二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ポケットいっぱいの可愛い。

INDEX|12ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

「あー」美佑は微笑む。
「そうだそうだ」明香もいっぱいに微笑んだ。
「広末涼子さんの、大好きでござるな? んん小生大好きでござるよ!」あたるは大喜びして息を弾ませる。「とってもとってもとってもとってもとってもとっても大好きよ~、でござるな?」
「そう」奈於は小さく指差して言った。
「はて、見逃したでござるかな?」あたるは思い出そうとする。「ダーリンアイラ―ビューと歌われて、憶えがない方が可笑しいのでござるが……」
「あれ、まだ放送されてないんだっけ?」奈於は美佑と明香の顔を確認する。
「そうだよ、まだ放送してないやつじゃん」美佑は笑った。
「知ってるわけない」明香も鼻筋に皺を作って笑った。「まだ観てないんだから」
「そーでござるかあ、そんな特大のご褒美が待ってるでござるなぁ!」あたるは大きく背伸びをした。「んん~、っはあ……。小生、もっともっと頑張るでござるよ! ご褒美に恥じない男である為に!」
 しばらくして、中央のテーブル付近で談笑している遠藤さくらと清宮レイと筒井あやめと、賀喜遥香と柴田柚菜と早川聖来の姿を発見した。姫野あたるは何気なく、興味心を刺激されて近づいた。
「さくちゃん、ドラマの方、どうでござるか? 順調でござるか?」あたるはさくらに微笑みながら言った。「撮影でござる」
「あ、うん。順調」さくらははにかんで答えた。
「さくちゃん、かんわいいよねっ!」レイは感情を込めて言い放った。「テレビで観てても実際に実物を見てても、どっちも可愛いの」
「やめて」さくらは苦笑する。「ありがと」
「えーん? せいらはぁ~?」聖来は表情を寂しそうにさせてレイに言った。
「可愛いでござる!」先にあたるが我慢できずに答えた。
「うん。可愛いよ」レイははにかんで、小首を傾げながら聖来に言った。
「でへ」聖来は笑顔になる。
「えー、じゃあ、私はぁ?」あやめはふざけてレイに言ってみる。
「可愛いでござる!」あたるは興奮してグラスのビールを零しながら言った。
「可愛いに決まってるじゃん!」レイは発音に強弱をつけてあやめに言った。「そんなの、言わなくてもわかるでしょう」
「ふふ」あやめは年齢に似合わぬ大人びた美しさで笑う。
「え~じゃあ柚菜はあ?」柚菜はふざけてそう言い、可愛らしくレイを見つめた。「柚菜はぁ~?」
「可愛いって」レイは困ったような笑顔で柚菜に言った。
「可愛いでござる!」あたるは興奮して叫びながら飛び上がった。「先に言うでござる。かっきーは可愛いでござる!」
「私は、別にきいてないから」遥香は綺麗に笑った。
「レイちゃんも可愛いでござる!」あたるは弾けそうな笑顔で必死にレイに言った。「今度こそ、髪を伸ばしてほしいでござる!」
「あー、髪ねぇ」レイははにかんだ。「伸ばす予定」
「とか言って、どうせ切るつもりでござろう……」
「いや!」レイは眼を見開いた。「切らない! 次は伸ばす」
「嬉しいでござるよ~」
 中央よりやや奥の方のテーブル付近にて、林瑠奈と北川悠理と掛橋紗耶香と矢久保美緒と金川紗耶と佐藤璃果が仲良く話に花を咲かせているのを確認してから、磯野波平はそこに突っ込んでいった。
「悠理ちゅわ~ん! さぁちゅわ~ん!」磯野は慌てるようにその足を止めた。「フォークデュエット組んでオリジナル曲やったんだろぉ! 空の泣きまねっつう曲なんだろう! 情報入ってんぜ~!」
「あ~」紗耶香はうぶい笑みを浮かべた。
「えーなんで知ってるの?」悠理は笑みを浮かべて驚く。
「ダーリンとか夕とか、もう聴いてるってよ。デモテープ持ってるっぽかったぜ?」磯野は微笑んでいる二人を見つめて言う。「どっかで録ったんだろ? だったらここにも届いちゃうわな」
「あ、普通に私が聴かせた」紗耶香は更に微笑んだ。「スマホで録音したやつ」
「え、いつの?」悠理は紗耶香を見る。
「乃木坂スター誕生の、前、かな。合わせた時の」紗耶香は説明した。
「なんで俺に聴かせてくんねえんだよ~、ずりぃじゃねえか~」磯野は口の先を尖らして言った。「抱きしめちゃうぞ!」
「おい波平」紗耶が言った。
「んー?」波平は笑顔で振り返る。「どーしたんだい?」
「この前、エクササイズ・ルームでダンスレッスン、隠し撮りしてたっしょ」紗耶は磯野を少しにやけて睨みつけた。
「いんや」磯野は微笑む。「隠してねえ。どうどうと撮った」
「ダメじゃん!」紗耶は強く言った。
「新曲とかじゃねえから、別によくね?」磯野は眉を顰めて紗耶を見る。
「あれ、撮っちゃダメなんじゃなかった、け?」璃果はその場にいるメンバーの顔を見ていく。「夕君言ってなかったっけ……、写真とか、動画とか、撮れないって」
「そうやん!」瑠奈は磯野に強く申す。「あー違反したなぁ!」
「あのね君たつ……。ルールはあくまでも、一緒に写っちゃいけねえわけよ。別に撮っても世間様に出さなきゃ問題ねえわけ。俺のメモリーになるわけだよな、だから」
「そうなん?」瑠奈はメンバーの顔を窺う。
「けどぉ……ダメだよ」美緒は磯野にたじたじとした態度で言う。「波平君、なんかアップしちゃいそうだもん……」
「パワーアップはするけどね」磯野はポーズを取って笑う。「見たまえ! この筋肉を!」
「あーなんかね。アンチコメントとかに怒って逆に炎上させてそう」紗耶は磯野をまじまじと見上げながら言った。
「コメントとかに関してもルールがあんだ」磯野はポーズをやめて、澄ました顔つきで言う。「アンチ見っけても、説教たれたりあおったりしねえ事。アンチの扱いに対してうちで認められてんのは、アンチに対して、すでに説教とか言ってるファン達に、いいねする事ぐらいだな」
「ふーん」紗耶香は納得する。
「いちお、ちゃんとしてんだね」紗耶は驚いた様子であった。
「やっくぼちゅわ~んだから心配ないよぉ~ん!」磯野は美緒に抱きつきそうになる。
「うわあ!」美緒はよけた。
「こら! やめろ!」紗耶は抵抗する。
「止まれ、野獣か!」瑠奈も磯野の腕を押さえた。
 北川悠理は磯野波平を見つめたままでフリーズしている。掛橋沙耶香も笑顔のままでフリーズしているが、怯えているのは北川悠理だけであった。
 ちょうど壁面から飛び出した美しい装飾の施された照明器具の真下で、星野みなみと齋藤飛鳥と和田まあやと樋口日奈が楽しそうに談笑していた。それを遠目に見ていた稲見瓶は、決心して話しかける事にした。
「ハッピー・バースデイ、みなみちゃん」歩みを止めて、稲見は上手に微笑んでから、みなみに言った。
「あ~ありがとー、イナッチー」みなみは天使のようにはにかんだ。
「ハッピー・バースデイ、ひなちま」稲見はにこりと日奈に向かって微笑んだ。
「ありがと~」日奈はうっすらと、色気のある笑みを浮かべる。
「飛鳥ちゃん、モンドグロッソのアルバム収録曲、ストレンジャーを少しだけ早く聴かせてもらえました。あれは、なんていうジャンルの音楽なのか、そういう専門的な事は俺にはわからないけど、凄く気に入りました」
「あら、ありがとうございます」飛鳥はぺこり、と小さく会釈した。「もう聴いたんだ?」