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忘れないをポケットに。

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「本質を決めるのは、結局、乃木坂自体じゃない?……はあ、疲れた」真夏はランニングを嗜みながら隣を走る飛鳥とまあやに言った。「そうでしょ? だって乃木坂が本体として考えて、動いてるんだから…はあ、疲れた」
「まあ、ね」飛鳥は軽くランニングしながら答える。「方向性とか、そうゆうのは、運営側が決めるけどね」
「だからぁ…、結局ぅ、私らがどうするか、て事でしょう?」まあやは横を一瞥して言った。「あもうちょっと、おそくしよ……。ちょい速いこれ。速くないこれ?」
「いや自分で設定できるから」飛鳥は苦笑する。
「あそうなの?」と言いながら、まあやは己で設定をいじっている。
「これからどうしていくか、じゃない? あーしんどい、これ……」真夏はゆっくりとマシンを停止させる。「ヤバい、汗かいた……」
「あんた、まだ走り始めてから五分経ってないんじゃない?」飛鳥は可笑しそうに真夏を一瞥した。「何でここに来たの……」
「まなったん、頑張ろうぜ」夕はランニング状態を維持しながら、真夏に微笑む。「ご褒美がいっぱい待ってるよ。温泉入ったら、御馳走、一緒に美味しく食べよ?」
「うん、食べる。頑張る」真夏は、またランニングを開始する。
「夕君何キロで走ってるそれ?」日奈子は走りながら、驚いた顔で夕を覗き込んだ。
「アスリート・モードだよ」夕はにこやかに答えた。
「すごっ」日奈子は一瞬だけ眼を見開いた。「なにアスリートモードって……、じゃあアスリートじゃんもう」
「十キロしか走れないから、意外と普通だよ」夕はにこにこして走る。「十キロでいつもくたくた……」
「ああ~、しょ、小生はいち抜けたぁ、でござる!」あたるはどたばたと、ランニング・マシンから飛び降りた。「きっついでござるよ~……、はあ、何十分走ったのでござろうか、はぁ……」
「五分も経ってねえよ」日奈子は鼻筋に皺を作って笑った。
「きつーい!」美波は叫んだ。
「蓮加も、もきつい……」蓮加は走りながら呟いた。
「ダーリン! ずるいよ!」史緒里はそちらを一瞥しながら必死に叫ぶ。「ほら、走って!」
「で、では久保ちゃん殿、一つききたい!」あたるはランニング・マシンの設定をゆるく設定し直そうとする。「マラソンをして……、しゅっとなった小生を、カッコイイと呼んでくれるでござるか?」
「うんそれはちょっと、わかんないけど……」史緒里は口先を尖らして答えた。
「それ見た事か!」あたるは悲劇的な顔をする。あたるはそれでもランニング・マシンに乗って走る。「ならば、ならば小生はなぜに、走らなければならないのでござるか! 成果に期待してくれる人はおらなんだか!」
「乃木坂が走ってんだから、ファンも走るんだよ!」美波はわらけて言った。
「そうだよ、はぁ、つらい」史緒里は片手でひたいの汗をぬぐいながら走る。
「なら走るでござーーる!」あたるは設定を操作して、ペースを上げた。「ぬおおおお!」
「ダーリン凄いじゃん!」美波は笑った。
「喉からっから……」蓮加はパネルを操作して、ペースを落とした。「ねえ、一回なんか飲まない?」
「れんたん走って、ほられんたん、まだ若いんだから」史緒里は蓮加を一瞥してそう言ったが、パネル操作により、ペースが落ちている。
「ちょ、どうやって止めるでござったかこれ!」あたるは脚をつっかえて、ランニング・マシンの上から転がり落ちた。「んぐおっ! んすっごく痛った~いでござぁる!」
 磯野波平は、マシン・ショルダープレスで三角筋を鍛えていた。それを伊藤理々杏と吉田綾乃クリスティーは休憩がてらに眺めている。
「きっかけ、てさ……。んめっちゃいい曲じゃない?」理々杏はそう言った後で、苦笑する。「いやすっごい、すっごい今さらなんだけどさ……」
「めっちゃいいよ」綾乃は落ち着いた仕草でスポーツ・ドリンクを飲んだ。「突然なに?」
「いや、波平君が歌ってるからさ」理々杏は磯野を一瞥する。
「え!」綾乃は驚愕する。「きっかけ歌ってたの? ……なんの曲だろうとは思ってたんだけど……。歌詞知ってるなー、とかって」
「きっかけだよ」理々杏は笑った。スポーツ・ドリンクを飲む。
「ほいほいほい、そこのお尻ぷりっぷりのレディ達よぉ」磯野は身体を機材に預けたままで不敵に笑った。「一緒に一汗かこうぜ~?」
「ぷりっぷりとか言うな、波平」理々杏は、首にかけているタオルを両手で掴んで磯野を睨んだ。「そういう事言うなバカ」
「あははは」綾乃は可笑しそうに笑った。
「知ってた? 俺って筋肉すげえんだぜ?」磯野はにやけて言う。
「見えてるよ」理々杏は即答した。
「あっはは」綾乃は笑っている。
「これってよぉ、努力の結晶なわけよ?」磯野は言葉を続ける。「意外と続かないんだぜ? 筋トレってよぉ……。それをコツコツ、コツコツコツコツ、コツコツコツコツコツコツ」
「わーかったよ」理々杏は苦笑する。「はーい凄い凄い、よく出来ました~」
「でもさ、波平君の身体って、筋肉凄いけど、太くならないよね? スーツ着てても」綾乃は、磯野のはだけた上半身をまじまじと観察しながら言った。「普通、もっとこう……、太くならない?」
「あー……」理々杏も磯野の身体を直視する。
「それはな、鍛え方に秘密があんだよ」磯野は口元をにやけさせて言う。「例えば、腕の上腕な? ここを部分的に鍛えすぎっとな、服が着れねえわけよ。だから俺は、部分部分、強弱をつけて鍛えてるわけ。スーツ着てても、胸板ぐらいだろ? 分厚く感じるのってよ」
「あーそうかも、わかんないけど」綾乃は微笑んだ。
「鍛えすぎだよ」理々杏は鼻を鳴らして笑った。「鍛えればいいってもんでもないでしょ」
「はいりりあん、後でちゅうな」磯野は筋肉トレーニングを再開させる。
「しねえよ」
「あははは」
 田村真佑と柴田柚菜と矢久保美緒と黒見明香と松尾美佑は、休憩スペースのソファ席で小休憩を取っていた。駅前木葉と宮間兎亜と御輿咲希もここにた。
「知っていますか?」駅前は嬉しそうにしゃべる。「時の轍のMVと、価値あるものとのMVの繋がりを」
「それってさ、楽譜、拾うやつですか?」美緒は駅前の顔を見つめながら言った。
「そーうですそうです!」駅前はぐいっと、あごをしゃくらせた。「いくしゃんが時の轍のMVで宙にバラまいた楽譜を、価値あるもののMVで久保しゃんが拾うんでしゅ!」
「そして抱きしめるのよね~……」兎亜は半眼をうっとりとさせた。
 御輿咲希は、先程から突然にあごがしゃくれた駅前木葉に言葉を失っている。
「乃木坂のMVってそういうのありますよね?」真佑は納得して囁いた。「撮って下さる監督さんにもよるんですけど。続き、っていうか、続編? ていうか」
「ありましゅね~」駅前は白目をむいた。
 御輿咲希は、駅前木葉の恐ろしすぎる形相に、悲鳴を上げそうになって、なんとかぎりぎりで留める……。
「松尾、何飲んでるの?」柚菜は笑顔で美佑に言った。
「え、お茶だよ」美佑は不思議そうに答える。「一緒に頼んだじゃん」
「えそうだっけ、憶えてない」柚菜は苦笑する。「矢久保は何頼んだの?」
「見ればわかるでしょ?」美緒は笑った。「イクラ丼だよ、お腹すいてんだよ~」