再見 五 その一
白ザルが来て、冬が去り、暖かな季節が到来する。
白ザルとその配下も、琅琊閣での暮らしに慣れ、時折、別の配下が顔を出すようになったり、甄平が山を降りて、顔を見せなくなったり、一体、何をしているのか、白ザルの周りも忙しい。
白ザルの配下達は、主の元に、一人二人と訪れ、白ザルに何か報告しては、指示を受けている様だった。
白ザルもすっかり落ち着き、病と折り合いをつけて暮らしているが、、、。
元々、部屋の中で、座っているのは苦手な様で、すっかり懐かせた飛流を連れて、琅琊山のあちこちに出かけていた。親ザルに子ザル、、『猿』らしいと言えば猿らしい。見ていて違和感はない。
火寒の毒の治療をし、発作を抑えれば、どんな武人でも、身体能力が常人並に下がるらしい。
だが、白ザルの姿といったら、その動きは常人以上で、人の姿であった時には、どれ程の能力の持ち主だったのか、藺晨には想像も出来なかった。