ズッキュン‼‼
わかんないなぁ 君がドアから入ってきた瞬間
みんな君に視線を向けるというのに
Don`t need make-up to cover up
Being the way that you are is enough
メイクでカバーしなくてもいいんだよ
君でいてくれる事でもう充分さ
Everyone else in the room can see it
Everyone else but you
この部屋にいるみんながわかってる事さ
みんながわかってるのに君ときたら
Baby you light up my world
like nobody else
The way that you flip your hair
Gets me overwhelmed
君は誰にもできないぐらい
僕の世界を照らしてくれた
君が髪をなびかせるだけで
僕は圧倒されてしまうよ
But when you smile at the ground
It ain`t hard to tell
You don`t know oh oh you don` know
You`re beautiful
でもここで君が微笑むたびに
なんて言ったらいいか…
わかってないんだ
君がどんなに美しいかわかってないんだ
If only you saw what I could see
You`d understand why I want you
So desperately
僕は見えてるものが君にも見えたのなら
君だってわかるはず
僕がどんなに必死で君を求めてるかがね
Right now I`m looking at you and
I can`t believe
You don`t know oh oh you don`t know
You`re beautiful
今は君ばかり見ているんだ
だから余計に信じられないよ
わかってないんだ
君のがどんなに美しいのかわかってないんだ
Oh oh
That`s what makes you beautiful
でもそんな君だから美しいんだな
「ふふふ、ヘタクソでござるなあ、小生は……、ふふふ……」
姫野あたるは、暗雲に赤く点滅する誘導棒を回しながら、遠くの空を見上げた。
今は太陽は出ていないが、空を覆い隠した厚い雲の上には、あの青い空が広がっているに違いない。
いつだって、同じ空の下にいる。まなったんと、ファン達は……。
それはこの次元に生まれた奇跡であり、この銀河系に生まれた奇跡であり、この地球に生まれた奇跡であり、この時代に生まれた奇跡であり、そして、アイドルとファンとして、出逢ってしまえた尊い奇跡であり……。
まるで美女と野獣の物語――。
小生が野獣で、まなったん殿は美女。
二人は結ばれる運命である……。温かな、ファンと乃木坂という絆の名の元に。
永遠なんて、無いって知ってるよ。
知ってても尚(なお)、永遠を誓いたいんだよ、まなったん、君に……。
いつだって、いつの時だって、大好きだった。
僕は一人じゃとても生きていけない。
弱い弱い、小さな小さな存在だ。
そんな僕だって、一人前に、恋だけはできる。
誰に教えられたってわけでもなくて……。気づいたら、片想いだった。
保育園の頃、先生に恋をしたよ。
小学生の頃、同級生に恋をしたよ。
だけど、僕は臆病で、魅力もなくって、正直、恋心なんて邪魔だった。
でも出逢えてしまえた、見つけてしまった。恋をしてもいい、理想の存在を。
笑顔を見せてくれる、自分よりも大切な存在を。
今、乃木坂を卒業しようとしている君に、僕は一体、何をしてあげられるかな……。
もらうだけの人生は、もう嫌なんだ。
だったらいっぱいの愛情で、沢山の思い出で、両手に抱えきれないほどの、ありがとうの花束を持って……、君を迎えよう。
大好きです。
まなったん。
最後の1期生……。
生ける伝説。
乃木坂46の2代目キャプテン。
秋元真夏……。
僕は君に、永久(とわ)に続く恋をしています。
星空を見上げる度に、星に願うんだよ。
君達、乃木坂46が。乃木坂46のOGが。
どうか、幸せでありますように――って。
変化を受け入れていくよ。
そりゃ、怖いさ……。
だけどその倍ぐらい。ううん、その10000倍ぐらい、心強い、新しい乃木坂46が胸をはっている。まなったんが残してくれる、乃木坂46がだよ。
だから僕は、この心と命が尽きるまで、まなったん、君と、君達と、乃木坂46を追いかけ続けるよ。
この世に君がいなきゃ、意味なんてん無いんだよ、まなったん。君はそう言うように、そう、そっと教えてくれるように、僕に笑ったんだよ。
本当は認めたくなんてないんだ、君が乃木坂から遠ざかるなんて事。
だけどそれは、僕なんかが思うよりもずっとずっと大きな時代の流れであり、変化であり、未来なんだ。まなったん、君は未来へ行くんだよね。
なら、僕も納得するよ。
どうか、最後まで君が笑顔で、乃木坂で微笑んでいられますように――。
未来で、会おうね。
まなったん。
6
世界的大企業〈ファースト・コンタクト(株)〉本社ビルの地下二階研究・開発フロアの〈実験室〉にて、駅前木葉はデータの更新を繰り返している。彼女は一月二十日で三十一歳を迎える。駅前木葉が〈実験室〉に籠もる時は、チームはいつも〈実験室〉には立ち入らなかった。有能な駅前木葉の邪魔を皆恐れているのだ。
今日も一日の作業量や作業手順をマニュアル化した、どんな人材でも一定の作業ができるようにするテイラーシステムにのっとり、作業は効率良く快調に進んでいる。近年うちの研究・開発フロアで開発した製品などを単純化し、部品を規格化するとともに、生産工場にコンベアシステムを導入する事で合理的な生産も可能になった。
でも、うまくいくのは、仕事だけでしょうか。日陰に隠れてしまった私の心は、もう一人の私が支配してしまっている。
笑止、と笑うあいつの人格だ……。
相容れない為に、いつしか割れてしまった心は、一人から、二人になった――。今は毎晩、あいつが叫んでは、泣いている……。
駅前木葉は、研究データを見つめながら、歌を口ずさむ……。
言葉にならない夜は
貴方(あなた)が上手に伝えて
絡み付いた 生温かいだけの蔦(つた)を
幻想(まぼろし)だと伝えて 心を与えて
貴方の手作りでいい
泣く場所が在るのなら
星など見えなくていい
呼ぶ声はいつだって 悲しみに変わるだけ
こんなにも醜(みにく)い私を
こんなにも証明するだけ でも必要として
貴方が触れない私なら
無いのと同じだから
まなったんさん、鬼束ちひろさんの『流星群』です。まなったんさんの卒業が決まった瞬間から、たまにあいつが歌ってくれとせがむ歌なのです。
いいえ、歌っているのはあいつなのかもしれません……。