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手袋を買いに行ったら大好きな人ができました2

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 伊之助だけは、ふんっと胸を張っていましたが、蛇柱様はなにも答えず、炭治郎をじろじろと見ています。
「あの蛇は怪我をしていました。困っているなら助けるのは当然だから助けました!」
 炭治郎が蛇柱様をまっすぐに見つめて言うと、蛇柱様は少し眉を寄せ、さらにたずねてきます。
「異形の蛇だぞ、恐ろしいだろう? なのに当然だと? 信用しない信用しない、俺から金の蛇の鱗を貰いたくて言ってるだけだろう?」
「そんなことはありません! だって俺たちは、蛇柱様は恋柱様のところに行ってらっしゃると思ってましたから!」
 ぴくりと蛇柱様の眉が上がって、フンッと小さく鼻を鳴らすと蛇柱様は「鏑丸」と誰かを呼びました。それは首にいた蛇の名前だったらしく、蛇はしゅるりと蛇柱様から離れると、木をスルスルと登っていきます。
 やがて戻ってきた鏑丸は、炭治郎の元へと這ってきて、グイッと鎌首をもたげました。その口には、きらきらとした金色の鱗が一枚銜えられていました。
「ありがとうございます!」
 鱗を受け取った炭治郎が頭を下げたのに続いて、禰豆子と善逸もお礼を言って頭を下げました。伊之助も頭こそ下げませんでしたが、ありがとよと礼を言ったので、蛇柱様は少し不機嫌そうな顔をしながらもうなずいてくれました。

「見た目で差別するような愚か者を神は救わない。貴様らを信じるわけじゃないが、恋柱に免じて教えてやろう。俺の名前は伊黒だ。もし俺を呼ぶことがあるなら、そう呼びかけるんだな」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇