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僕はきっと、この日を忘れない。

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 その年、二代目キャプテンとして秋元真夏が就任。この年、乃木坂46は四枚目のアルバムを発売している。タイトルは『今が思い出になるまで』。
 『ありがちな恋愛』が始まった。齋藤飛鳥と山下美月のWセンターであった。言わずと知れたこの眼曲は圧巻の魅力であった。
 『夜明けまで強がらなくていい』が遠藤さくらのセンターで歌われる。巨大な扇子に映し出された遠藤さくらの人影が激しくも妖艶に踊る。
 『シング・アウト』が始まる。齋藤飛鳥のセンターである。齋藤飛鳥のソロダンスは驚異的な魅力に溢れている。この楽曲も、せつに伝えてくるメッセージが強く、温かだった。
 『四番目の光』が始まる。遠藤さくらのセンターであった。紅色と白の花の刺繍が入ったロングドレスだった。
 VTRが2020年の乃木坂46を映し出す。
 久保史緒里のセンターで『毎日がブランニュウ・デイ』が歌われる。
 賀喜遥香のセンターで『アイシー…』が始まる。
 齋藤飛鳥のセンターで『幸せの保護色』が歌われる。信じられない事が起こる……。曲中盤に、ステージ上のセットの扉を開くと、白石麻衣の姿があったのだ。

「まーーいやぁーーん!」風秋夕は満面の笑みを浮かべ、大声で叫んだ。
「そうきたか……」稲見瓶はにこり、と笑みを浮かべた。「本当に興奮する……」
「まいやんまいやんまいやーーん!」磯野波平は興奮を隠さずに絶叫した。
「と、とと、とり、はだがっ!」姫野あたるは眼をひん剥く。
「まいやんだわ!」駅前木葉は興奮と笑みを受け入れる。「まーいやーん!」
「まいやん来ちゃったよぉ……、何か怖いね~!」来栖栗鼠は無性に微笑む。「僕今日ここで死ぬのかなあ?」
「マジかよ!」天野川雅樂は眼を見開いて叫んだ。「まいやんだ、まいやんじゃねえかよ!」
「これ会場で目の当たりにしてる七万二千人は、泣いてるわね、たぶん」宮間兎亜は無邪気に笑った。
「まいやんっ、いやっ、好きです超好きなのよっ!」御輿咲希は、不意に襲った涙を止められずにいた。「まいやーーっん! っううっ」
「す、げーな……」比鐘蒼空は夢のようなステージに眼を奪われる。

 白石麻衣のセンターで『シンクロニシティ』が始まった。大迫力のサウンド。迫真のダンス。零れる笑顔達。火柱が上がる。
 白石麻衣を迎えてトークが行われた。
 2020年の乃木坂46がVTRで映し出される。この年、コロナ禍になり、久保史緒里は何もできなかったと語った。岩本蓮加はとにかくブログを上げてと語った。久保史緒里は何も見えなかったと語った。
 そんなグループとして考えさせられた。今、何が出来るのか……。その答えが、この歌だった。
 『世界中の隣人』が歌われる。途中、秋元真夏の優しいトークが入った。気持ちを込めて、歌いますと。
 齋藤飛鳥のセンターで『ルート 246』が始まった。レーザー光線が交差する。赤と黒とベージュのロングドレスが揺れる。
 2021年の乃木坂46がVTRが流れる。梅澤美波は白石麻衣卒業の後のシングルを語る。山下美月は先輩達の卒が続き、後輩メンバーの知名度の足りなさを語った。齋藤飛鳥だけに、一期生二期生だけに負担させてはいけないと。
 山下美月のセンターで歌う『僕は僕を好きになる』が始まった。ブラックのロングドレスであった。短い一瞬の花火が上がった。
 遠藤さくらのセンター曲、『ごめんねフィンガーズクロスト』が始まった。赤いライティングの中で漆黒の天使達が踊る……。
 賀喜遥香のセンター『君に叱られた』が始まる。こんなに可愛らしい名曲は他に類を見ないだろう。
 衝撃が走る……。生田絵梨花の登場である。

「もうダメだっ、心臓がもたんっ!」風秋夕は幸せそうに大笑いする。「いーくちゃーーん!」
「これは、さすがに想像以上だ……」稲見瓶は驚愕していた。
「やべーやべーって、それはやべーえってぇ!」磯野波平は満面の笑みを浮かべて大興奮している。
「はっきり言って、こりゃ過去一だぞ……」天野川雅樂は気が付けば口走っていた。
「尊いが溢れてる~!」来栖栗鼠は、満面の笑みで叫んだ。「いーくちゃーん!」
「小生の人生で、これほどの時間を乃木坂と、OGと、共有できるとわっ……」姫野あたるは感動の涙を浮かべる。「我が生涯に一変の悔いなし!」
「このステージにかける運営さん達の情熱が、凄すぎる……」駅前木葉は、それから言葉を失った。
「鳥肌立ったわ!」宮間兎亜はにんまりと笑った。
「いーくちゃーーん!」御輿咲希は涙ぐんで叫んだ。
「……すげ」比鐘蒼空は圧巻にそう呟いた。

 光に照らされた無人のステージがせり上がり、生田絵梨花の姿が見えると、オーディエンスから地鳴りのような歓声が上がった。メンバー達も集結し、生田絵梨花は秋元真夏らとハグをすると、『最後のタイト・ハグ』が生田絵梨花のセンターで歌われた。
抱き合うように、慕い合うように、懐かしさと愛しさに溢れた笑顔で乃木坂46は生田絵梨花を包んでいる。

「皆さんありがとうございました―、この後も楽しんでいって下さーい!」

 生田絵梨花は袖に帰っていった。
 VTRで五期生達が紹介される。
 井上和のセンターで歌われる『絶秒の一秒前』が神秘的な旋律と共に始まる。五期生が全員でこれを歌う。笑顔で見事な歌唱力を披露する五期生。ダンスもそれはもう、プロのパフォーマンスであるとしか言えなかった。
 佐藤楓センターで『届かなくたって・・・』が始まる。

 中西アルノがセンターで歌う『アクチュアリー』が始まると、拍手が自然発生した。

「待ってたよ、アルノちゃん」風秋夕は笑みを浮かべた。
「やっとまた聴けるね」稲見瓶も笑みを浮かべる。
「アルノちゃんのセンター曲な!」磯野波平もにっこりと笑った。
「拍手上がったね!」来栖栗鼠は微笑む。
「そりゃ拍手もしたくなる。みんな、待ってたんだろーぜ」天野川雅樂は笑顔を浮かべて囁いた。
「アルノちゃん殿ーー!」姫野あたるは微笑んで叫んだ。
「おかえりなさい」駅前木葉はぼそり、と呟いた。
「アクチュアリーも復活ね!」宮間兎亜はにんまりと半眼で微笑む。
「そうですわね、安心して聴けますわ」御輿咲希は微笑んだ。
「……おかえり」比鐘蒼空は呟いた。

 VTRが流れる。現在乃木坂46には四十四名が在籍しているとナレーションは語る。もしかしたら、彼女達はここにいない人生があったのかもしれないと。遠藤さくらのブログから前向きな意思のような言葉が抜擢され、紹介される。いつの時代の乃木坂46も美しかった。
 ただ、これからの彼女達も、間違いなく、美しい。一期生、四人。二期生、二人。三期生、十一人。四期生、十六人。五期生、十一人。乃木坂46には今、四十四人のメンバーが在籍している。

「このナレーション、安心するな」風秋夕は笑った。
「いつもの人だね」稲見瓶も微笑む。
「ふけーんだよな、乃木坂はよぉー……」磯野波平は、真剣にナレーションを聞いている。
「乃木坂46、今も尚、輝くその光は、真夏の光線であり、真冬の優し気な太陽であり、小生達を生かす女神でござる……」姫野あたるは深々と実感しながら呟いた。
「四十四人、在籍しているんですね……」駅前木葉はナレーションに納得していた。