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恩送り 飛ぶ鳥・飛鳥―2011~2023―

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 超・大大大歓声が、夜空に咲いた炸裂する打ち上げ花火のように盛大に応える――。

『努力感謝笑顔、うちらは乃木坂上り坂、46。これを、皆さんでご唱和いただきます。まずは僕が言いますので、後から皆さんご唱和下さい。では、本番です。ステージバックで、準備をしているメンバーも、ぜひ一緒にご唱和下さい。会場5万人での、円陣です。まいります! せーの‼‼』



 努力・感謝・笑顔・うちらは乃木坂上り坂・46――。



 東京ドームに集結した乃木坂46を、齋藤飛鳥を心より愛する五万人が、円陣を大絶叫した――。

『ありがとうございました! さあ行こう‼‼‼――』

 東京ドームは暗転し――。メインビジョンである巨大スクリーンにて齋藤飛鳥の東京ドームに立つ映像が流れ始めると、怒涛の歓声が鳴り上がり、オーバーチャーが始まった――。
 歴代の齋藤飛鳥を映し出していくオーバーチャー……。
 齋藤飛鳥の卒業コンサートが、今幕を上げる――。

 大きな羽根が羽ばたいた……。煌めく光の下、一筋の光の柱の中から、赤い衣装に身を包んだ齋藤飛鳥が現れた――。巨人の咆哮のような、大大大歓声がそれを迎える。
 ランウェイを歩く齋藤飛鳥――。やがて、ドラムセットに座し、凄まじいドラムテクでドラム演奏を開始した――。五万人の手拍子がこれに続く――。
 紫のサイリュウム一色の東京ドーム。
 激しくライティングが行われる中、超テクニックでドラムを叩く齋藤飛鳥は、ステージごと後方へとスライドされていく。
 爆発する特攻花火と共に、齋藤飛鳥のドラム演奏はシンクロして終焉した。

「飛鳥ちゃあーーーーんっ‼‼ 最っっ高ぉーーっ‼‼」風秋夕は跳び上がって片腕のサイリュウムを振り上げた。
「キレッキレだったね!」稲見瓶は、鳥肌の立った腕を手で押さえながら微笑んだ。
「おおお、うおおおお飛鳥っちゃん大好きだぜぇぇーーーっ‼‼」磯野波平は大号泣で、片腕で顔を隠した。
「飛鳥ちゃーーーーん‼‼」姫野あたるは、落ちる涙をそのままに、強い般若のように極まった顔面で、巨大スクリーンの齋藤飛鳥を見つめる。
「飛鳥ちゃん飛鳥ちゃん飛鳥ちゃーーん‼‼」駅前木葉は思い切り、声援を上げる。
「雅樂さん観てた~~?」来栖栗鼠は、涙をぬぐって天野川雅樂に振り返った。「凄いよ~~飛鳥ちゃんだよ~~やっぱり飛鳥ちゃんなんだよ~~‼‼」
「来栖、わかりきったことほざくんじゃねぇ」天野川雅樂は、涙ぐんで、鼻をすすった。
「あっっっすかっ、ちゃあああーーーーーっんん‼‼‼」宮間兎亜は号泣しながら、限界の声でその愛しの名を叫び上げた。
「飛鳥ちゃん凄いですわ、ふうん…うぅ……」御輿咲希は、べそをかいて、サイリュウムを振り上げる。「最高――――っ‼‼」
「飛鳥ちゃーーーん‼‼」比鐘蒼空は、全身に走った大興奮のままに、巨大スクリーンの齋藤飛鳥へと全身全霊の声を捧げる。

 『ジコチューで行こう!』が齋藤飛鳥のドラム演奏で始まる――。センターは与田祐希と山下美月であった。間奏中、ドラムセットに乗り上げた与田祐希は、両手でハートを作り、振り返ったドラム演奏中の齋藤飛鳥に投げキッスをして苦笑された。
 大歓声――。
 続いて『インフルエンサー』が吹き上がる炎の演出と共に開始された――。センターは齋藤飛鳥と山下美月である。炎の特攻が吹き上がる中、真っ赤に染まったステージと乃木坂46のメンバー。――間奏、齋藤飛鳥の独創的なソロダンスが舞い踊られた。バックスクリーンで炎が燃え上がる。吹き上がる炎たち。ステージは早くも最高潮を迎えていた。
 『シンクロニシティ』が始まった――。センターは齋藤飛鳥である。ホワイトと紫の至高のカラーに染まるステージにて、踊り微笑み天使達……。バックスクリーンで何処までも宇宙は延び広がっていく。
 大歓声が止む事は無い――。
 『ハウス!』が開始された――。会場に手を振るメンバー達。ルリビタキの~カーに乗り込んだ齋藤飛鳥は会場のオーディエンスを煽った――。オーディエンスはコールを大絶叫する。
 『ダンケシェーン』が始まった――。フロートカーに乗り込んでいる久保史緒里は、歌い出しの歌詞を『飛鳥さん』に変えて歌った。ルリビタキのフロートカーは幸せの四つ葉のクローバーを携えている。ルリビタキ自体も幸せの青い鳥と呼ばれている。
 飛ぶ鳥と書いて飛鳥、この事から、羽根や幸せの青い鳥が齋藤飛鳥のモチーフになっている。
「やっぱあしゅりんだな!」と山下美月。
「だなって言うな」と齋藤飛鳥。
 そんな『ダンケシェーン』の終焉であった。

 梅澤美波をMCに、トークが始まる。よろしくお願いしますと、乃木坂46一同が深い一礼をみせた。
小川彩が語る。齋藤飛鳥に憧れがあるからこそ近づけなかったと。今日はもしかしたら泣いてしまうかもしれないと。
賀喜遥香が語る。私、飛鳥さんが好きなんですよ。飛鳥さんが思ってるより、好きなんですよ。にやにやしちゃうんですよ。一日の中で手を繋いだり、ハグしたり、頭ぽんぽんしたり、がんばりたいと思います。終始にやにやしながらのトークであった。
山下美月が語る。今日は、私達3期生としては最後の先輩、後輩の日なんですよ。だから、最後の後輩として、可愛がってください。
すると、齋藤飛鳥は山下美月の背に乗り上がると、山下美月をステージへと張り倒した。それが彼女式の可愛がりらしい。
VTRが流れる。ナレーションは窪田等である。全員は必ず一回はカメラで抜いて欲しいから、一回は必ずここに(横に)来てほしいと語った。
5期生は遠くで見てるのが楽しみな人達だと語った。ここからは、後輩ちゃん達とより濃いい形で絡んでいきたいと思います。と――。

5期生楽曲である『絶望の一秒前』が齋藤飛鳥と井上和のWセンターで始まった――。5期生と歌い踊る1期生の齋藤飛鳥。宇宙空間がバックスクリーンに映し出される中、歓声を味方につけ、彼女達は美しく舞った。

「絶望の一秒前の、飛鳥ちゃんが観れるとは……、もう、なんにも望まねえ。神様、仏様、運営様、そして飛鳥ちゃん……。ありがとう」風秋夕は鳥肌を掴みながら、その眼を齋藤飛鳥と5期生達に釘付ける。「マジか……」
「これは、なんて言えばいいか……」稲見瓶は、息を呑んだ。「凄いことになってきたな……」
「うおおお‼‼ あっすか、ちゃあーーーっん‼‼」磯野波平は興奮を溢れさせながら、噴き出た鼻水を隣の稲見瓶の洋服でふいた。
「絶望の一秒前を、飛鳥ちゃん殿が……」姫野あたるは、言葉を失い、その大感動に、サイリュウムを猛烈に振って応える。「ぐうう、かは、がふっ……」
「凄い……」駅前木葉はすでに合っているメガネのピントを合わせる。
「マジかよこれぇぇ‼‼」天野川雅樂は満面に笑みを浮かべる。「やぁぁべえなっ‼‼」
「飛鳥ちゃんが五期と踊ってるよぉぉ~~‼‼」来栖栗鼠は大興奮でリクライニング・シートの上に立ち上がった。「うわああ~~‼‼」
「あっっすか、ちゃあああーーーーーんんっっ‼‼」宮間兎亜は泣きながら、全開で叫んだ。
「忘れませんわ、こんなの、忘れられるはずなんてないもん……」御輿咲希は、指先でそっと涙をふいた。