バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。
第5話
それから、ダンジョンを巡ったりフィールドを探索しているうちに昼になった。
「お腹空いた~」
そういえば、まだ街には行ってなかったな。
「それじゃ、街に行くぞ」
* * *
「意外と大きいな」
「そうですね」
海未は俺についてきているからいいが、穂乃果はことりを連れてどっかへ行ってしまった。
まあ、彼女たちはいつでも呼び出せるから咎めはしない。
「じゃあ、料理屋を探すか」
「はい」
* * *
私は、ことりちゃんを連れて街をたんけんしていた。
「つ~ぎはどっこにしようかな?」
「穂乃果ちゃん、もう戻ろうよ」
ことりちゃんはこう言っているけど、まだ戻らないよ。
だって、この街とってもすごいんだもん!
たくさんの人とモンスターたちが行き交う大通り、東京のビルより高い塔、ええとなんだっけ?パル…なんちゃら神殿より大きい神殿、アキバドームとほぼ同じ規模の闘技場、そして、極め付きは、今まで歌ったどの会場よりも大きなステージ。
どれをとっても、私たちの街とは比べ物にならない。
「まだまだ~♪」
そう言いながら、ことりちゃんの手を引いて路地裏へと入る。
「ねえ、そこのお嬢ちゃんたち。俺とお茶しない?」
「「はい?」」
後ろを振り返ると、金髪の若い男の人がいた。
これって、ナンパされてるの?
「あの、私たち、ご主人様のところに戻らないといけないので」
ことりちゃんがそう返すと、
「ご主人様なんかより、俺についてきてよ。いろいろイイことしようぜ」
と言ってきた。
「あの、本当に急いでいるので…ん!?」
男は、急にことりちゃんの口を塞いで拘束した。
「素直に従えよ」
「ん~!!」
「ちょっと、ことりちゃんに何…え?」
急に体の力が抜けた。
目線を下におろすと、私のお腹にスタンガンが当てられているのが見えた。
そして、それが私の見た最後の景色だった。
* * *
「ん……ん!?」
目を覚ますと、私は縄で縛られ、口をガムテープで塞がれていた。
横を見ると、ことりちゃんも同じ状態で寝かせられていた。
「お目覚めの時間かい?」
声のしたほうを見ると、あの男がいた。
「ん~!!」
「安心しろ。傷つけはしない。…膜以外はな。これから、俺に何をされても君らは抵抗できないんだ。諦めて犯されろ。」
そう言うと、男は私のおっぱいに手を伸ばす。
(嘘…穂乃果たち、これからハジメテを奪われちゃうの?)
そういう知識のない私でも、それくらいはわかる。
とうとう、男の手が触れ始める。
「ん~~!!!」
(助けて、お兄ちゃん!)
「おりゃぁ!」
「ぐふ!」
…え?
「助けに来たぞ。穂乃果、ことり」
* * *
海未と一緒に歩いていると、ウィンドウが光を放っていることに気づいた。
「なんだ?」
ピコン
『警告:あなたのモンスターがピンチです!助けますか?
ワープする/見捨てる 』
何、あいつらがピンチだって!?
「どうしたんですか?」
海未がこちらをのぞき込んでくる。
「いくぞ!海未」
「え、なんですか!?」
俺は海未の手をつかんで『ワープする』を押した。
* * *
「助けに来たぞ。穂乃果、ことり」
…危なかった。
もう少し遅かったら、穂乃果の純潔が散らされていた。
ことりは縄で縛られたまま眠っているようだ。
「いってえな…なんだ、お前は!」
「2人のパートナーさ。」
「は、お前のような弱そうなやつがか?」
そうか、俺は弱く見えるのか。
「試してみるか?」
対戦申請をする。
「…いいだろう。瞬殺してやるよ!」
男が申請を承諾する。
(かかったな)
こいつは、あのルールを知らないようだ。
作品名:バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。 作家名:ふゆくれ@ノベリスト