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ジャンピングジョーカーフラッシュ

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――●▲■二人目からだね。二人目は、弓木奈於。【言霊士】で、ヒプノティストと呼ばれる能力者だ。彼女の能力は、言葉として発声した事が全て、事象、現象として具現化するというモノだね。ただし、能力値に応じて、その実現度は変化するよ。戦闘の実力レベルが低いままに、自分より強い相手に「死ね!」と言っても、実現はしないだろうね。それより、「火の雨よ敵に降り注げ」とかの方が使いやすい■▲●――

「いや、にしてもチートには変わりないでしょ。それもらいやわ!」
 賀喜遥香は嬉しがる。
「てか、セブンの食べ物って、美味しくない?」
 早川聖来はにこっと微笑んで囁いた。
「美味しいよね~?」
 ユウはにっこりと微笑む。
「……。いつまでそのままのつもりだ」
 ビンは鋭い視線で、ナミヘイに囁いた。遠藤さくらは視線を下げて頬を赤らめている。ナミヘイはあぐらをかいて座り、そのあぐらの上に遠藤さくらをちょこん、と乗せているのであった。
「なんか言ったか無表情。俺らの姫なんだから当たり前だろうが、こういう扱いは」
「いいや、何かが違う……。真剣な会議室に、そういう奴はいない」
 ビンはメガネをぐい、と指先で上げた。
「まあまあ、喧嘩はよすでござるよ」
「今は話し合いに集中しましょう。私達に、マスターの声は聞こえませんけれど」
 アタルとコノハが、ビンとナミヘイの喧嘩を制した。
 ユウは「はい、あ~~ん」と、遠藤さくらの口にプリンをスプーンで運んでいる。遠藤さくらは困り果て、表情を険しくさせて、苦笑していた。

――●▲■三人目は、松尾美佑。能力は【予言者】。彼女はプロペッドと呼ばれる能力者だ。能力は、とある発声のあと、瞬間予知。十秒先までの未来を予言できる。四人目は、北川悠理(きたがわゆり)。能力は【絵空事】。パイプドリームと呼ばれる能力者で、その能力は、とある発声で、すでに起きたはずの事象を掻き消す事が出来る。能力値の向上と、その様々なとある発声により、その事象を否定する力は大きく上がっていく■▲●――

「なんやむずい能力が続くなぁ~……」
 早川聖来は苦笑した。
 賀喜遥香は棒の付いた飴玉をころん、と口の中で転がしながら天井に言う。
「ほんで? 五人目は?」
 筒井あやめは、説明されていく仲間の能力の詳細を記憶していく……。

――●▲■五人目の仲間は、柴田柚菜(しばたゆな)。能力は【鼓舞する者】。チアガールと呼ばれる能力者だね。その能力はというと、とある発声をきっかけに、己も含め、意識的に指定した仲間全員の能力が大幅に向上するというモノだ■▲●――

「それって心強いわ~……。うちの腕力系の能力じゃ、パワーアップがいっちばん効果あるからなあ」
 賀喜遥香は拳を見下ろして、不敵に笑った。
 林瑠奈が、賀喜遥香の言葉に反応していた。
「え? あ、そやったな……、確かにかっきー、ごっついパワーでワニ圧倒しとったな! 実はうちもパワーの能力あんねん」
「そか。まあ、能力の基本中の基本やからな。え……、じゃ、能力二個ある、て事やんな?」
 賀喜遥香はその表情から笑みを消して、林瑠奈を見つめた。
 林瑠奈はにやけて、頷(うなず)いた。

――●▲■かっきーも能力、二個持ちだよ。忘れた?■▲●――

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「忘れてへんけどぉ……。そやかて、いつ開花するん? 能力も忘れたわ、もう……」
「あの」
 筒井あやめは発言した。皆があやめを見つめる。
「私達の詳しい能力も、もう一度教えて下さい……。忘れがち、なので」
 皆はあやめと同じく、宙の上の方を見上げる。

――●▲■いいよ。六人目だね。六人目の仲間のヒーローは、清宮(せいみや)レイ。能力は【夕焼け】。パワー・サンセットと呼ばれる能力者だ。詳しい能力は、とある発声のあと、パワー系最高位・超絶身体能力を発動できる■▲●――

「うちの超身体能力を、超えた身体能力……。そんなん聞いてへんわ、ボケぇ、ボケマスター!」
「あーうちも超身体能力やー、マスターちょっとどうなってんのう? どついたろか? 超身体能力の上なんて、聞いてへんわ! おっしゃる事、はっちゃめちゃやわ!」
 賀喜遥香と林瑠奈の罵倒のあと、皆の笑い声が静まるまで、声の主はその言葉を控えていた。
 筒井あやめは、冷静に仲間の能力を記憶していく……。甘いカヌレを食べながら……。

――●▲■七人目は、■▲●――

「ああシカトしたあ、ボケマスター!」
「シカトだけはすんなや!」

――●▲■七人目は、掛橋沙耶香(かけはしさやか)。能力は【暗記】。クエスト・ブレイン・メモリゼイションと呼ばれる能力者だよ。その能力はね、とある様々な発声で、味方が起こした事象、現象を、完全に再現する事が出来る。つまり、簡単に言うところ、仲間の必殺技をコピーして敵に使用できる、という力だ。八人目の仲間は、田村真佑(たむらまゆ)。能力は【完全無敵】。スターと呼ばれる能力者だ■▲●――

「完全無敵ぃぃ?」
 賀喜遥香は眉根をひねらせて、苦笑を浮かべる。
「そんなん、有りか!」
 林瑠奈は驚いていた。
「お、完全無敵か……。凄い能力の名前。さくちゃんの能力も早く聞きたいねえ?」
 ユウはその整った顔を、にっこりと笑わせて遠藤さくらに小首を傾げながら言った。
 遠藤さくらは、「うん……」と、深刻に頷(うなず)いている。
 筒井あやめは空中に言う。
「マスター、続き、教えて?」

――●▲■田村真佑の能力は【完全無敵】。スターと呼ばれる能力者で、とある発声で、一定時間、完全無双状態になる。更にとある発声で、意識内で指定した仲間全員が、一定時間、完全無双状態になる■▲●――

「はいその子最強~~」
 賀喜遥香は手を打って笑った。
「強そうやなあ、でもほんまに。うちらにとっては心強いんとちゃう?」
 早川聖来は微笑んで言った。
「それだけじゃ本当に無敵じゃありませんか?」
 佐藤璃果が上の方を見上げながら囁いた。
 皆も上の方を見上げる……。ユウ達五人には声の主の言葉が届いていない為、彼らはぱらぱらと遠慮がちに小声で能力についての雑談をしていた。

――●▲■ただし、全員一定時間完全無双状態、終了後、術者は一定時間、身動きが取れない状態に陥(おちい)る。能力は使いどころと、チームワークがキーになる。はい、九人目の、最後の仲間はね、金川紗耶(かながわさや)。能力は【髪のみぞ知る兵(つわもの)】。クエスト・ヘアーの能力者で、その能力は、とある発声で、鋼以上に硬質化された毛髪が無限に伸ばせるようになり、とある発声で、髪の毛で自在に攻撃ができる。というもの。そして、彼女のもう一つの能力は【魅了】。エンチャンテッドと呼ばれる能力者でもあり、その能力は、とある発声で狐の衣装にチェンジし、同時に敵への魅了効果が発動する。誘惑された標的は、意思を失い、錯乱状態になりやすい。命令を聞くようになるモノもいる■▲●――

「ねえねえ、私達の能力は~?」
 矢久保美緒が楽しそうに囁いた。
「じゃあ、うちの力から説明したってや、マスター」
 早川聖来が、上方を見上げながら笑顔で言った。