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恩送り 飛ぶ鳥・飛鳥―2011~2023―

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 山下美月は驚愕する。「うわー! さみしいー‼‼」
 梅澤美波は言う。「最後だよ!」
 山下美月は齋藤飛鳥に微笑む。「私達、映像研で仲良くなりましたもんね‼‼」山下美月と齋藤飛鳥は声を合わせる。「ねえ~‼‼」
 齋藤飛鳥は我に返った。「でも解散です今日で」
 山下美月は嫌がる。「えー! 解散はないですよーだて……」
 梅澤美波。「確かに。解散はさせませんが、この曲恒例の、やっちゃいますか?」
 山下美月。「お!」
 梅澤美波は笑顔で叫ぶ。「題して、胸キュンお返しルーレット‼‼」

 後方ステージ上のメインスクリーンに、3色パンルーレットが映し出されている。

 梅澤美波は説明する。「このルーレットで止まったメンバーが、皆様に、胸キュンセリフを言って、感謝を、お返しできるというこーなーでございます‼」
 山下美月も楽しむ。「やでもさー、今日飛鳥さんの卒コンなのに、私と梅さあ、ちとでしゃばっちゃったら、色々ね? あれですよね?」
 齋藤飛鳥は半ばあきらめて言う。「いいよいいよ、平等にやろう。最後ぐらい」
 山下美月と梅澤美波は反応する。「ややや‼‼」
 梅澤美波は笑顔で続ける。「という事で、ルーレット、チェンジ‼」

 メインステージのメインスクリーンのルーレットが、齋藤飛鳥使用に変化した――。

 大歓声が上がる――。

 齋藤飛鳥はにやけた真顔で吐き捨てる。「全部私じゃん!!」

 じゃいっか?――と、ルーレットを回した後は、齋藤飛鳥が、懐かしきかわい子ぶりっ子ポーズで『あしゅしゅ、あしゅしゅ、あっしゅっしゅ♡』を披露した――。

 オーディエンスが超超超絶湧いた瞬間であった。

 『なぞの落書き』が齋藤飛鳥と岩本蓮加と筒井あやめの三人で、しっとりと可愛らしく歌われる――。センターステージの中央ステージに座った三人は、本物の天使かとオーディエンスが見間違うほどの美しさで歌ってみせる……。
 間奏中、岩本蓮加の「私、落書きしちゃいました~」から始まり、なぞの落書きをセット内にてしていた筒井あやめが、二人にそれを暴露するという可愛らしい演出があった。

 『他の星から』が開始される――。至高のこのステージは、齋藤飛鳥と遠藤さくらの親子ユニットで行使される――。
 一糸乱れる事無く舞い踊る二人の大天使は、ダンス中に互いを抱きしめそうになる際どい演出のダンスを魅せ、終始美を鼓舞するようなダンスを貫徹した。

「俺っさあ……、あの、もしかしたら、これ一番好きなのかな、て思う瞬間あるんだよな」風秋夕は稲見瓶を一瞥する。「ない?」
「ある」稲見瓶は笑った。
「飛鳥っちゃんと、さくちゃんかよ……」磯野波平は、限界まで顔をしかめる。「可愛い、っつうの‼‼」
「いやはぁ~~、他の星から、小生の知るフリつけではなかった」姫野あたるは、忘れていたかのように、瞬きを再開させた。「なんという二人でござろうか……、草」
「完璧でしたわね‼‼」御輿咲希は、駅前木葉に言った。
「ええ、ええ‼‼」駅前木葉は枯れそうな涙腺をまた泣かせていた。
「やれって言われても、たぶん無理なことをやってのけたのよ、あの二人……」宮間兎亜は眼を白黒させて言った。「ダンサーじゃないけど、たぶんそうよ……、いくらなんでもわかるわよ……」
「あれ、何年ぐらい習ったら踊れるかなぁ?」来栖栗鼠は天野川雅樂に苦笑を向けた。
「あんなあ……、習っても、できたとて…、あの二人の完成度はぜってえ出ねえ、普通は……、ふうう~~」天野川雅樂は感服した表情で、深呼吸をした。
「………」比鐘蒼空は文字通り言葉を失っている。

 うねる花火が噴き上がる中――。涙する遠藤さくらを、微笑む齋藤飛鳥が抱きしめる最後だった。

 『制服を脱いでサヨナラを…』を、齋藤飛鳥、賀喜遥香、中村麗乃、金川紗耶、柴田柚菜、伊藤理々杏の六人で披露する――。途中、伊藤理々杏に、一人だけ向こうで踊ってくれる?と齋藤飛鳥が命令を出し、一人離れて踊る伊藤理々杏。
最後には泣き笑いしながら走って縋(すが)りつく伊藤理々杏を、笑顔の齋藤飛鳥は抱きしめて受け止めた。
 『あらかじめ語られるロマンス』が始まる――。齋藤飛鳥、阪口珠美、久保史緒里、清宮レイ、田村真佑の五人でこの人気楽曲を披露した。ドームが撓(たわ)むほどの大大大歓声が湧き起こる――。
 『ロマンティックいか焼き』を齋藤飛鳥をセンターとして乃木坂46が歌って踊る――。
 トリンギョの帽子をかぶった齋藤飛鳥は、トリンギョの気球に乗ってトリンギョの音声でオーディエンスを煽った。

『またまた登場トリンギョで~す。もう見れないと思ったでしょう? トリンギョ、昨日言い忘れた事があったから、今日はちゃあ~んと言いますね。おぉい、お前らぁ‼‼ これからもトリンギョと飛鳥ちゃんの事、絶対忘れんなよ~~‼‼』

 盛り上がる賑やかなムードの中にも、不思議な哀愁が漂った。
 トロッコに乗り込んだメンバー達も、ステージに残ったメンバーも、会場に向かって大きく手を振っていた。

 『ガールズルール』が山下美月の熱い煽りと共に始まった――。トリンギョの気球から、オーディエンスへと楽しそうに手を振る齋藤飛鳥は、今を誰よりも輝いてみせる。
 最後、メインステージに集結した乃木坂46。熱い夏を思い出させるステージを魅せた。

 VTRが流れ、ナレーションが語る。齋藤飛鳥は、過去の自分を語ってくれていた。あらゆる監督やスタッフ達との出逢いを語り、TKとのコラボの熱望も語った。

 『ルート246』が齋藤飛鳥のセンターで開始する――。マリンブルーのライティングから、灰色と黒のグラデーションの衣装を着た乃木坂46と、中央にて立つ、一人だけ赤い衣装を纏った齋藤飛鳥が歌い、踊り始める――。
 フラッシュライトの中、妖艶に動く歌姫達……。一時代を創った秋元康先生と小室哲哉氏の生ける伝説同士のコラボ曲を、乃木坂46は見事にものにしてみせていた。
 『ありがちな恋愛』が齋藤飛鳥のセンターで開始した――。間奏で、齋藤飛鳥が舞う方向から、次々に火花が柱のように舞い上がった――。
 赤く染まったステージは、やがて火花の火柱を両極に置き、金色や、様々な色彩を帯びて煌めき、これを終焉とした。
 『地球が丸いなら』が始まった――。バンドと丸い風景を背景に、椅子に着席した齋藤飛鳥は、青い世界観に染まりながらしっとりとこれを歌って魅せた。
 彼女はオーディエンスからの拍手喝采を浴びる……。

 微笑んだ齋藤飛鳥は、マイクを握り、トークを開始した。皆様のその声で、後輩を押し上げていってほしいなと、思っています。と――。
 齋藤飛鳥は微笑んでマイクを握る。

『ありがとうございます。えー地球がまるいならを、聴いてもらいました。この曲はとっても穏やかで、大好きな曲です。えさて私は、年末で活動を終えてから、慌ただしい日々を終えて、だいぶ穏やかな日々を過ごしていたのですが、その中でも、乃木坂46の活躍を眼にしていました』