそんな・・・。」
あれ?
そんなことはないですと言い掛けた帝人の思考が停止する。
帝人は一瞬、狩沢さんを誰だか判別出来なかった。
帝人の中の狩沢さんのイメージと目の前の狩沢さんを合致させることが出来なかったの
だ。
狩沢さんといえば全身が黒づくめで、黒の帽子をかぶっていて・・・
でも今日の服装は違う。全身黒づくめではない。
それに今日は帽子もかぶっていない。いつもは後ろにまとめている髪も
今日は降ろしてある。ウェーブが掛かっているけどかなり長めだったんだ。
え・・・?狩沢さん・・・?
ふと視線を感じて周りを見渡すと待ち合わせをする何人かの男が
こちらをさりげなく眺めているのが分かった。
・・・僕じゃない。僕が注目されてるんじゃない。これは・・・。
「あ、やっぱりいつもの格好で探しちゃった?分かりやすさなら
やっぱりいつもの格好かなー?って思ったんだけどねー。今日はほら、デートだから!」
にこにこしながら話し続ける狩沢さんだったが帝人は二の句を継げないでいる。
自然体って言ったよね・・・正臣・・・!
目の前にはデートのために張り切ってお洒落をしてきてくれた狩沢さんがいる。
・・・正臣!ごめん!!自然体なんて無理!!!
「す、すごい似合ってます!びっくりしちゃって・・・。」
ようやっと一言を放つと狩沢さんはいつものいたずらっぽい顔で笑う。
あ、良かった、狩沢さんだ。妙にほっとする反面、緊張も増す。
「そんな手放しにほめられると照れちゃうよー?でもありがとね!
帝人君も私服いい感じだね。じゃあ早速行こうか!」
「は、はい!」
帝人は急いで狩沢さんを追いかけるがやや後ろを付いていく。
それに気づくと狩沢さんは立ち止まって帝人が隣に来るのを待った。
「帝人君。」
「は、はい。・・・はい?」
「今日はせっかくのデートなんだからね?、ちゃんと隣!並んで歩くんだよー?」
さっそくダメだしをされてしまう帝人。
「すいません!あの・・・僕、隣で歩いていいんでしょうか?」
「・・・何で?」
「いや、あの・・・すごい・・・見られてませんか?」
狩沢さんが周りを見渡すと一斉に何人かの男たちが不自然に顔を背けた。
「・・・そう?そんなことないと思うよ?私とゆまっちがさ、熱いトークを展開した時な
んて店内中の視線を感じるもんね!」
「・・・それとはまた・・・違うような気が・・・。」
「んー、よく分かんないけど、隣も一緒に歩けないんじゃ先が思いやられるよ?」
「いえ!一緒に歩けないとかじゃないです!そんなとんでもない!ちょっと・・・緊張
が!緊張しちゃってて!」
慌てて弁解する帝人をじっと見つめながら少し何かを考えている様子だったが
「ん、じゃあこうしよう。」
手のひらを向けて帝人に差し出す。
「・・・?何ですか?」
「ん?手つなぐの。」
「え?」
「確かにさ、よくよく考えたら私と帝人君はそんなに接したこともないわけで
緊張しちゃうのは仕方ないかも!でもほら、こうやって一度手つないじゃったら
もう恥ずかしいとか緊張とかは無くなるでしょ?」
分かるような気もするが理論が飛躍しているような気もする。
「い、いやさすがにそれは・・・!」
「スキンシップって言うじゃない?それに、物はためしっていうんだよ?」
それでも帝人が躊躇していると狩沢さんはいきなり帝人の手を掴むと
半ば強引に手をつないでしまった。
「!!!」
「はい、つかまえたー。」
にひひと笑う狩沢さんの笑顔を前に恥ずかしさを通り越して混乱する。
完全に帝人が耐えうる容量を超えていたが、かまわずに狩沢さんは歩き始める。
「よーし!今日は遊び倒そうね!!カラオケだっけボーリングだっけ?
もう両方いっちゃう?あ、でも私は長時間カラオケメドレーでもいいよ!
帝人君ってどんな歌歌うの?私実は楽しみにしてたんだー!帝人君がどんな歌歌うのかな
って!」
いつもの調子で捲くし立てる狩沢さんの声を聞きながら
混乱の中にいた帝人も持ち前の神経の太さで段々と持ち直していく。
・・・せっかくこんなに狩沢さんが楽しみにしていてくれたんだから
今日は僕も変に緊張なんかしないで遊んだほうがいいのかもしれない。
いや、遊んだほうがいいに決まってるよ。こんなに良くしてもらってるんだから・・・。
はたして手を握るという行為に効果があったのかは分からないが段々と落ち着いた帝人は
「僕ですか?うーん、実は最近の歌はあんまり分からなくって・・・。」
「そうなの?じゃあ懐メロって感じ?」
「そうですね・・・。狩沢さんはやっぱり・・・。」
「アニソンだよー!でもまかせて!最新のものまでバッチリだからね!」
・・・狩沢さんと手をつないだまま、正確には手を一方的に握られたまま
作品名:狩沢さんと帝人のデート 作家名:えも野