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蒼氷(そうひ)@ついった
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novelistID. 2916
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最終兵器静雄

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彼の自我が日に日に損なわれていくのは感じていた。

「俺、成長してるんだ」

彼の言葉通り、感情をなくすのと同時に、彼の兵器としての性能はどんどん上がっていった。
彼の中の人間である部分を少しでも守りたくて、必死だった。

「街を一つ消しちまった・・・」

誰のものとは分からない返り血を浴びた彼の姿。
ワイシャツの背中は生えた翼によって破られ、髪からは染み付いた硝煙の匂いがする。
がたがたと震える、機械に蝕まれた身体。

「力を制御できなかった・・・っ」

今はもう人間のそれへと戻っている両手を見つめ、彼が絶望に頬を濡らす。

「まだ、避難してない奴が、子供が、まだいたのに・・・っ」

ぐしゃぐしゃの泣き顔。
次から次へと溢れる涙を拭って、俺は彼の身体を抱きしめた。

「逃げよう」

軍の衛星が常に彼の位置を追っている。
逃げられる筈は無いと知っていた、それでも。