二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

今もそっとポケットの中で・・・。

INDEX|16ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

 磯野波平は姫野あたるの新内眞衣デザインTシャツについて笑った。磯野波平は黒の新内眞衣デザインTシャツを着ている。風秋夕と稲見瓶は、水色の手を重ね合わせる絵柄が特徴的な新内眞衣デザインTシャツを着ていた。駅前木葉はモスグリーンの新内眞衣デザインロングスリーブTシャツを着ている。
「前のでござる。これはずっと決めてたんでござるよ、この日に着ると」
 駅前木葉は眼を閉じ、曲に合わせながら小さく歌っていた。
 会場が巨大スクリーンに映し出される……。
 影ナレは、北野日奈子、山崎怜奈、鈴木絢音の二期生三人であった。
 暗闇一色となる。初回新内眞衣のANNゼロの映像が流れた。そして、乃木坂46からの卒業を発表した時の映像が流れる。

 今日、私は乃木坂46を卒業する

 オーバーチャーがかかった。思い出の新内眞衣が次々と巨大スクリーンに映っていく。
 『生まれたままで』が第一曲目に流された。センターは二期生の新内眞衣である。一期生と二期生でこれをしっとりと華やかに歌い上げた。
 新内眞衣は、一人で「乃木坂46です」の挨拶をし、オーディエンスを気さくに気遣いながらトークを繰り広げた。
 盛大な拍手が沸き上がる。
 新内眞衣が楽曲に初参加した『生まれたままで』にちなんで、当時のメンバー新内眞衣、齋藤飛鳥、星野みなみの三人で懐かしい日々のトークを繰り広げる。ラジオの本番を模倣しての演出で、オン・エアーと記されている。
 続いてVTRで新内眞衣は後輩についてを語っている。三期生とは打ち解けるのに時間がかかったイメージだと。四期生は、最近入ってきた印象があるんですけど、自分から話しかけに行った印象があると。三期生四期生は乃木坂を背負っていく存在になると思うので、頑張って言ってほしいなと語ってくれた。
 三期生楽曲『トキトキメキメキ』が流れる。センターは新内眞衣である。三期生達と共にこれを可愛らしくパフォーマンスした。
 四期生楽曲の『アウト・オブ・ザ・ブルー』が流れる。センターは新内眞衣である。四期生達と息の合ったダンスで見事にこれを歌って踊ってみせた。
 新内眞衣は、四期生の早川聖来と賀喜遥香とトークに入る。ぴょんぴょん跳ねるフリが大変であったと語った。続いて三期生の久保史緒里と阪口珠美も招いて、楽曲について語った。
 三期生は乃木坂46に加入して六年目だと語った。四期生からは、加入した時の白のセットアップの新内眞衣さんが印象的であったと早川聖来が語ってくれた。
 五期生が来るにおいて、早川聖来は「これは新内さんの受け売りなんだけど」と会話の最初に久保史緒里が付け加える事を談笑で語った。
 新内眞衣を継いで、久保史緒里がANNのパーソナリティーに就任した事も、楽しく語られた。殻を破るには五年間は必要だと久保史緒里は語ってくれた。
 乃木坂46プレゼンツ・ANN新内眞衣の妄想結婚式というコーナーが始まった。
 披露宴の司会者は上柳昌彦さんだと紹介された。彼はニッポン放送を退職後、新内眞衣の同期となり、会社の後輩でもあるという存在になったとの事であった。
 新婦、ちゅうざという事で、新内眞衣はお色直しにステージを後にした。
 ご列頂くメンバーは、乃木坂46の十一名のメンバー達。新郎役は、ピンクのクマのぬいぐるみであった。
 新婦である新内眞衣が再登場する。薄紫のウェディング・ドレスであった。大きなダイヤのような指輪をしていた。
 佐藤楓が手紙を読んだ。コメディ・タッチの式は続いていく。
 乾杯がされ、拍手が沸き起こる。
 与田祐希が続いて乾杯のご発声を行う。笑いが起こった。
 また、乾杯が成され、拍手が起こった。これは全て、企画に参加したラジオ視聴者達のメールである。
 続いて、北野日奈子が乾杯のための、祝福の手紙を読み上げる。内容は笑いにまみれていた。
 乾杯が成されて、拍手が起こった。
 乾杯のご発声はまだ続くようだ。続いて秋元真夏が乾杯のご発声を読み上げていく。全員読みながら泣く演技をするのが特徴的であった。
 何度目かの乾杯がされて、拍手が沸き上がった。
 新内眞衣は最後の言葉で、ガチでインフルエンサーを元現役のメンバー達に踊ってほしいと伝え、慌てふためくメンバー達は、これを見事に叶えてみせた。
 新内眞衣は幸せそうに笑っていた。
 VTRが始まる。

「まいちゅん、泣き虫だよな? へっへ」磯野は笑った。
「仲間想いなんだよ」夕は巨大スクリーンに笑みを浮かべる。
「泣いてばっかりだったかもね」稲見はしみじみと思った。
「だとしたら、いい涙、でござるよ」あたるは微笑んだ。
「どんな曲を選んだのかしら……」駅前は巨大スクリーンの新内眞衣を見つめる。

 その曲は『ハルジオンが咲く頃』である。センターは新内眞衣であった。新内眞衣は堪えきれずに涙している。人の乾いた心も潤すだろう名曲であった。梅澤美波も、最後には堪えきれずに泣いていた。
 駅前木葉は気にもせずに、その感動に素直に涙する。
 まいちゅん。あなたへの感謝は、多く数えきれません。この九年間で、私は変われたと思います。夕べの私よりも、今の私の方が、確実に強くなっている。そんな大きくも敬愛するプレゼントを、あなたは残してくれる。
 人は歩き出すと決意したその時から、卒業と共にあるのでしょう。けれど、それを意識させないぐらいに、あなたは活き活きと輝いていてくれました。
 どんなあなたを好きになったのか。知りたいですか?
 それは、例えば、強いあなた。
 それは、例えば、弱いあなた。
 それは、例えば、明るいあなた。
 それは、例えば、泣いているあなた。
 それは、例えば、笑っているあなた。
 どんなあなたも、好きになりました。私にとって、何物にも代えがたい大切な時間を、あなたはいっぱいにくれた。
 あなたの決心した歩みは止めません。ただ、最後まで笑っていてくださいね。
 そうしたら、私もぴかぴかと光る、屈託のない笑顔であなたを見送りましょう。
 あなたには、笑顔がとても似合うから。
「ばいぢゅーん、ばいぢゅーーん……うぅ……」
 駅前木葉は、微笑もうと努力する。大きなスクリーンに映った新内眞衣の笑顔を見つめながら、また涙が流れても、どうしても笑顔をプレゼントしたくて、駅前木葉は泣きじゃくりながら、小さな笑みを浮かべた。
 新内眞衣は北野日奈子とトークを展開する。
 『日常』が紅いライティングに染められて開始される。センターは北野日奈子である。楽曲の後半からはセンターが新内眞衣にスイッチした。
 磯野波平は、『日常』を真剣に歌い舞う新内眞衣を、じっと力強く見つめる……。
 おーい、届いてっか、水泥棒。最終的には、俺の気持ちまでもっていっちまってよ。
 見事な恋泥棒だぜ。卒業、すんのかよ……。
 まいちゅんといい、まっちゅんといい、いい女がどんどんと卒業してっちまうな。
 こんなに惚れさせといて……。
 こんなに、あんなに、好きと言わせておいて……。
 何処行くんだよ。まいちゅん……。
 一回しか言わねえかんな。よくきいてくれよな。
 俺は、一生な、まいちゅんを好きでいようと思ってる。
 どんな未来になってもな、この今の気持ちを忘れねえ。