ワクワクドキドキときどきプンプン 2日目
少し拗ねた顔で言う玄弥をうながして厨房へと向かいながら、実弥はさっきの女の子の、きれいな瑠璃色の瞳を思い浮かべた。
また来るかな、あの子。もしまた来たら、今度はもう少しやさしくしてやろうか。やさしい言葉なんてかけなくても、あの子は俺を怖がらないみたいだけど。客に親切にするのは当たり前だし、べつに変じゃねぇよな。
玄弥と連れ立って歩く実弥は気づかない。すれ違う女性客が着ているピンクのウェアに。
水色が似合っていたポニーテールの『女の子』に、次に逢ったらと考えていたから。今度はあんな苦しそうな顔じゃなく、笑った顔が見てみたいと、考えていたから。
作品名:ワクワクドキドキときどきプンプン 2日目 作家名:オバ/OBA