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無未河 大智/TTjr
無未河 大智/TTjr
novelistID. 26082
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D.C.IIIwith4.W.D.

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「私も」
 俺達も立ち上がり、それぞれ元と共に一枚ずつ写真を撮る。
まったく、物好きな奴だ。
「いい経験になったよ、これはその思い出だ。ホントに有難う。それじゃ」
 その足で元を玄関まで案内する。履物を履いた元は、玄関を出る前に一礼。そして芳野邸を後にした。
 ぴしゃりと閉じられた扉を確認すると、隣から大きな溜息が聞こえた。
「なんか、嵐のような人だったわね」
「そうだな……」
「時遡の魔法使い……。時間を操る魔法なんて、実在するのね」
「ま、それ抜きでも奴は強力な魔法使いだろうなぁ」
「どういうことよ」
「あいつは自らカイの魔法を使ってこちらに来たと言っていた。前に言っただろう、カイの魔法を習得するには、カテゴリー5が一生分の研鑽を積んでやっと習得できると」
「貴方も、滅茶苦茶努力をして手に入れたんだったわね」
「ああ。それに加えて時遡の魔法を使えるという。生まれた世界がこちらなら、俺達と同格と言っても差し支えないだろうな」
 つまり、カテゴリー5に相当する魔法使いということ。
 俺は確信があってそう考えていた。
「そうね。それは疑いようのない事実だと思うわ」
 どうやらその考えはリッカも同じようで。
「なんとも、不思議な体験だったな」
「時間遡行を経験してる分、貴方の方がよっぽどだと思うけど」
「それは確かにな」
 思わず苦笑してしまう。釣られてリッカも苦笑いしていた。
「さて、粗方原因がわかってすっきりしたところで、貴方はどうするの?」
「どうって?」
「これからの事よ。元の時間まで魔法を使って戻るの?」
「あー……」
 少し思考を巡らせる。しかし既に俺の中で答えは出ていた。
「いや、このままいつも通りの生活を続けるよ。あまり魔力を無駄遣いするようなことはしたくないしな」
「貴方の魔力は実質無限でしょ?日付が変われば元に戻るんだから」
「そりゃそうだけど……」
「けど?」
「疲れるの、嫌だろ」
 俺の言葉とほぼ同時にずっこけるリッカ。俺はその様子を見て思わず笑ってしまって、リッカに怒られてしまった
 これだからこの生活は手放したくない。少なくとも、もう一度二人の友人を看取るまでは。言葉にせず、俺は改めてこの日常を生きる覚悟を決めた。
「あっお母さん、ユーリさん」
「お客さんは帰っちゃったの?」
 家の奥から聞こえる二つの声。リッカと清隆の娘達が顔を出して来ていた。
「ええ」
「ま、有意義な話は出来たかな」
「気になる……」
「教えてよー」
「話してもいいのかしら、これ」
「ま、ある程度ならいいと思うぞ」
「ホント!?」
「是非お願いします!」
 興味津々で俺達に詰め寄る二人。その様子を見て微笑むリッカ。
 そうだな。これも大事な日常だ。
 その後、仕事から帰ってきた清隆を交え、俺達は語って聞かせた。異世界から来た時遡の魔法使いと、俺が体験した時間遡行にまつわる話を。





作品名:D.C.IIIwith4.W.D. 作家名:無未河 大智/TTjr