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恩送り 飛ぶ鳥・飛鳥―2011~2023―

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「う、うう……、飛鳥ちゃーーーん‼‼」比鐘蒼空は我を忘れて絶叫した。

4期生楽曲である『アイ・シー…』が齋藤飛鳥と賀喜遥香のWセンターで開始される――。齋藤飛鳥に寄り添い合うように歌い踊っていく4期生。笑顔の溢れるステージであった。
間奏中、賀喜遥香から齋藤飛鳥へのメッセージが始まった。

『飛鳥さん、ご卒業、おめでとうございます!』

 齋藤飛鳥は微笑む。『どうもありがとぉう!』

『飛鳥さんは私達4期生にとって、大先輩なのに、こう、気さくに話しかけて下さったり、泣いている子がいたら、その子のところに行って、笑い飛ばしてくれたり、4期みんなをご飯に連れて行ってくれたり、ほんとに、全部が大切な思い出です!』

『乃木坂に加入してから、嬉しい時も楽しい時も悲しい時も苦しい時も、そばに飛鳥さんがいて下さりました。だからこれから先、飛鳥さんがいない、乃木坂で、ちょっと不安もあるんですけど……』

 笑顔で涙ぐみ賀喜遥香に、齋藤飛鳥は彼女の頬に手を添えた。

『私達は、飛鳥さんに、優しさをいっぱいもらいました……。飛鳥さんの後輩で、ほんとにほんとに、良かったな、幸せだなと思います! だから今度は、私達が、立派な先輩になって、大好きな飛鳥さんから受け継いだものを、未来の乃木坂に、繋げていけるように、みんなでがんばりますだから……。ずっとずっと、見守っていて下さい、飛鳥さんが大大大好きです‼‼』

 齋藤飛鳥は涙ぐんで微笑む。『ありがぁとー』

『ずっと大好きですぅ!!』

『私も大好きよ、賀喜……』

 涙ぐみながら抱きしめ合う先輩と後輩の姿は、永遠に乃木坂の歴史の中で語り継がれるだろう。
 バックスクリーンには齋藤飛鳥と4期生達の写真が流れていた。

 3期生楽曲である『トキトキメキメキ』が齋藤飛鳥と岩本蓮加のWセンターで始まった――。超大歓声――。巨大なコールの中、メインステージからセンターステージへと、腕を組んで歩く齋藤飛鳥と岩本蓮加。
 間奏中、岩本蓮加の齋藤飛鳥へのメッセージが始まった。

『飛鳥さん、ついに卒業コンサート最終日です!』

 齋藤飛鳥は微笑む。『はい、そうです』

『飛鳥さん、11年間ほんとにお疲れ様でした』

『ありがとう』

『飛鳥さんが、いつの日からか言ってくれるようになった、3期生推しというのが、私は凄く凄く嬉しくて、何度も、実はその言葉に救われてきました。飛鳥さんが3期生を好きでいてくれるから、私ももっと、3期生への愛が深まったと思いますし、もっと大切にしたいと、より強く思いました』

『こうやって3期生が、どうどうと、自信を持ってステージに立てているのも、全部飛鳥さんのおかげだと思っています。ふふふふ、ハァ~。飛鳥さんは、いつも、私達が辛い時に、そばで見守って下さって、どんな時でもグループを、力強く引っ張って下さって、ほんとに、感謝しても感謝しきれないです。ありがとうございます』

『ありがとう』

『これからの、乃木坂46の未来は、私達3期生に任せて下さい。これからも、飛鳥さんに~』

『トキトキメキメキ~~‼‼』――3期生は声を合わせた。

 大大大歓声がまた、齋藤飛鳥と3期生を迎えた――。

 VTRに齋藤飛鳥が映し出された。着替える様子である。その間、VTRの齋藤飛鳥がアンダーを語る。当時は悔しかろうが悲しかろうが、その気持ちに行き場が無いから、ただただ、当時のアンダーメンバーと模索していたようだ。握手会ガラガラだったなとか、今は笑えるし、今が凄くいい結果に辿り着けたから、全ての思い出がいい方向にいったが、アンダーで厳しい時間を過ごしたが、決して腐りはしなかったという。

 奇跡の物語は、あの時代があったから――。

 アンダーってすげーぞ、っていうのを伝えられたらなと思います、どうぞ。

『扇風機』が齋藤飛鳥のセンターで始まった――。「あああ」の部分ではオーディエンスの大熱狂的な叫び声が熱かった。夏を彷彿(ほうふつ)とさせる青いライティングと、巨大な扇風機の映像に、過去の齋藤飛鳥の『扇風機』の映像。そして、現在の齋藤飛鳥……。

「思えばこっから始まった‼‼」風秋夕は、堪えられぬ笑みを浮かべる。「全部、扇風機ぃ、こっから始まったよなぁ‼‼」
「歴史があるから、感動するのかな……」稲見瓶は、興奮に湧き上がる涙を堪えた。「なぜこんな……、こんなに……」
「ぐんおおおおーーー泣けるううがああーーー‼‼」磯野波平は上を向いて、腕で顔を隠しながら泣き叫んだ。「俺あとで扇風機ネットで買う~~‼‼ 何枚だって買うからよぉぉ、消えないで、くんねえかな……。好きなんだ……」
 それを聞いていた稲見瓶は、涙をこぼしながら、磯野波平を一瞥する。
 風秋夕は、涙をこぼして、また笑顔を作った。
 磯野波平は、声を殺して泣き続ける……。
「飛鳥ちゃん~~~‼‼」姫野あたるは齋藤飛鳥しか見えなくなる。「飛鳥ちゃーーーん‼‼」
「忘れませんよ、ええ、ええ、ずっとです、きっとです」駅前木葉は、それから嗚咽を上げて、泣いた。
「うわああ~~~んっ、うあああ~~~ん好ぎよぉぉ~~飛鳥ぢぁぁゃん‼‼」宮間兎亜は鼻水を垂れ流して泣き叫ぶ。「好ぎよぉぉ~~~‼‼ あんたが……、世界で一番、好ぎなのよぉ……、あたいを、助けたんだから……、責任取って……、ずっと……、笑っていて……」
 その声が聞こえた御輿咲希は、口元を押さえて泣き崩れた。
 駅前木葉も、涙が止められなかった。
「雅樂さぁぁん、扇風機って、最初の方だよねえ? こぉぉんなに、最初っから、乃木坂って凄かったんだねぇぇ~‼‼」来栖栗鼠は満面の笑みで興奮していた。
「じ、実はこれが一番好きだった時期が、俺にはあるんだ……。そんぐらいだ‼‼ 飛鳥ちゃんにとっても俺にとってもこの曲ぁ‼‼」天野川雅樂は大声で叫ぶ。「飛鳥ちゃーーん‼‼」
「あーーすーーかーーちああ~~~~んん‼‼」比鐘蒼空は生まれてこの方、最も大きいと思える声援を振り絞った。

『アゲインスト』が齋藤飛鳥のセンターで始まった――。印象的な赤い閃光で開始され、青いライティングが続き、白い靄を纏う乃木坂46……。赤と青のライティングが激しい彼女達の情熱的なダンスを照らし出す――。間奏、齋藤飛鳥のソロダンスと、ランウェイを走る姿が印象的であった。パフォーマンスは花火の発破と共に終焉した――。

 VTRの齋藤飛鳥が語る。流れを気にしている様子で……。しかし、思いのほか、可愛い曲に参加していた為、ここでこの曲を投入するという気概らしい。

もう誰かの前でかわい子ぶりっこして踊ることも無いしと思って選曲しました。

 『ファンタスティック3色パン』が齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波の三人のパフォーマンスで始まった――。
 間奏中、恒例のパフォーマンスが始まる。

 梅澤美波が会場を煽る。「さあみんな楽しんでますか~‼‼」
 大大大歓声――。
 梅澤美波は自己紹介をする。「改めまして、私達、映像研、です‼‼‼」
 三人は齋藤飛鳥を真ん中にして、決めポーズを取った。
 大歓声――。
 梅澤美波は軽快にトークする。「はい、という事で、この曲歌うの最後ですよ!」