二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

天空天河 四

INDEX|5ページ/12ページ|

次のページ前のページ
 

「長蘇がそんな風に、衣を乱したという事は、長蘇は誉王に♯♯○〆♭□〒▽$$♂♂♂※、、、。」
「わぁぁぁぁぁ!!!!。」
 大急ぎで、後ろにいる、飛流の耳を塞ぐ長蘇。
「なんて下品な物言いだ。飛流が聞いたらどうするのだ。」
「は?、だってその姿は、誉王に♂※※〆@♪♪♀〇〇〇→→→→@←←←←だろ?。」
「やめろと言っている側から、、お前と言うやつは、、!!。」
 藺晨に何を言おうと、無駄だと、藺晨は慌てる自分を面白がっているのだと、長蘇は察した。

 長蘇は飛流の頬を、両手で挟みながら、言い聞かせるように、ゆっくりと言った。
「飛流、自分の部屋に行きなさい。分かったね。」
「う、、云、、。」
 有無を言わさぬ長蘇の言い様に、飛流も何かを察して、言う通りに、部屋へと向かった。


「何だ〜、部屋に行くのか飛流。大事な勉強だろ?。
 藺哥哥が丁寧に教えてやるぞ。」
 後ろから声をかける藺晨に、振り向いて、舌を出す飛流。
「ひっ、、可愛い、、。
 いつの間に、あかんべなんか覚えたんだ?。
 、、折角の、飛流の大人の勉強だったのに、、。
 まぁ、いつかまた、機会も有るだろう。

 、、ぅおっっと、長蘇、、、なんの真似だ?。」

 怒りの長蘇が、藺晨の首元に、簪の先を当てていた。
「藺晨、これ以上、下品な物言いをしたら、刺すからな!。」
「痛、、刺してんじゃないだろうな?、チクッとしたぞ。」
「ついさっき、誉王をこれで刺して来たんだ。
 誉王を練習に、今からやる藺晨を、本番にしてやろうか。」
 長蘇の目が、本気で怒っていた。
 おふざけも、ここら辺で終いにしないと、後が面倒だと、藺晨も察した。
「、、、、全く、、お前は、冗談のきかない、、。
 もう、、言わぬ、、だから止めろ、な?、な?。」
 そう言って藺晨は、簪を持つ長蘇の手首を握り、自分の首元から外した。
「、、、ふう〜。危ない危ない、、。
 、、、あ??、お前ほんとに刺してるじゃないか!。、、長蘇!!。」
 首元を撫でた藺晨の指に、ほんの少し、血が付いていた。
 長蘇は、しれっと、『それが何か?』という顔をしている。
「死にはしない。」
「確かに死んだりはしないがな、、、だがな、刺すか?、普通、、、。
 、、、ん?、、あれ??。
 長蘇の腕が、、温かいな、、、あれ程冷たい体だったのに、何故だ?。」
 藺晨は、掴んだ長蘇の手首が、温かい事に気がついた。長蘇はなんの事か分からぬ様子だったが、意味に気が付いて、急いで掴まれた藺晨の手を解いた。
「、、、?、、、、!!!。」
──口で何だかんだ言われるのは、仕方がない。当てずっぽうなのだから。
 、、、、だが、体に触れられて、誉王との騒動を察知されるのは、、。
 、、、藺晨は医者だ。
 脈一つで、私の全部を、知ってしまう。──

 長蘇は、嫌だと思った。
 誉王とは何でもなかったが。
 確かに媚薬入の酒を飲んだ。
 それだけで何も無かった。体が何時もより軽いと感じるのは、あの酒のせいなのだろう。長蘇の体は酒のせいで、何時もとは違っている。
 無かったことまで、有ったように勘ぐられるのは嫌だった。
「何か飲んだか、、何かしたか、、。」
「あ──、、、。
 酒を一杯だけ、、、ま、、健康酒の様な物だ。」
 藺晨の問に、目を泳がせながら答える長蘇。
「健康酒ぅ???。
 、、、、そんな訳無い、私を馬鹿にしてるのか?、誤魔化されるか。
 媚薬か何かなのだろう?。お前のあられもない姿を見れば、察しがつく。
 どの媚薬だ?、嗅がせてみろ。クンクン、、。」
 長蘇の顔に、藺晨が鼻を近付けて、匂いを嗅ぐ。
「うわっ、、止めろ、、。
 盃一杯だけだったし、時間も経つ。もう、匂いは分かるまい?。
 、、、、藺晨、、止さないか、、。汗」
 長蘇は止めさせようと、右手で藺晨の顔を押しのけようとしたが、逆に、手首を掴まれて、手首の匂いを嗅がれてしまった。
「いやいや、、媚薬っていうものは、結構分かるものだぞ。クンクンクン、、。
 、、、、、首の辺りが一番匂って、、。」
「言われてみれば、あれから何時もよりも体が軽いのだ。そのせいなのか?。
 それならば常用したら、並の人間位の体力は、保てるのでは無いか。」
 良い事に気が付いた!、と、長蘇の表情が明るくなった。
「単純な考えだな。
 恐らく、効いているうちは良いが、薬効が切れれば、反動で動けなくなるぞ。飲み続ければ、それだけ負の反動が蓄積され、ある日決壊する様に、体に現れる。
 人の体が動ける量は、体に合わせて決められているのだ。能力以上を出し続ければ、、、、。
 武人だった長蘇ならば、分かるだろう?。」
「、、ぅ、、、、、。
 、、、、そうか、、、。」
 長期はいい考えだと思い、期待をしたのだろうが。がっかりと、長蘇の肩が落ちたのが分かった。
「そう、がっかりするな。体の負担にならず、長蘇に合った物が、何か有るだろ。私が付いている。任せておけ。」
「ん、、、。」
 藺晨の安い慰めが、嬉しく感じた。
「世の中には、お前や飛流が痛みを受けずに、『魔』退治が出来る方法があるやも知れぬ。」
「ふふふ、、見つけたら宜しく頼む。」
「任せておけ。私は大船だぞ。」
 古文書は全て、石柱にあって、あの古文書以上に『魔』の記載のある書物なぞ、有りはしないのだろうが。
 藺晨の安い慰めが、それでも長蘇には嬉しかった。


 長蘇は、背中に何かが張り付く感覚を覚えた。
「ん?。」
「長蘇よ、飛流が来たぞ。匂いを嗅ぎに来たのか?。」
「あははは、、。私は一体、何の香りがするんた?。」
「、、、んー、、、、花?。」
 そう言って飛流は、長蘇の背中に鼻を付けて、思い切り嗅いでいた。
「そうなのか?。」
 長蘇には分からないらしく、藺晨に尋ねた。
「言われてみれば、どこか百合の香りに、似ているな。誉王め、良い趣味をしているな。
 しかも、段々、匂いは強くなっているぞ。」
「え?、強くなってる??。馬鹿な!!。」
「見てみろ、蘇宅の従者が、こっそり匂いを嗅いでるぞ。」
「、、??!!!。」
 長蘇が見回せば、数名の従者達が、陰に隠れて、こちらのやり取りを覗いていた。
 長蘇の目の色が変わった。匂いを嗅ぎに近付く従者の一人一人を、嗅がせない様に、相手などしていられない。
「ぉぃッ、藺晨!、この匂いはいつ取れる?。」
「さぁ?、な、、、あはは、、、。」
 長蘇の慌てぶりに、藺晨は、笑いが込み上げていた。
「誉王め!、昔からろくな事をしない!。」
 普段、冷静沈着に見える長蘇に、こんな風に、慌てた表情もあったのだと。可愛らしいな、と藺晨は思った。
「飛流、何とかしろっ。」
 困り果てた長蘇が言った。
「あはははは、、、。
 飛流に何とか出来るものか。
 、、、、良しっ、逃げるぞ、長蘇!。」
「、、あっ、、、。」
 藺晨に手を引かれて、長蘇は藺晨の走るままに、ついて行った。
 藺晨は、そう早く走った訳では無い。
 長蘇に合わせる様に、負担にならない速さで走った。
 長蘇はあまり、と言うより、殆ど走る事など無い。急に速く走っては、媚薬を飲まされて、普段より体が軽いとは言うものの、長蘇の具合が悪くなる。
作品名:天空天河 四 作家名:古槍ノ標