バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。
第2話
俺たちは、初級ダンジョンに来ていた。
火・水・木・回復の3色ダンジョンだ。
「いっけー!」
ちゅどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!
…。
瞬☆殺☆し☆ま☆く☆り
リーダースキルの効果で常に攻撃力9倍がかかってるうえ、3色ダンジョンだから『火の1コンボごとに~』が絶大な効果を発揮する。
その結果、1ターン平均で約70万ダメージを出している。
ここは初級ダンジョンなので、敵のHPはせいぜい500やそこら。
つまり、無双できてしまうのだ。
「勝ったよ!ご主人様~」
「おい、穂乃果!?」
穂乃果が抱き着いてくる。
彼女の純粋無垢な笑顔を見ていると、そんなことはどうでもよくなってしまう。
「褒めて褒めて!」
「わかったよ。よしよし、よく頑張ったな。えらいぞ、穂乃果」
頭をなでてやると、嬉しそうに顔をほころばせる。
「次はボスだ。気を抜くなよ」
「はーい!」
* * *
ボスはマーメイドだ。
水属性だからこちらのダメージが半減してしまう。
だが…
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14combo!
「たあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
どかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!
落ちコン、火の5コンボを含む14コンボで瞬☆殺!
火の1コンボごとに攻撃力が3倍だから、3の5乗で243倍だ。
ダメージは7182万2754だが、本来ならこの2倍のダメージを与えていることになる。
「えげつねえ…」
あの純粋無垢な笑顔からは想像もできない強さだ。
ゴトン
「うん?」
マーメイドが消滅したところに何かがある。
「これは、宝箱か?」
とりあえず、開けてみる。
ピカーン!
中にあったのは、虹色の石だった。
「これは…」
タップしてみる。
「やっぱりな」
『魔法石:3個でガチャを回せる たまにしか出ない』
「ご主人様、何見てるの?」
穂乃果がウィンドウを見てきた。
「魔法石?あ、穂乃果、この石持ってるよ!」
「まじで?」
「ほら」
そう言って彼女が取り出したのは、紛れもない2個の魔法石だった。
「なんで持ってんだよ!?」
『たまにしか出ない』って説明文にあったじゃねえか!
「そんなのわかんないよ。いつの間にかあったの」
…謎だ。
「でもよかったね。これで仲間が増えるよ!」
「お前、仲間が欲しいのか?」
「そうだよ!穂乃果だけに戦わせるなんて、ご主人様サイテー!!」
確かに、いくら穂乃果が強いといっても、1人だけだと心もとない。
「じゃあ、だれが出ても文句言うなよ」
「やったー!」
俺は、魔法石を消費した。
作品名:バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。 作家名:ふゆくれ@ノベリスト