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みとなんこ@紺
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桜の木の下で

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「おー、いー眺め!」
「ホント、すごーい…!」
皆それぞれが思わず歓声をあげた。
「だろ?穴場なんだぜ、ここ」
ふふん、と得意げに胸を張る本田に、どーせいつもバイク借りてる従姉からのネタだろ、との城之内のツッコみが飛ぶ。
「いーじゃねーか。地元のライダーくらいしか知らない筈だぜ、ココ」
お花見の行く先は込んでいる所を避けて、普段あまり立ち寄る事のない山手の方。
高級住宅地…になるんだろうか。山の緩やかな傾斜に、何軒もの大きなお屋敷が連なっている。
そんな所を抜けて、車道の車止めから少し斜面を降りた所に、一本の大きな桜がある、少し拓けた広場があった。
童実野町を一望出来る、見事な眺めだ。
「港まで見えるねー」
「・・・あれ、KCビルかな?」
「あの辺りじゃ一番高いし、あの派手なアタマはそーだろ」
わいのわいのと中々な眺望を眺める皆を横目に、遊戯は広場の真ん中にたつ、大きな桜の木へ近付いた。
「凄いねー、これ・・・」
『街の公園とかにある木と比べても、圧倒的だな・・・』
「樹齢何百年、とかの木かもしれないよ」
振り返ると、獏良が同じように桜を見上げていた。
はらりと目前まで降りてくる桜の花びらを視線で追いながら、彼は僅かに唇を綻ばせた。
「…こうして大勢でお花見なんて初めてで、勝手がわからないな」
「ボクもだよ。取りあえずシート、引いちゃおっか。たぶんもーすぐしたら・・・」

「なー、そろそろ腹減ったなぁ~」

まさにどんぴしゃなタイミングで空腹を告げる声が聞こえた。獏良の目が軽く瞠られ、次にお互い顔を見合わせて笑い出す。狙ったワケじゃない所がまた凄い。
「なんだよ、何笑ってんだ?」
「て」
「て?」
「定番だなって思ってね。ね、遊戯くん」
「そ、だよね」
「あん?何の話だよ?」
「あんたのことよ、城之内」
「どーゆーこった、オレが何だって?」
「キミにぴったりの諺があるよ。『花より団子』」
「なるほどな…」
「あ、テメ、お前さっき自分も腹減ったっつってただろ!?」
「もーどっちでもいーじゃない。さ、シート引いてちょうだい」
割って入ったのはやはり杏子だ。こういう時、女の子の方が強い。号令一過、皆で大きなシートを広げ、ちゃんと風で飛ばされないように石と靴で重しをして、即席花見の席、完成。


「はーい、気合い入れて作ってきたわよー。じゃーん、お花見弁当~」
男どもから歓声が上がる。杏子は誇らしげに感謝しなさいよー、と胸を反らした。
「おおー!すげー、チラシ寿司まで入ってんじゃんー!」
「欠食児童もいることだし、1人じゃ大変だったから獏良君にもお願いしたの」
「そっか。獏良、料理上手いもんなー」
「ありがとう。でも量の加減が判らなかったから、適当に作ってみたけど」
控えめにそういいつつ、獏良はカバンから大きなパックを取り出した。中には色んなものが挟まった凝ったサンドウィッチ。そして、
「紅茶も持ってきてみました」
何処に入っていたのやら、魔法瓶まで出てきた。
「わー…すごいや二人とも~」
ぱちぱちと手を叩く遊戯も、半身に促されて、慌てて持ってきていた鞄から御重を取り出した。事前に話を聞きつけたママさんからの差し入れだ。杏子がお弁当を作るというのは伝えてあったから、被らないようにか中華風になっている。
城之内はバイト先の温情でペットボトル数本、本田は家からちょろっとホントはいけない缶を持ち出し、御伽の鞄からはマジックのようにごろごろと果物が。
すべて揃えばデザートまで完備の立派なフルコース、だ。
・・・というか。
『――――すごい量だな』
「うん・・・でも心配しなくてもこれ、多分全部食べちゃうよ」
既に戦闘態勢に入ろうとしている城之内を見て、二人してこっそり笑った。


作品名:桜の木の下で 作家名:みとなんこ@紺