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ズッキュン‼‼

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 もう一本吸うか……。
「あ、動いたよ!」
「おいコラ磯野っ、シカトこいてんじゃねえぞ!」
 吠(ほ)えてろ蠅(はえ)が……。
 磯野波平は、呆然としたまま、咥(くわ)えた煙草に風秋夕から盗んだジッポライターで火をつけた。
「じゃあ、来栖、俺らも一本吸っちまおうぜ……」
「えーいいのかなあ? しかも僕吸わないし、吸った事ないし、煙を肺に入れるなんて、そんな部族みたいな野蛮(やばん)な習慣に興味すらないよぉ……」
 まなったんなあ、俺はよう、最初の頃、まなったんとなぁちゃんがひとっ言も話さねえままで一年も過ごしてきた事、気づかなかったんだ。よく見てたつもりなのにな?
 気づいてたファンはいるんだぜ? でもな、俺はそういうんは鈍いらしくてな。
 でもな、
「じゃ……、吸っちまおっと」
「僕、りんごジュース飲もおっと」
「ああ、来栖、財布(さいふ)控え室に忘れてきちまったんだ、ヤクルト1000、おごれよ」
「え~買ってあげるけど、後でお金は回収するからね~」
 気づかないままでいんのは嫌なんだけどな、でも、
「何個下だお前、先輩にヤクルトもおごれねえのか?」
「雅樂さんこそ、何個上なんですか……、僕にりんごジュースぐらいたまには買ってよぉ」
 うっせえな……。
「うるっせえなてめえらっ‼‼」
 磯野波平は二人に怒号を上げた。
 天野川雅樂は顔をしかめ、来栖栗鼠は腕で顔を防御していた。
「ようやくしゃべりやがったか、この能天気野郎……」
「磯野家のカミナリが落ちたよ」
 誰がサザエさんだ。
「誰がサザエさんの波平だこの野郎っ、ばらして出荷(しゅっか)すんぞくそチビ助っ!! んでもって最終的にはその金で俺の銅像建てんぞこの野郎!!」
 天野川雅樂は馬鹿にしてけらけらと笑っている。
「笑ってんじゃねえぞこのボンクラっ! てぇ~めえは仕事中に一服(いっぷく)してんじゃねえよこの野郎っ! てめえに月いくら払ってっと思ってんだ!!」
「気分悪りい事言うじゃねえか……、言うほど貰っちゃねえぞ、自分はさっさと帰る癖に残業ばっかさせやがって」
「そうだそうだ~、残業代もっとはずめ~」
「正社員でもねえてめえらに遊ばす金なんかうちの会社にはねぇんだよこの馬鹿がっ!!」
「んじゃ正社員にさせろよ」
 天野川雅樂は、うまそうに煙草を吐き出した。
 来栖栗鼠は、ドリンクの自販機へと歩いて行く。
 磯野波平は、煙草を吸いながら天野川雅樂の顔を睨んでいて、ある事を思い出した。
「あん? どうなんだコラ……」
 そうだそうだ。まなったんな、あのまなったんとなぁちゃんの選抜ポジションで亀裂入った事件な……、あの伝説と語り継ぐ奴も少なくないあのライブで、なぁちゃんの口から、『真夏、おかえり。一緒にがんばろ!』てな、あの言葉が出てきて……、まなったんとなぁちゃんの仲が復活した時な……。
 世界中で一番泣いたの、実は俺だ……。
 はっは知らなかったか? よう、まなったんよう。
 天野川雅樂は、眉を顰めて磯野波平を凝視する。
「何にやけてんだ気持ち悪りい……」
 来栖栗鼠は、Yakult1000を天野川雅樂に手渡してから、アップルジュースをちにりと飲みながら磯野波平を可笑しそうに見つめる。
「んはは、笑ってる……。な~んであっち見て笑ってんのぉ~?」
 天野川雅樂と来栖栗鼠は、そちらの方向を見つめてみる。すると、そこには六十代の紫色の頭髪をした女性の従業員が掃除している姿があった。
 二人はまた、磯野波平を見つめる。
「そういう趣味か、てめえは……」
「思ったよりストライクゾーン広いんだねぇ~、僕と真逆……」
 へへ、まなったん、あのなあ、卒業にはな、卒業試験、てのがつきもんなんだ。
 まなったんよう、まなったんは、その卒業試験、満点だわ……。
 乃木坂46卒業試験、経験できるのは、人生で一回だけ。しかも、乃木坂になれた、選ばれし女王しか経験できねえかんな……。
 なんか、さびしいな、まなったんよう。
「おい、来栖……、こいつ、なんか、泣いてねえか?」
「どうしたんだろうねぇ~……。てか、僕やだな~、この人が上司なの~」
 煙草、新しいのもう一本吸うか……。いや、まだ吸えっか。つうか、こっからが煙草だろうが。短くなってからが、味わいが出てくるんじゃねえか。
 人生もそうだろうが……。赤ん坊だった頃、人生は長げえ一本の棒だった。それが道だ。それがだんだん成長するようになって、人生っつう一本の棒は……、棒っつうか、そうか道か。人生っつう一本の道は、短くなってく……。
 でも色んな事があってよう、色んな奴らと出会ったりして、色んな思い出増やしてってよう……。短くなる棒は……、棒?
 そうか、道か……。短くなる道には、色んなおみやげが両手ん中いっぱいだ。なあ、まなったん。そうだろ? だってそうだろうが、人生、買い食いする為にあるんだぜ?
 言ってる事わかっか、まなったん。本当の買い食いの事じゃねえんだぜ? 言わば、人生っちゅう一本の棒を、……棒? 棒ってなんだコラ……。道だろうが!
 人生っちゅう一本の道を、ただ歩く事が人生じゃねえって言いてわけよ。色んな奴らと出会ったり、笑ったり泣いたりしてよ、びびったり逃げたり、立ち向かったりな、いっぱいしてな。だ、そういうんが、人生の寄り道で、買い食いに例えたんだろうが。な?
「おい来栖……、なんか、こいつ、今度はいばってねえか?」
「てかもう、どこ見てんのかさえわっからないよぉ……。僕怖いよ、雅樂さぁん……」
 え~っと。だから何だよ……。つまり、なんだ、つまりなあ、だから……。
 磯野波平は、灰皿に短くなった煙草をすり潰すようにして、捩じり消した。
 新しい煙草を胸ポケットから取り出して、口に咥える。
「また吸うのかよっ、てめえは副社長だろう仕事する気あんのかっ!!」
「磯野さん、磯野さ~ん……。ダメだね、なんか妄想しちゃってる顔だもん……」
 そうだ、だ短くなってく人生にこそ、味があるんじゃねえか。
 そうして、吸い終えた煙草みてえに、卒業を経験しては、また新っしい煙草に火ぃつけてな……。挑戦し続けてくんだよな、まなったんも、俺らファンもよ……。
 この男臭せえ人生、華やかなまなったんの人生と交差できて、マジで光栄だぜ、まなったん。まなったん、魂を込めて言うぜ、ありがっとうな――。

 ディスるなよ ずりぃ美人 ばり事件 ひ~ズラ?
 いつなっつぁん婆さんフィリピン
 ザ・ウィザード? きっとああ

「おい来栖、なんか歌い出したぞこいつ……」
「この人頭本当に大丈夫なのかな~……」

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バカウィザード中? あギブアップ

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 縁だラーブユー オール「うぃ」
作品名:ズッキュン‼‼ 作家名:タンポポ