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ジャンピングジョーカーフラッシュ

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「お願い……。今、できる事をしたいの……。ずっと思ってた……、夢ってなんだろうって……。こんなに怖い思いをする事が、自分の夢なのかなって……。でも、やっとわかったの……。みんなと出逢う事が、私の夢だったんだな……て」
 賀喜遥香は、言葉をしまって、険しい表情でまっすぐに遠藤さくらを見つめる。
 遠藤さくらは、優しい笑顔だった。
「行って……。すぐに追いつくから………。全部終わったあと、みんなで騒ご?」
 賀喜遥香の頬に涙が伝った……。
「追いついてこんかったら、説教やで……」
 田村真佑は微笑む。
「次の現場行っても地獄には変わりないだろうけど……。能力は使いようよね。さく……、来なかったら、本気で怒るからね……」
 柴田柚菜は、傷ついた顔で、遠藤さくらに笑みを浮かべた。
「さくちゃん強いね……。私も、きっと強くなる。もっと強くなってやる……。早く来てよ、さくちゃん……」
 早川聖来は、立ち上がった。赤く染まる小学校の校庭の中央にある、ヨグソトースの本体を睨みつけるように笑い叫ぶ――。
「うちのさくは強いでぇ~~っ……。お前なんか、お前なんかっ、さくちゃんには絶対勝てへんっ!! さくちゃんが勝つ!!」
 賀喜遥香は、遠藤さくらへと頷(うなず)いた。遠藤さくらも、皆へと頷きを返した。
「先に行って地獄で待ってるわ! ちゃんと追いかけてくるんやでさくちゃん! うちら仲間やんなっ!?」
 賀喜遥香の言葉に、遠藤さくらは涙を浮かべながら、頷(うなず)いた。
「うん!」
 ユウは叫ぶ。
「俺が瞬間移動で飛ばす、奴の攻撃中は発動できないから、もう今すぐ飛ばすよいいかみんなっ!!」
「待ってる!!」
「待ってるよ!さく!」
「さくちゃんありがとう!」
「負けないで~さくちゃああん!!」
 賀喜遥香、田村真佑、柴田柚菜、早川聖来の四人は、次の瞬間、ユウの〈空間転移〉によって、ヨグソトースから二キロ先の赤い空間の外へと瞬間移動した……。
「待ってて……、みんな……」
 遠藤さくらは毅然(きぜん)とした表情で、数百メートルもあるヨグソトースの巨躯(きょく)を睨みつける。
 ユウもビンもナミヘイもアタルもコノハも、遠藤さくらを囲うように立ち、ヨグソトースの巨躯を睨み上げていた……。
「覚悟してもらうから……、邪神さん……」
 ヨグソトースの球体の集合体は、光り輝く虹の光を放ちながら、恐ろしく大きな八メートル以上もある美しい女性の姿に変わった……。
 光り輝く虹の女神は、その長い腕の指先に、球体であった時の一部である、銀色に輝く透明な水晶球を空中に創り出す……。

『我ㇵ過去、現在、未来ヲ駆ケ巡リ、異次元ヲモ自在二操ル全能ナル神ナリ……。ソナタ等ニㇵ無限地獄ナル呪イノ運命ヲ与エヨウ……』

 呪いの水晶球は、そのガラスの内に赤い炎を宿して燃え盛る……。入り込めば、もう二度とは還(かえ)る事の出来ぬであろう、無限地獄が、刻々と形成されていくのであった……。

       10

 ゆっくりと瞳を開けると、遠藤さくらは、背中に鮮(あざ)やかな羽を生やしたメスの蝶(ちょう)になっていた……。
 ゆらゆらと空に浮かびながら、険しいジャングルを彷徨(さまよ)うように飛んだ。
 蝶になった遠藤さくらと、同じ種類の蝶の群れが、高い宙に列を成してゆらゆらと飛んでいた。すると、列からはみ出たサクラ色の羽をした四匹(よんひき)のオスの蝶と、白色の羽を生やした一匹(いっぴき)のメスの蝶が、宙に集まるように留まって、羽を揺らしていた。
 身に余る大きな羽をゆっくりと羽ばたかせながら、遠藤さくらは、その五匹の蝶の元へと飛んだ。
 一言、二言を会話して、遠藤さくらはにっこりと微笑む――。五匹の蝶は、身に余る大きな羽を羽ばたかせて、遠藤さくらを嬉しそうに囲み、そのまま五匹の蝶は、遠藤さくらの腕を引っ張って、空高くへと飛んでいく……。

 呪いの水晶球に、一筋のヒビが入る……。

 眼を強く開くと、遠藤さくらは巨大な首の長いメスの恐竜になっていた。ジャングルから聳(そび)え立つ活火山が噴火する中、同じ種類の首長竜の群(む)れを見つける。
 首長竜のメスになった遠藤さくらは、首を傾げる。その群れから外れた処に、四匹のオスの首長竜と、一匹のメスの首長竜がいた。
 五匹の首長竜は、遠藤さくらに近寄って、笑顔になる。五匹は大きく首を遠藤さくらの首に撫でつけて、幸せそうな笑顔を浮かべた。幸せそうに眼を閉じ、五匹に寄りそう遠藤さくら……。

 また、呪いの水晶がヒビを入れる……。

 大きく腕を広げると、遠藤さくらは一羽のメスのカモメになっていた。蒼い空に高く浮かんでいると、山岳地帯の上空に、同じ種類のカモメの群れを見つけた。
 その真下、岩が向き出した崖の上に、四羽のオスのカモメと、一羽のメスのカモメが身を休めていた。
 遠藤さくらはそこに降り立って、五匹をずっと見つめ眺める……。五匹のカモメは、遠藤さくらに寄りそうようにして、笑顔を浮かべた。

 呪いの水晶玉に、大きくヒビが入っていく……。

 暗闇の中、遠藤さくらは一人、体育座りをしていた。ふと見下ろした左手の小指に、赤い糸が絡んでいる……。
 さくらは我に返ったように、五人の事を思い出した。赤く結ばれた小指の糸を握りしめたまま、暗闇の中をひたすら叫び、走り続ける……。
 僅かな光が差し込んでいるそこに、地面にはった赤い糸が落ちていた。さくらはその赤い糸を手繰(たぐ)り寄せていく……。

リメンバー・マイ・ラブ

I wanna thank you for All the trust and devotion.
全ての信頼と献身に感謝したい
Thank you for the good times For you love.
楽しすぎる時間をありがとう
あなたの為に愛する
Love as deep as any ocean.
海のように深い愛
Though for a while we mey go separate ways.
しばらくは別々の道を歩むけど
I know nothing can come between us.
私は私達の間に何もはばむ事が出来ない事を知ってる
Oh…no mater what people sey.
人が何を見ようとも

Say you will remembr my love.
私の愛を覚えていると言って
Say you never will lose sight of.
決して見失う事はないと言って
The light we found to guide us.
私達を導くために見つけた光
Say you will remembr my love.
私の愛を覚えていると言って
Coll me any lonely night. love
どんなに孤独な夜でも私を呼んで
You know Im on your side.
あなたは知っている。私があなたのそばにいる事を

 最初は、ユウ。ずたぼろになった姿で、夕はあぐらをかいたまま、さくらの事を見上げた。その手には、赤い糸が結んである。