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ポケットいっぱいの可愛い。

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「へ~。でもなんか、そんな昔のアニメの人達じゃあなさそうだね」みなみはきょとん、とした表情であたるに言った。「乃木坂とかぶってない?」
「ああ、そうでござるな。幾つかはかぶっているでござるかな。でもまあ、小生、乃木坂以前にハマっていたアニメには、あまりいい思い出がないのでござるよ。それでも一番好きだったのが、声優ユニットのスフィアさん達でござるなあ」
「スフィア?」みなみはきき返した。
「そうでござる、スフィアでござる」あたるはスーパードライを呑み込んだ。「ふう……。スフィアは、寿美菜子(ことぶきみなこ)さん、高垣彩陽(たかがきあやひ)さん、戸松遥(とまつはるか)さん、豊崎愛生(とよさきあき)さんの声優四人から成るユニットでござる。アニメけいおんのメンバーも三人も参加してるでござるよ。結成は乃木坂が生まれる二年ちょっとぐらい前でござったかな……」
「凄い、なんか、オタクだね」みなみはくすくすと笑った。
「オタクでござるオタクでござる」あたるは何度も頷いてみせる。「元々オタクでないのは、あちらの二人とか、でござるよ」
 星野みなみと齋藤飛鳥と梅澤美波はそちらを見つめる……。
「俺はのび太君が好きなんだよ!」夕は真剣に怒鳴った。
「ドラえもんが主役だからドラえもんっつう漫画なんじゃねえか! 馬鹿かバッカかバカかーん馬鹿っか!」磯野は負けじと叫んだ。
「のび太君の弱いのに強い正義感と優しいとこに惚れてんだよ!」夕は叫ぶ。
「そんじゃあ俺だってドラえもんの友情に惚れとるわ!」磯野も叫んだ。
「ドラえもんの話してる……」みなみは苦笑する。
「どっちでもええわ」飛鳥も呆れて呟いた。
「面白いですね、あの二人は」美波ははにかむ。
「二人とも! 少々口をはさむでござるがな、ドラえもんとのび太君のかけがえのない友情が! そもそも最高なのでござろう! そこを忘れては盲点でござるよ!」あたるは立ち上がった。「二人で一つ! でござろう! 否、五人で一つ、でござろう!」
「そう、だよな……」磯野は、じわじわと納得する。
「いや、その通りだって話だよ、ダーリン」夕は磯野と肩を組む。「お前も来いよ、通りすがりの正義の味方に入れてやる」
「おお! そうでござるか! これはこれは」あたるはにこにことしながら、そちらへと移動する。「通りすがりの正義の味方でござるからなあ、あの勇気ある少年達と偉大なるロボットは」
「ダーリンも笑えるよね?」みなみは小さく笑った。「本気、だもんね。漫画の話とかで……。えそんな大人、いるの? て感じ」
「いるんだよ」飛鳥は座視で言った。
「いるんですよね」美波は笑って言った。
「しずかちゃんは俺んだからな」磯野は満面の笑みで言った。
「だからしずかちゃんはのび太のもんでしょうが!」夕は苛立った。
「波平殿はジャイ子ちゃんで充分でござるよ」あたるは酔っている。
「てーめえ言ったなああ!」
「待て待てしずかちゃんの話に決着つけてからにしろ!」
「んん、今宵の酒はうんまいでござるな~あ痛ったい!」
 星野みなみは、頬杖をついて、くすっと笑った。齋藤飛鳥は眠たそうにゆっくりと瞬きしている。梅澤美波はいつの間にか姿を消していた山下美月と与田祐希を眼で探していた。

       3

 二千二十二年の一月を迎え、〈リリィ・アース〉にも新年という新たな風が吹いていた。
 一月も中盤を迎えた頃の事。星野みなみはふと立ち寄った〈リリィ・アース〉に忘れ物を取りに訪れていた。
 星野みなみは地下二階の北側の壁面奥に存在する自室へと向かう途中で、はっと息を呑み込んだ。
 地下二階のエントランスフロアの中央に在る星形に五台並んだエレベーターから、それが見て窺えた。
東側のラウンジにあるソファ・スペース、通称〈いつもの場所〉に、バナナマンの設楽修氏と日村勇紀氏がいる。
風秋夕と稲見瓶と磯野波平の姿もあった。乃木坂46の一期生である齋藤飛鳥と樋口日奈、和田まあやの姿もあった。
「え……」
 星野みなみは驚きを隠せぬままに、ゆっくりと歩行を進める。
「お。来たな、星野」
 設楽修氏は後ろを振り返って、星野みなみを手招いた。
「えーどうしているんですかー?」みなみは驚愕する。
「近くに来たから」設楽修氏は軽い調子で答えた。
「はーやっぱりこうやって集まってくるんだね」日村勇紀氏はにこやかに言った。「星野とりあえず、座りなよ」
「えー……」
 星野みなみは、齋藤飛鳥の隣側に腰を下ろした。東側のソファには樋口日奈と和田まあやが座り、正面となる西側のソファに星野みなみと齋藤飛鳥が座り、南側のソファに設楽修氏と日村勇紀氏が座り、北側のソファに風秋夕と稲見瓶と磯野波平が座っていた。
「どうし、え飛鳥とか知ってたの?」みなみは可愛らしい眼を見開いて、隣に座る飛鳥に言った。
「ううん」飛鳥は冷静に微笑んで首を横に振った。「ご飯食べに寄ったら、いた……」
星野みなみは和田まあやと樋口日奈を見る。「まあや達は知ってた?の?」
「いや別に誰にも連絡してないよ」設楽修氏は短く笑った。「日村さんが肉食いてえっていうから、ここにしかない肉があるのよ。熟成肉で」
「そう」日村勇紀氏もにこやかに言った。「そしたら、ここに乃木坂がいたから、ここで食ったんだけど、ここでも頼めるのな?」
「みなみちゃん、びっくりするよね?」夕は微笑んだ。「日本一のバラエティー・ショーマンがここにいるんだから」
「乃木坂も女性アイドルで日本一だしね」稲見は付け足した。
「夕と波平と瓶のお父さん達は、俺らのライブ何回も来てくれた事あんのよ」設楽修氏はリラックスした表情で言った。「そん時からファーコンの社長って知ってて付き合ってるから……何年だ?」
「もう何十年だよね」日村勇紀氏が言った。「夕達のお父さん達とは」
「俺らとは二年ぐらいですかね、覚えてもらってから」磯野はバナナマンを見て言った。
「あ、ここね。知ってからね」設楽修氏は頷く。「そんぐらいじゃん」
「ここただ飯食えるからいいよねえ?」日村勇紀氏はにっこりと微笑んで言った。「ただ飯っていうか、ご飯さ、いつでも食べられるじゃん。でさあ、たまにレアなのがあるのよ、その日その日で」
「俺らウパから一生分の入場券と食事無料券もらってっから」設楽修氏は可笑しそうに小さく笑った。「あウパって夕のお父さんね。まぁなかなか来れないけどね。乃木坂が来てるのも実は知ってたし」
「えー!」みなみは驚く。
「便利ですよね、ここ」飛鳥はストローを咥えながら囁いた。
「だってさ、海外でしかやってないんだけど、ファーコンの、ファーコン知ってる?」設楽修氏は女子達にきく。「知らない?」
「夕君達の会社、ですよね」飛鳥は恐る恐るで答える。
「そ。ファースト・コンタクトね」日村勇紀氏は言った。
「そのファーコンでさ、海外でしかやってないってか、流れてないんだけど、CMしてるの俺らバナナマンだからね」設楽修氏は女子達に説明した。
「あれ、私達も、やってる、よね?」飛鳥は誰かの顔を確認しようとする。
「そそ、バナナマンバージョンと乃木坂バージョンがあるのよ」設楽修氏は説明した。
「そうだったんだ……」まあやは驚いた様子であった。「知らないで撮影してた……」