ズッキュン‼‼
姫野あたるは、深く強く瞼(まぶた)を閉じて、俯いた顔にその涙を浮かべていく。
大好きだよ、まなったん……。
かけがえのない時間を、どうもありがとう……。
数えきれない感動と笑顔を、ありがとう……。
どうか、これからも元気で……。
君が笑っていけますように――。
卒業、おめでとう。まなったん……。
姫野あたるは、鼻水を呑み込んで、強く眼を閉じたまま、へへっと笑みを浮かべた。
スペシャルサンクス・今野義雄氏
次の曲が最後だと告げた秋元真夏は、その前に、メンバーに想いを伝えたいと言った。
最後の1期生だけど、何の不安も感じないぐらい、後輩が頼もしいという。
歩んできた歴史は違うけど、乗り越えてきたからこそ、今の乃木坂46があると思えるので、絶対大丈夫だなと、私は思います。
見据えるゴールを同じくする事が、大事な事だと彼女は語った。
本当に尊敬できる後輩たちに囲まれて活動してこれたんだなと、強く感じていると。世代交代をできたんだなと――。
それでは、最後の曲に行きたいと思います。
乃木坂46で一番好きな曲を歌わせていただきます――。
それでは聴いて下さい。
『ひと夏の長さ…』が秋元真夏と賀喜遥香のWセンターで開始する――。
愛するとは、言葉じゃなくて。そばにいる事だ――。
胸に強く抱いた君の事は、忘れられない――。
ありがとうございました――。キャプテンの梅澤美波が代表して、このコンサートを振り返る。
秋元真夏は、涙を浮かべながら語る。
『本当に素敵な景色を見させて頂きました、ありがとうございました』――。
本日は、本当に、ありがとうございました――。
改めまして、会場の皆さん、配信をご覧の皆さん、ありがとうございました――。
バイバイ――。
ありがとうございました――。
秋元真夏は、そう言葉と笑顔を残して、ステージの幕を下ろした。
駅前木葉は、顔を両手で隠して嗚咽(おえつ)を我慢する……。
キャプテンとしての3年半は、本当に辛く険しい困難な時間だったと思います。
誰よりも自由奔放であったあなたが、一番しっかりとしなければならなくなったのですから。
空を飛んだ時も、滝に打たれた時も、あなたは泣いていました。
弱く、脆いものだと思うのです。人の心など。
それなのに、あなたは、泣く度に、その進化する強さを見せてくれました。
あなたがふざけるたびに、私は真紅の幸せを噛みしめました。
あなたが泣く度に、私はどうしようもない共感を得て、共に泣きました。
未来へと続くこの路を、どうか、まっすぐに進んで下さい。
私も、後についてゆきます。
(行かないでよまなったん‼‼)
一片の後悔もなく、11年間、あなたに魅了されて、とても幸せだった。
(ずっと乃木坂でいるんでしょう‼‼)
こんなにも長く、乃木坂としてのあなたを見れて、悔いはない。
(46歳までいるって約束だったじゃない‼‼)
胸をはって下さいね。
とてもとても、可愛らしいピンク色な、11年でした。
(好きなのよ~……、まなったんが、好きなの……)
ファンでいる事を、誇りに思います。
(まなったんのファンでいる事を、誇りに思う……)
本当に本当に、ありがとうございました――。
(これからは、あなたの路を、応援させてね……、うう、バイバイ、まなったん……)
卒業、おめでとうございます……、まなったんさん。
駅前木葉は子供のように、声を出して構わずに泣きじゃくる。
「まなっだぁん、えぐ……まなぁっだぁぁん、まなっだぁん……、あべでどう~っ‼」
乃木坂――。
46――。
乃木坂――。
46――。
コールが自然発生する……。
乃木坂――。
46――。
乃木坂――。
46――。
クラップ、クラップ、クラップ。
クラップ、クラップ、クラップ。
クラップ、クラップ、クラップ。
クラップ、クラップ、クラップ。
乃木坂――。
46――。
乃木坂――。
46――。
クラップ、クラップ、クラップ。
クラップ、クラップ、クラップ。
クラップ、クラップ、クラップ。
クラップ、クラップ、クラップ。
乃木坂――。
46――。
乃木坂――。
46――。
彼らは知っている……。
一度おろされたその最後とさた終焉の幕が、
もう一度、その栄光と共に開かれる事を――。
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『SPY×FAMILY』のアーニャのナレーションでVTRが始まった……。
高山一実の声が語っている――。真夏は、本当に、いい人。真夏の笑顔は、人を幸せにする笑顔。どんな時も笑ってくれていた。敬意を表して、私が一生使わないと決めていた言葉を使いたいと思います。
『卒業、オメーイジング~~‼‼』
松村沙友理の声が語っている――。真夏、今度、ご飯行って、いっぱいお話ししような。
『その時は私の事、いっぱい褒めてな‼‼』
西野七瀬の声が語っている――。私だけが知っている、真夏のいいところを言います。
『料理が上手‼』。
白石麻衣の声が語っている――。何でも許してくれる真夏。歌、ダンス。やぶん、入った時よりうまくなったんじゃないかな。
『真夏の誕生日、絶対、忘れないですよ。
生田絵梨花の声が語っている――。私達の方が先にいなくなっちゃってごめんね。
『許して~‼‼ 私の思い違いじゃなければ、一番仲良くなれたんじゃないかな~? ずっとずっと、大好きだぞ‼』
キャプテンを継いでもらってから数年半、最初、キャプテンに真夏が就任する事を、正直私は反対しました。真夏の就任を決める前に、今野さんと真夏と私とで食事に行った時に、真夏がまっすぐに私を見て『私やっていい?』と言ったのが印象的でした。
『新しい乃木坂46を真夏は創ってくれたなって思っています……。ありがとう、真夏、そしてお疲れ様、真夏。桜井玲香――』