最終兵器静雄
「こんなになっても、お前は俺を見捨てないんだな」
あの日の放課後と同じ、力の無い微笑み。
「そんなお前が・・・好きだ」
肩に触れる温もりは人間のそれだ。
今も昔もずっと変わらない。
「俺も静ちゃんが好きだよ・・・ずっと」
冷たい床に静雄を押し倒し、シャツのボタンを外した。
胸に刻まれた痛々しい手術痕の上に口付けて、俺は静雄を抱いた。
胸に醜い傷があっても、彼は変わらず綺麗だった。
「何してんだ?」
終わった後、キスをした回数を展望台の壁に刻んだ。
「記念にと思って」
「なんだよ、それ」
静雄は笑ってくれた。
作品名:最終兵器静雄 作家名:蒼氷(そうひ)@ついった