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ジャンピングジョーカーフラッシュ

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「二時間経っても、永遠に忘れへん……、みんな、仲間やもん。……命懸けて、戦った戦友やもん! うぅ……う、うう…ぐぬぬ」
 賀喜遥香は、柴田柚菜の肩を抱き寄せる。
「ようがんばったね」
 柴田柚菜は涙を浮かべて、頷(うなず)いた。
「怖かったよぉ~~……。でも、みんながいたから、戦えた……」
 田村真佑は、賀喜遥香と、がっちりと握手する。
「また会おうかっきー」
「現実でな、今度会う時はまゆたん奥さんにしたるわ」
 遠藤さくらは、清宮レイと抱き合う。
「ありがとう、レイ……」
「さくちゃん、いい匂いする……。えへへ」
 佐藤璃果は、掛橋沙耶香と、北川悠理と、弓木奈於と、松尾美佑と、金川紗耶と円卓を作るようにがっしりと手を繋ぎ合った。
 掛橋沙耶香はにっこりと微笑む。
「うちらって、どんな出逢い方するんだろうね?」
 佐藤璃果は微笑む。
「えーおかけはぁ、親友になるんじゃないかなー……」
 弓木奈於は松尾美佑に言う。
「美佑ちゃんと奈於って、おんなじ夢叶えるって事?」
「詳しい事はマスターも教えてくれなかったね。でも、そうなんじゃん? 暑っついね、夏って……」
 金川紗耶は苦笑を浮かべる。
「本当にがんばるのはこれからでしょう? 現実の方で。あ、私のもう一つの能力使わないままだったなー、今使っちゃおうかな!」
 北川悠理は興味深そうに微笑んだ。
「あの髪の毛のお化けみたいなやつじゃないくて、って事?」
 金川紗耶は【魅了】の能力を発動させ、「こんこん! 一緒に踊る?」と微笑むと、次の瞬間ぼうんという音と共に発生した煙の中から、狐の衣装を着て狐の尻尾をふりふりしながら皆にピースサインをした。
「敵を魅了して、いう事聞かせる能力だったの。えへ、使うの忘れちった!」
 黒見明香は弓木奈於に抱きついた。それから、遠藤さくらと手を繋いだ。
「忘れたくないよぉ、えへ、弓木さんありがとう……、さくちゃんも、ありがとう……」
 清宮レイは、少しだけ陰(かげ)りのある笑顔で。
 筒井あやめは、清宮レイを見つめられないままで。
 二人は抱きしめ合った――。
 筒井あやめの瞳から、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれていく……。
 清宮レイは、涙ぐんで、鼻をすすりながら伝える。
「ま~た、会える、って~~……」
 そう言ったまま、清宮レイは眼を瞑(つぶ)り、表情を険しくして大粒の涙をこぼしながら、筒井あやめの肩に顔を埋(うず)めた。

――●▲■金川紗耶……。おめでとう、君の夢は輝くだろう。ありがとう■▲●――

「へへ、またね~みんなぁ~。だぁ~い好き!」
 金川紗耶はにっこりと狐の衣装のままで笑いながら頭を撫でて、パっと、消えた――。

――●▲■掛橋沙耶香……。おめでとう、君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

 掛橋沙耶香は驚いた顔で上を向いて言う。
「えこれってもうお別れですか、待ってまだみんなと」
 掛橋沙耶香の姿も、この仮想現実の世界から、パっと消えた。

――●▲■田村真佑……。おめでとう、君の夢は輝くよ。ありがとう■▲●――

 田村真佑は「みんなバイビ~!」と両手でピースサインを残して、パッと消えた。

――●▲■清宮レイ……。おめでとう。君の夢は輝くよ。ありがとう■▲●――

「あやめちゃんさくちゃん、もしまた本当に出逢えたらっ、私の親友に」
 必死に叫ぶ清宮レイの姿は、この森林公園の景色から、パッと消えた。

――●▲■柴田柚菜……。おめでとう。君の夢は輝きます。ありがとう■▲●――

「嫌ぁ~、みんな好きぃぃ大好きぃぃぃ‼‼」
 泣き叫ぶ柴田柚菜の姿は、その景色から、パッと消えた。

――●▲■北川悠理……。おめでとう。君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

「私思うんですっこの私達の未来に担(にな)う何かって、きっと物凄く偉大で尊いものでっ」
 北川悠理の姿は、その公園の景色から、パッと消えた。

――●▲■松尾美佑……。おめでとう。君の夢は輝くよ。ありがとう■▲●――

 松尾美佑は「未来でまたね!」と片手を振(ふ)り乍(ながら)ら、笑顔のままで、その景色からパッと消えた。

――●▲■弓木奈於……。おめでとう。君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

 弓木奈於は泣きべそを浮かべながら、口元を手で押さえて、ぺこり、とお辞儀(じぎ)をして、その光景からパッと消えた。

――●▲■黒見明香……。おめでとう、君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

「みんなに会えて、本当に良かった。大好き。再見(サイチェン)」
 黒見明香は笑顔のままで、その場からパッと消えた。

――●▲■早川聖来……。おめでとう、君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

「ありえへんぐらいに、好っきやでみんなぁ……、また会おうな」
 泣きながら胸の前で手を組んでいた早川聖来の姿は、その森林の景色を背景に、パッと消えた。

――●▲■矢久保美緒……。おめでとう、君の夢は輝くよ。ありがとう■▲●――

「っああっぁっ、う、う嫌ぁだよぉぉ~林ぃぃさぐぢゃ~んみんなぁぁ~~絶対また」
 泣きながら嗚咽(おえつ)をこぼして手を振った矢久保美緒は、その場からパッと消えた。

――●▲■林瑠奈……。おめでとう、君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

「はい。みんなありがとうね、夢叶えて、また一緒に戦おうぜ!」
 林瑠奈は強い笑みを浮かべながら、その景色からパッと消えた。

――●▲■佐藤璃果……。おめでとう、君の夢は輝くよ。ありがとう■▲●――

「私、もっと強くなるね……。未来で待ってる」
 佐藤璃果は気高い笑みを浮かべ乍(なが)ら、その公園からパッと消えた。

――●▲■遠藤さくら……。おめでとう、君の夢は叶う。ありがとう■▲●――

 遠藤さくらは涙を流して絶句(ぜっく)しながら、賀喜遥香と筒井あやめを見つめて、小さく手を振った。そして、その姿はその公園からパッと消えた。

――●▲■賀喜遥香……。おめでとう、君の夢は輝く。ありがとう■▲●――

 賀喜遥香は、筒井あやめに微笑んで……、二人は熱い握手を交わした。
「先に行くよ、あやめん……。また会う日まで、元気でな」
 筒井あやめは笑顔で、頷(うなず)いた。
 賀喜遥香は笑顔で眼を瞑(つぶ)り、その姿はその場からパッと消えた。

――●▲■筒井あやめ……。おめでとう、君の夢は輝くよ。ありがとう■▲●――

「死んじゃったあの人達は、どうなっちゃうの?」
 筒井あやめは、宙を見上げた。木々の枝葉からは、木漏(こも)れ日が差し込んでいた。

――●▲■彼らとは、現世で特殊な出逢い方をするかもね。でも、記憶は消去される……。あやめ君、夢が叶う契約は果たした。けれど、夢ってやつはそこからがふんばりどころなんだ。いい夢を叶えていってね。さよなら、あやめ君■▲●――

 筒井あやめは微笑んで、最後となるであろうその美しい世界の光景を見つめた……。
 景色はゆっくりと暗転し、気がつけば、視界には自宅の風呂場の光景が広がっていた。
 筒井あやめは、小さく戻った己の手を湯船から浮き上がらせて、じっと見つめる。
「終わったんだ………。まだ、憶えてる、みんなの事………」