二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ここにしかないもの

INDEX|4ページ/12ページ|

次のページ前のページ
 

 また違う人間が続きを歌い始める――。エスカレーターに乗る人々が同時にそちらへと振り返る……。1Fと2Fのエスカレーター付近にいた周辺の人々も、【歌唱】という異変に気がついて、視線を注目させる。
 飛鳥もそちらの方をまっすぐに見つめていた。その先には、2Fからエスカレーターに乗り込みながら高らかに歌う二十台ぐらいの外国人金髪女性の姿がある。

 And all those things I didn't say
 今まで口にしなかった全ての事
 Wrecking balls inside my brain
 頭の中で鉄球がぶつかってる
 I will scream them loud tonight
 今夜、その言葉を叫ぶの
 Can you hear my voice this time
 聞こえる? 私の声が

 飛鳥は1Fのフロアに仁王立(におうだ)ちで、己と光葉慎弥を囲(かこ)んだ合唱する集団を見回しながら、微笑んでいる光葉慎弥を、感動に震える手と脚を踏ん張らせて、驚愕(きょうがく)に微動する視線で摩訶不思議にと見つめていた。
 2Fフロアから乗り込んでくる二十人以上の男女が、手拍子に、大合唱しながら1Fフロアへとエスカレーターに続々と連なって乗り込んでくる。
 パレードような、教会のゴスペルのような、盛大な大合唱が渋谷マークシティの吹き抜けのフロアに木霊(こだま)する。

 This is my fight song
 これは私の闘いの歌
 Take back my life song
 人生を取り戻す歌
 Prove I'm alright song
 私はもう大丈夫だと証明する歌
 My power's turned on
 準備はできてるの
(Starting right now)I'll be strong
(今、始まる) 強い自分になる
 I'll play my fight song
 この曲をかけてがんばるの
 And I don't really café
 If nobody else believes
 誰も信じてくれなくたってかまわない
 Cause I've still got
 A lot of fight left in me
 だって私にはまだ闘う力が
 みなぎっているんだから

 Losing friends and I'm chasing sleep
 友達も失って、夜もなかなか眠れない
 Everybody's worried about me
 みんな、私を心配してる
 In too deep
 say I'm in too deep (I'm in too deep)
 私はどっぷりはまり過ぎたと

 And it's been two years
 あれから2年が経って
 I miss my home
 前いた場所が恋しいけど
 But there's a fire burning in my bones
 身体の奥で燃えているの
 And I still believe
 まだ信じてる
 Yeah I still believe
 そう、まだ信じてる

 And all those things I didn't say
 今まで口にしなかった全ての事
 Wrecking balls inside my brain
 頭の中で鉄球がぶつかる
 I will scream them loud tonight
 今夜、その言葉を叫ぶの
 Can you hear my voice this time
 聞こえる? 私の声が

 This is my fight song
 これは私の闘いの歌
 Take back my life song
 人生を取り戻す歌
 Prove I'm alright song
 私はもう大丈夫だって証明する歌
 My power's turned on
 準備はできてるの
(Starting right now)I'll be strong
(今、始まる) 強い自分になる
 I'll play my fight song
 この曲をかけてがんばるの
 And I don't really café
 If nobody else believes
 誰も信じてくれなくたってかまわない
 Cause I've still got
 A lot of fight left in me
 だって私にはまだ闘う力が
 みなぎっているんだから

 A lot of fight left in me
 闘う力がたくさんみなぎってくる

 Like a small boat on the ocean
 海に浮かんだ小さなボート
 Sending big waves into motion
 大きな波が押し寄せる事がある

 Like how a single word
 たった一言が
 Can make a heart open
 心を開かせるように

 I might only have one match
 一本のマッチしか持っていなくたって
 But I can make an explosion
 大爆発は起こせるもの

 This is my fight song
 これは私の闘いの歌
 Take back my life song
 人生を取り戻す歌
 Prove I'm alright song
 私はもう大丈夫だと証明する歌

 My power's turned on
 準備はできてるの
(Starting right now)I'll be strong
(今、始まる) 強い自分になる
 I'll play my fight song
 この曲をかけてがんばるの

 And I don't really café
 If nobody else believes
 誰も信じてくれなくたってかまわない
 Cause I've still got
 A lot of fight left in me
 だって私にはまだ闘う力が
 みなぎっているんだから

 Now I've still got
 A lot of fight left in me
 私にはまだ闘う力がみなぎってる

 渋谷マークシティの誰もが吹き抜けの空間から、飛鳥と光葉慎弥を囲んで合唱する集団をスマートフォンで撮影したり、その眼で見下ろす中、合唱を終えたその集団は、まるで自分達が今まで何をしていたのかも記憶にないといった無色の表情を浮かべながら、皆が一斉に散り散りに分散していった。
 飛鳥は驚愕に動けぬまま、円(つぶ)らな瞳を潤(うる)ませながら見開いたままで、光葉慎弥を見つめて、小首を傾(かし)げた。
 光葉慎弥は、合唱団の中にいた、ソロ歌唱もした美声が印象的であったアジア系の少年から、最後の時に手渡された、綺麗な包装紙に巻かれた小包を持っていた。

「なぁにぃ……、ひっひ、なんなのぉ~?」
「ファイトソングだよ。壁に立ち向かう為の……。ハッピーバースデイ、飛鳥」
「なにぃ、え、待って……。慎弥があの、人達を集めた、って、事ぉ?」
作品名:ここにしかないもの 作家名:タンポポ