バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。
第7話
謎の仮面男に連れられてきたのは、大きい建物だ。
「すごい…」
「さあ、こちらです」
案内されたのは、応接室のようなところだった。
ソファーに座ると、一人の女性がやってきた。
「初めまして。ここのギルド長を務めております、ジェニファーと申します」
「こちらこそ初めまして。今日からプレイヤーになりました、ナオトです」
「え!?きょう初ログインだったんですか!!?それにしては強すぎ……あ、もしかして、“あの”ナオトさんですか?」
「はい。“その”ナオトです」
穂乃果たちは揃って首をかしげている。(かわいい)
俺のプレイヤーネーム〈ナオト〉は、パズドラZ時代からずっと使っている。
パズドラZ、パズドラX、パズドラGOLDでトッププレイヤーだったためか、上位プレイヤーにはその名前と実力が知られている。
「そうですか。それなら、初日であの強さなのも納得できます。それにしても…」
ジェニファーが穂乃果たちのほうを向く。
「なんで初日で最入手困難キャラを3人も引き当ててるんですか!?」
「あ、彼女たちを知っているんですか?」
「知ってるも何も、彼女たち『ラブライブ!』のキャラはとても有名ですよ!逆に知らないんですか?」
「ええ」
「そうですか……このバーチャルパズドラで彼女たちを引き当てるには、入手が大変な魔法石でガチャを引いて、確率1/100万の虹色卵を引き当てなければなりません。そして、その虹色卵が出ても、引く確率はさらに1/100万。ましてや、そんなキャラを3人も引き当てるなんて、いったいどれだけガチャを引いたんですか?」
「3回」
「…は?」
「いや、だから、3回引いて3回とも当たったんです」
「はああああああああああああ!?」
ジェニファーは、数Km響くほどの大声で叫んだ。
「…………もう死にたい。その運があればどれだけの人がガチャで悲しまずに済むか…」
なんか、引きこもりみたいな真っ黒いオーラが出始めたぞ!?
「はあ、ジェニファー様の代わりに私が話しましょう」
またあの仮面男が出てきた。
「我が主、ジェニファー様はあなたにこのギルドに入ってほしくてここに呼んだのです」
「まあ、入るのはいいんですけど…」
「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ…」
ギルマスがあんな状態になってて大丈夫なのか?
「…30分もあれば立ち直るでしょう。そっとしといてあげてください」
「わかりました」
それから、ギルドの正式な加盟手続きをして帰った。
ちなみに、ジェニファーはその後7時間あの状態だったそうだ。
作品名:バ―チャルパズドラにスクールアイドルが降臨した。 作家名:ふゆくれ@ノベリスト