バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。
第4話
チームスキル?なんだそりゃ?
ピコン
『チームスキルとは、特定のモンスターを特定の組み合わせでチームに入れたときのみ使えるスキルです。リーダースキルとの併用もできます。なお、1チームに複数の使用可能な組み合わせがある場合、バトル中でなければ使用するスキルを任意で切り替えることもできます。』
いや、メッセージのタイミングが良いな!
まあ、とりあえず確認するか。
『〔Future Style〕光ドロップをつなげると攻撃力アップ。最大12倍。』
…。
とりあえず適用っと。
「ほら、2人とも自己紹介自己紹介」
「ちょっと、穂乃果ちゃん」
「わかりましたから押さないでください」
2人がこちらを向く。
「南ことりです。仲良くしてくださいね。ご・しゅ・じ・ん・さま♡」
「園田海未です。ふ、不束者ですが、よろしくお願いします。マスター」
2人ともかわいいすぎるんですけど!?
「こちらこそよろしく」
平静を装い、2人と握手をする。
「それでなんだけど、思ったことが1つあるんだ」
「なになに~?」
穂乃果が聞いてくる。
「ご主人様呼びはやめにしないか?」
これは、まじめな相談である。
いくらモンスターとプレイヤーとはいえ、同じ命ある存在なんだ。
そんなことで俺はいちいち区別なんてしないし、彼女たちもそうでいてほしい。
そのための提案だ。
「じゃあ、何て呼べばいいんですか?」
海未の質問に言葉が詰まる。
…確かに、別の呼び方を考えてなかった。
「はいはいは~い、穂乃果、いい案があるよ!」
「穂乃果の案は嫌です」
海未が即答する。
「え~、まだ何も言ってないじゃん」
「あなたはいつもいつも変な案を出しているじゃありませんか」
「今回は変じゃないもん!」
『今回は』って、いつものは自覚あるのね…
「じゃあ、何ですか?言ってみてください」
「お兄ちゃん」
「「は?」」
海未とハモった。
「十分変じゃないですか!?」
「真面目に言ってるよ?」
いや、それは真面目なのか?
「…理由を聞かせてください」
「ご主人様は私たちより年が上だし、でもそこまで離れてないし、頼りになるから!」
「そんな理由でですか!?」
海未の気持ちがよくわかる。
「まあまあ、海未ちゃん。ことりはいいと思うな」
「ですが…ことり!」
ことりが海未に何か耳打ちをする。
「海未ちゃん、これはチャンスなんだよ」
「ちゃ、チャンス?」
「うん。今のご主人様は私たちにとって理想の人。仲よくなるために必要なんだよ」
「うう……わかりました…」
話が終わったようだ。
「仕方ないですね。」
「やったー!」
いや、海未さん…
3人が俺と向かい合う形にならんだ。
「引き続きよろしくね!お兄ちゃん」
「ことりがそばについています。お兄ちゃん♡」
「あ…その…お、お兄様とよばせていただきます!」
こうして、俺は3人の美少女のお兄ちゃんとなった。
…こんなはずではなかったのだが。
作品名:バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。 作家名:ふゆくれ@ノベリスト