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手袋を買いに行ったら大好きな人ができました2

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 慌てて泡を破ろうとしたとき、善逸と伊之助の体が大きな泡に包まれて、炭治郎の泡と同じようにユラユラと水面に浮かんでいくのが見えました。
 泡は水面近くまで浮かぶと、スイスイと岸に進んでいきます。
 岸に辿り着くと泡はパチンと割れて、びしょ濡れの炭治郎に、禰豆子が泣きながら飛びついてきました。
「お兄ちゃんっ!! よかった……っ」
「禰豆子、心配かけてごめん。あ、伊之助と善逸はっ!?」
 慌てて見回すと、善逸たちも岸に上がっているのが見えました。
「いの、いのずげぇぇっ、ごめぇぇんっっ!! 伊之助が死ななくてよかったよぉぉぉっっ!」
「泣いてんじゃねぇよ、紋逸ぅ!」
「お前だって泣いてんじゃねぇかよぉぉっ! それとなんでまた名前間違えんだよ、馬鹿ぁぁっ!」
「うっせぇぇっ!! 弱みそが無茶しやがって、子分のくせに生意気なんだよぉっ!」
 抱き合ってわんわんと泣く二人の無事がわかった途端に、炭治郎の大きな目にも涙が浮かび上がって、炭治郎と禰豆子は泣きながら善逸と伊之助に駆け寄り抱きつきました。
「伊之助ぇっ!!」
「善逸さんっ!!」
 よかったぁとみんなで泣いていると、ほかにも泣き声がしているのに善逸が気づきました。
「あれ? 誰か泣いてない?」
「うぅっ、みんな小さいのに偉いよ~。友達想いの子たちでキュンキュンしちゃうぅ~!」
 見れば恋柱様がポロポロと涙を流しながら、うんうんとうなずいています。
「みんな、よく頑張ったねっ! 蜘蛛の糸を持って帰っていいよ!」
 泣きながら言ってみんなを抱きしめてくれる恋柱様に、炭治郎は慌ててしまいました。
「こ、恋柱様っ、恋柱様まで濡れちゃいますよ!」
「やだ、炭治郎くんたらやさしい!」
 うふふと笑って恋柱様は、炭治郎の頭を撫でてくれます。
「あっ! そうよ、お兄ちゃん、蜘蛛の糸はどうしよう!」
「そうかっ! 蜘蛛の巣も枝と一緒に落ちちゃったんだ!」
 慌てる炭治郎たちに、恋柱様はなおも笑って大丈夫よ~と言うと、指先をくるくると回し始めました。すると赤いきらきらとした糸が滝つぼから伸びてきて、みるみるうちに恋柱様の指に巻き取られていくではありませんか。
 あっという間に赤い糸玉になった蜘蛛の巣を、呆気に取られていた炭治郎に差し出して、恋柱様はにっこり笑って言いました。

「神様だって、大事な人のために命懸けで頑張れる子の応援をしたいものよ。私の名前は甘露寺っていうの。もしも私を呼ぶときは、そう呼びかけてねっ」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇