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セブンスドラゴン2020 episode GAD2

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 シュウとリアンはトウジに付いていく。
「ねートウジ君、策があるなんて言ってたけど、それってどんなの?」
 リアンが訊ねた。
「マナと力の強制解放だ。っと言った所で分かるまい。実際に見せてやろう、ドラゴン討伐でな」
 トウジは多くを語らなかった。
 やがてドラゴンの居場所にたどり着いた。ミイナのナビ通り、ドラゴンが二体居すわっていた。
「本当に二匹もいるじゃない。本当に勝てるの?」
 シュウは言った。
「二匹ともドラゴハンマードか。問題ない、勝てる」
 トウジは一歩進み、言った。
「これなら楽勝だ。二人は見ていてくれ。俺が見せたい策をな」
 やがてトウジは、ドラゴンの視界に入った。
「ゆくぞドラゴンども! 覚悟しろ!」
 トウジは言うと、全身の力を体の中心に込める。
「はああああ……! いくぞ、『エグゾースト』!」
 一連の行動の後、トウジの体から青白い炎のようなオーラが立ち上った。
 トウジは単身、二体のドラゴンに向かっていった。
「燃え尽きろ!」
 トウジが放った炎は、これまでよりも威力があり、回りも速くなっていた。温度も軽く千度を超え、青い炎と化していた。
 しかし、これほどまでに強化した炎でもドラゴンはまだ死に至ることはなかった。
 ドラゴンもやられるばかりでなく、反撃に出た。
 金槌のような頭を振り下ろす攻撃がトウジに襲いかかった。
「遅い!」
 トウジは難なく、後方へ宙返りをして避けた。
 大振りの攻撃を空かされ、隙をさらすドラゴンに、トウジは素早くドラゴンの口に手をかざした。
「爆ぜろ!」
 トウジは、ドラゴンの口の中に爆発を起こした。爆発はドラゴンの歯を吹き飛ばし、脳をも焼き尽くした。
 爆発を原因とし、ドラゴンは事切れた。
「次は貴様だ!」
 今度の相手も同じドラゴンであり、トウジは一気に戦いを終わらせようとした。
「はあああ……!」
 トウジは、残った力を全て込め、青白い炎にして撃ち出した。
「灼熱よ焼き焦がせ!」
 トウジの手から、炎が渦巻いた。
 ドラゴンは焼かれ、地面に崩れ落ちた。
 ドラゴン二体は、トウジの手によって倒れた。
「作戦成功だ。雑作もない」
 トウジの纏っていたオーラが消えた。
「っと、丁度時間切れか」
 シュウとリアンの二人は、驚きの中にいた。
「すごい……」
「トウジ君、一体何をしていたの? あの身のこなしに攻撃力。普通じゃないわ……」
「あれか。あれは『エグゾースト』という一時だけ全身を強化する術だ」
 トウジは倒したドラゴンからDzを回収しながら説明を始めた。
 ドラゴンと相対できるS級能力者のみに使える、身体と精神の両方を一時的に強化できる能力が『エグゾースト』である。
 能力者が『エグゾースト』状態でいられる時間は個人差があり、能力者の強さが上なほど時間は長くなるが、一度に大きな力を発すると時間は自ずと短くなる。
 そのような強力な身体強化である『エグゾースト』であるが、連続使用はできない側面もあった。
 いかに急いで再使用しようとしても、三十分の間の時間が必要であった。
「お前たちも能力者だ。まだ俺のようには行かぬだろうが、使うことはできる」
 トウジはDzを回収し、話も一通り終わらせた。
「すごーい! わたしにもできるんだ。どうやってやるのー?」
 リアンは、未知の力の使い方を嬉々として訊ねた。
「体に全力を込めるんだ。大体胸の真ん中辺りだな」
「よーし! ちょっとやってみよー!」
 リアンは、言われたように、両肘を自らの肋間に付けると、体に力を込めた。
「むーん……!」
 しかし、トウジのようには行かず、オーラは発生しない。
「むむーん!」
 リアン込めた力は次第に溢れだし、オーラが僅かに発生し始めた。
「む、むーん……」
 しかし、リアンの力が先に落ちていき、オーラは萎み始め、やがて消えていった。
「トウジくーん。これってものすごく難しくない?」
 リアンは脱力して両膝を地面に付いた。
「言っただろう、今は俺ほどには使えぬとな。戦闘を繰り返してようやく使えるものだ。焦る必要はない」
「はああー!」
 トウジが言い終わると、突然気合いの入った叫び声がした。
 叫びの主はシュウであり、『エグゾースト』を試したようだった。
 シュウの全身がオーラで纏われ、さらに火の粉のような光が舞っていた。
「へえ、これが『エグゾースト』。確かにすごい力を感じるわね」
ーー今は難しいはずの『エグゾースト』を容易く……!?ーー
 トウジは驚きで声が出なかった。それもそのはずであり、シュウの『エグゾースト』はトウジのものと圧倒的な差があったからである。
「シュウちゃんすごーい! こんなに難しいのにあっさりできちゃうなんて」
 リアンも驚きの声を上げた。
「トウジ君の真似してやってみたら偶然できただけよ。……ってもう終わっちゃった」
 シュウの変身は解けた。
 一連の出来事を見ていたトウジは、それが偶然の産物ではないと分かっていた。
 トウジのものとは圧倒的に、あらゆるものが上回っていた。
 攻撃力は倍どころか十倍にも達し、スピードも同じくらいの差があった。
 唯一勝る点は持続力であったが、これも戦いを繰り返せば、比例して時間も伸びようものと思われた。
 トウジは確信した。
ーー四季、目覚めたばかりでその力、最早疑いようもない。お前こそがドラゴンを屠る最強の戦士だ……!ーー

 Phase5 帝竜ウォークライ

 シュウたち三人は、都庁に赴き、ドラゴンの死体から取れるDzを三つ集めるという任務を遂行し、新宿御苑のシェルターへと帰還した。
 シュウたちを待っていたのは、ムラクモ四班、通称開発班であった。
「うむ、確かにDz三つ受け取った。すぐに手配しよう」
 開発班班長である初老の男、上地昭吉(わじしょうきち)が、Dzを手にした。
「ケイマ、レイミ。さっそく開発に取りかかるぞ」
「おう、爺さん! 久し振りに腕が鳴るぜ!」
「レイミのかわいい子達がまた作れて嬉しいです!」
 張り切った少年はそばかすが特徴的な駒形慶馬(こまがたけいま)、エプロンドレス姿のメイドのような格好をしているのは林藤玲美(りんどうれいみ)と言った。
「できたぞ」
 ワジは、ものの数分であるものを完成させた。
「これって、トウジ君の着けてる籠手ですよね?」
「シュウと言ったな、その通りだ。ムラクモ機関に属する者は皆着ける必要のあるガントレットだ」
 ワジの言うように、仲間との通信を主におこなう機能の付いた籠手(ガントレット)であった。
「機能性はムラクモ機関の所属先によって変わる。お前たちのは最先端の性能だが、動力は一緒でDzだ。お前たちの持ってきてくれたもので完成した。型はできていたが動力がなかったのでな。助かったぞ三人とも」
 ワジは、籠手をシュウとリアンに渡した。
「さっそく着けてみてくれ。サイズが合わなければ調節する」
 シュウとリアンは籠手をはめてみた。
「これはいいですね。ぴったりですよ」
 シュウは、籠手を着けるとしげしげ見回した。
「いかにも特殊部隊ってかんじだね。この機械はなんだろう?」