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ボクのポケットにあるから。

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 大園桃子は山下美月の肉と呼んだものをフォークで刺し、一口味見した。
「いいよ、桃ちゃんの為に取ってきたから」美月は笑窪を作って言った。
「好き嫌い多いメンバー多いよね?」美波は皆に言った。
「多い」
「わかる、私好き嫌い多いい」楓は食事に夢中になりながら言う。「小学校の頃にさ、麻婆茄子とかいって、ひき肉しか食べなかった」
「麻婆豆腐は私あまり好きじゃなくて」蓮加は言う。「え豆腐あまり好きじゃない蓮加」
「え逆逆」理々杏は食事を止めて言う。「豆腐好きだけどぉ、麻婆豆腐は好きじゃない」
「好き嫌いめっちゃ多いんだよね蓮加」蓮加は夢中で食べながら言った。
「ね」美月が相槌を打った。「チョコしか食べてるイメージない」
「えでも、最近、最近お菓子食べてるの見ない」麗乃は蓮加を一瞥して言った。
「頑張ってますよ」蓮加はにやけた。
「与田はあかにし貝食べてるよね」美波は笑みを浮かべて言った。
「食べてる」祐希は口の中がいっぱいで上手く喋れない。
「こんな、大きいとこあんま来た事ないね」美波は皆を見回すようにして言った。「皆でご飯とか、そんなには」
「ねー」綾乃が言った。
「いいよ、何か暴露しても」美波はにやけて皆に言った。
「何ばくろ?」珠美は顔を?にする。
「隠し事なんてありません」蓮加は食べながら言った。
「キャーー!」
 歓声が飛び交った。風秋夕と稲見瓶と磯野波平と姫野あたると駅前木葉が、特大のトレーに載せて、本人達には何が何なのかもよくわからない、とくかく食パンを使った生地に飴細工が見事で、フルーツと生クリームをふんだんに使った豪勢で大きなデザートを運んできたのであった。
「えーシュークリーム可愛い!」美波は感動する。
「あー幸せな罪悪感なんだけど」美月は笑って言った。
「さあ、皆食べてくれよー」夕は三期生と少し間隔をあけて、端の席に着席した。
「食べる~」麗乃はデザートを見つめている。
「桃ちゃん、今日、ぐるぐるカーテンの時、桃ちゃーんってテレビの向こう側から叫んだの、届いた?」夕はにっこりと微笑んで言った。
「俺も叫んだぜ!」磯野は夕に張り合うように言った。
 大園桃子は乃木坂46ファン同盟の五人を、笑顔でをきょろきょろと見つめている。
「小生(しょうせい)も叫んだでござる!」あたるは大きく手を上げて言った。
「俺も、応援した」稲見は桃子に薄く微笑んだ。
「はい、私も僭越(せんえつ)ながら」駅前も緊張した面持(おもも)ちで桃子に言う。「あの横並びの桃子さんが最後尾のシーンでは、悲鳴……、叫んで応援いたしました」
「聞こえたよ」桃子は笑顔で言った。
「嘘つけ」珠美は茶化す。
「ほんと」桃子は笑顔で、両手で胸を押さえた。「心の中に、届いたよ」
「ズッキュン!」あたるは桃子の魅力にやられてしまう。「き、効いたでござる……」
「でも仕事後のご飯って、美味しいね、やっぱり」綾乃は食べながら、微笑んだ。
「ほんと、仕事気分じゃないよ、もう今は」葉月が言った。
「これが仕事だったら事故じゃない?」美月は独特な笑みを浮かべて言った。
「どしたどした」美波は苦笑する。
「美月のキャラ崩壊してるよ」蓮加は楽しそうに笑った。
「与田ちゃんずっと食ってんなー」磯野は一つ、席の間隔をあけて、祐希の隣に座った。
 与田祐希は夢中で食事している為に、んー、と返していた。
「そういえば、もう五年だね」美波は誰にでもなくそう言った。
 その言葉は皆の心に深く響き渡った。
「オーディションの頃の話したいね?」美波は思い出すかのように、懐かしそうに言った。
 向井葉月ははしゃいで言う。「盛り上がっちゃう盛り上がっちゃう!」
「いいよ盛り上がって」理々杏は笑った。
「なんかさー、めっちゃ憶えてなーいオーディションの時の話って」美波は横のメンバーを見ながら言った。
「皆憶えてるっていうじゃん、オーディションの時の話って」理々杏は笑う。「だから思い出したいの。緊張しててえ、なんか、飛んじゃってる」
「蓮加も緊張しててえ、飛んでるかも、けっこう」蓮加はデザートを見つめながら言った。
伊藤理々杏は思い出しながら喋る。「なんか一部の人の事は、憶えてるんだけどぉ、あんまり関わってない人の事は、全然わかんない」
「そりゃでも皆そうじゃん?」麗乃は理々杏を一瞥して言った。
「あ、あれはね! 最初のあれは憶えてるよ」理々杏は笑って言った。
 向井葉月は料理に視線を向けたままで理々杏に言う。「顔が濃いな~って思ってた」
「なんかやだー、ひどいー!」理々杏は苦笑する。
「え良くない?」美波は言う。
「良くないよー」理々杏は苦笑する。
「なんくるないさー」磯野は適当に言った。
「黙ってろ。貴重な会話がアホで止まる」夕は上品な口調で言った。
「印象残ってた人とかいる?」美波は皆を見ながら言う。
岩本蓮加は言う。「美月は怖かった」
山下美月は苦笑して片手を横に振る。
「眼力は凄かった」理々杏は美月を一瞥して言った。
「人見知りだから~」美月は言う。
 岩本蓮加は思い出して言う。「近寄らないで、て感じ。えでも美波も怖かった」
「あ~、最初梅ちゃん、あーどうしようってなっちゃった」理々杏はにやけて美波に言った。
「でもさでもさ、美月とさ」美波はそちら側を指差して言う。「三次か四次終わった時、駅まで歩いて一緒に帰ったよね」
「そうなんだー」珠美は驚いた顔でそう言って、デザートの方へと向かった。
「全然黒着てたよね」美月は美波を指差して言った。
「そうー、今と変わらずなの」美波はそしゃく中の口元を手の平で隠しながら言う。「みんなアイドルだったから、かっこうが」
「私珠美憶えてるよ」綾乃は珠美を指差して言った。「珠美は電車で会ったの。電車でお母さんと座ってたの」
「なんかさあ、ねねね、中学生組でさあ」蓮加は笑いながら、口元を手で隠しながら皆に言う。「座っててえー、なんかー、史緒里とぉ、麗乃とぉ、蓮加とぉ……」
「理々杏理々杏」美波は補足した。
「理々杏のー、四人でテーブル座っててえ、緊張するーってたぶん話しててえ、隣に珠美が座ってたんだけどぉ……」
「会話の内容も憶えてる」史緒里は落ち着いた口調と表情で言った。「そう蓮加があ、あたしにぃ、え中学生ってこれだけですかあ? て言って、で何か珠美が中学生なの知ってたの、そう。知ってたんだけどぉ、全然話に混ざって来ないから、今だぁと思って、え中学生ですよね? て言ったら、はいそうです……」
 その場に笑い声が溢れる。ものまねされた阪口珠美も笑っていた。
「怖かった」という声が飛ぶ。
「て思うじゃん、めっちゃ怖かったんだけど」史緒里は微笑んで言う。「加入してからきいたら、何だったんだっけ?」
「そう珠美はね、中学生だと思われたくなくてね」珠美は言う。「プライドがあったの」
「プライドかー。そなんか、でも葉月、今こんなだけど」美波は葉月に言う。「オーディションの時めっちゃ怖かったの」
「そうだったの?」桃子は可愛らしい瞳を見開いて言った。
「何か、円のテーブルで、一人だけなんか、お誕生日席みたいな所に座ってて」美波は葉月に言う。
向井葉月は苦笑する。「え憶えてなーい」