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セブンスドラゴン2020 episode GAD 3

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「ハァ? ギャハハハハ! 素直に出すと思ってんのか? ギャハハ!」
「身ぐるみ剥いじまえ! 二人の女はお楽しみだ!」
 不良たちはナイフを取り出し、三人に襲い掛かろうとした。
「よせ、お前たちの敵う相手ではない……」
 アジトの奥から、筋骨逞しい、タトゥーをした大男がネコミミパーカーを着た眼鏡の少女を伴って姿を現した。
「ダイゴにネコ、何で止めるんだよ?」
「言った通りだ。お前たちでは勝てん、どう転んでもな」
「相手はムラクモのS級能力者だからね。あたしらじゃないと勝負にならないんだから」
 それよりも、と大男、ダイゴが切り出した。
「あれほど警告したのに来てしまったか、ムラクモ十三班」
「天堂、有明、今は人同士で戦っている場合ではない。おとなしく投降してくれないか? 悪いようにはせん」
 トウジは停戦を促した。
「キャハ! そんなの聞くわけ無いじゃん!」
 やはりと言うべきか、ネコは投降を突っ返した。
「トウジ、ネコの言う通りだ。投降などしない。それに言ったはずだ。次会う時は容赦はしないとな」
 ダイゴは身構えた。
「そー言うこと。おとなしく帰らないんなら、ちょーっと痛い目にあわせてあげるから!」
 ネコは、両手にマナパワーを纏わせた。最早戦いはもう避けられないものとなっていた。
「三人まとめてかかってくるがいい。返り討ちにしてくれる……!」
「トウジ君、本当は嫌だけど、もう戦うしかないよ!」
 シュウは刀を抜いた。
「シュウちゃんの言う通りだよ。やるしかない!」
 リアンも武器を取り出した。
「準備はいいな? ではこちらから行くぞ!」
 ダイゴは肩をいからせ、トウジに向けて体当たりした。
「くっ、デコイを展開する!」
 トウジはとっさに、防御障壁を作った。
「薄っぺらい障壁だな……!」
 ダイゴは、そのまま全力でトウジにぶつかった。ダイゴの力に耐えきれず、障壁はパリン、と音を立てて砕け散ってしまった。
「燃え尽きろ!」
 トウジは炎で応戦した。
「ふん」
 ダイゴは、その巨体からは想像できない身軽さを見せた。後方に宙返りして、トウジの炎をかわしたのだ。
「ダイゴー、そのまま伏せて!」
 ネコは、ダイゴを巻き添えにしないように叫んだ。
「攻めてくよー!」
 ネコは空中に、指先で何かを描くような動きを見せた。すると、ネコのマナパワーの宿った手から冷気が発生した。
「凍っちゃいな!」
 冷気は氷へと変化し、槍のような刃になってシュウたちに襲い掛かった。
「ふん、氷には炎だ!」
 トウジは、炎の魔法を発動した。
 氷と炎がぶつかり合った。炎は氷を溶かし、蒸発させていく。
「そんな小さな炎で、あたしの氷を溶かしきれると思ってるー?」
「……これは、くっ……!?」
 溶かしたはずの氷が、ネコの出すマナパワーで再凍結し、氷の槍がトウジを圧していた。
「下がれ! 二人とも、この氷には圧し勝てん! 巻き添え食わないように離れてくれ!」
「そんな、トウジ君は!?」
「デコイで何とか凌ぐ! 早く離れるんだ!」
「シュウちゃん、トウジくんの言う通りだよ。このままここにいたら、三人仲良く串刺しだよ!」
 リアンは、シュウの手を取り後方に走り出した。
「ああちょっと、リアン! ……トウジくーん!」
 シュウが叫ぶ中、トウジは氷の槍に包まれた。
 ネコのマナパワーが切れると、地面から生えたような氷の槍が、力を失って全て倒れた。
 その中央部に、凍傷を負ったトウジが、腕をクロスさせながら立っていた。
「へえー、やるじゃん? あたしの魔法を受けて立っていられるなんてさ」
 いや、とネコは言葉を変えた。
「もう虫の息だね」
「ぐっ、くく……!」
 トウジは膝を付いた。
「トウジくん、大丈夫……じゃないよね?」
「……軽い凍傷を負っただけだ。大したことではない」
 トウジが、やせ我慢をしているのは明らかであった。
「許さない……」
 静かな怒りを見せながら、シュウは剣先をSKYの二人に向けた。
「よくもトウジ君を!」
 シュウは怒りから、一時身体能力を増加するエグゾーストを発動させた。
 青白いオーラを立ち上らせながら、倍以上のスピードで一気にネコへと迫った。
 ネコは、反撃は間に合わないと踏み、トウジのようなマナパワーをデコイにする魔法を使った。
「叩き斬る!」
 シュウは、デコイをものともせずに一刀のもと斬り伏せた。
「逃がさない!」
 デコイを容易く壊され、ひとまず距離を置こうとしたネコに、シュウは追撃を放った。
ーー何、コイツ、逃げられない!ーー
 ネコは追い込まれてしまった。
「消えなさい!」
 シュウは、止めの一撃を振るった。
「させんぞ!」
 ダイゴが間に入り、シュウの刃を常人を超えた筋骨で受け止めた。
「ダイゴ! ありがとう」
「ネコ、あれをやるぞ。一気に決める……!」
 ネコは、マナパワーを冷気に変換し、それをダイゴの拳へと送った。
「ダイゴ、それでぶん殴っちゃって!」
 ダイゴの右腕は氷の刃となった。
「受け止めて見せる!」
 シュウは、防御の構えを取った。
 鉄の刃と氷の刃がぶつかり合い、辺りにパキーン、というかん高い音が辺りに響き渡った。
ーーバカな、これを本当に受け止めただと……!?ーー
 ダイゴは、攻撃を防がれた事に驚きながら下がった。
「さあ、続けましょう……!」
 未だ漂う冷気の中、シュウは再び切っ先をダイゴに向けた。
 お互い間合いの外であり、迂闊に動けばどちらかがやられる、膠着状態になっていた。
「よーう」
 シュウとダイゴが睨みあった状態の中、間延びした声がした。
 二人が声がした方向を見ると、ジャケットを腕まくりし、黒と灰色の縦縞のインナーを着て、首に巻いた青色のロングマフラーが特徴的な男が、女を連れてシュウたちに手を振っていた。
「面白そうな事してンじゃねェか? オレも混ぜてくれや」
 男の連れる女も相当変わった様相をしていた。
 タイトなズボンに、純白のポンチョを身に纏い、青く長い髪をしていた。
「タケハヤ、帰ってきたのか」
 ダイゴが言った。
「おーう、アイテルの用事はすンだからなァ。それよりこいつァどんな状況だァ?」
 タケハヤは、連れの女をアイテルと呼んだ。
「ムラクモが来たんだよ!」
 ネコが答えた。
「ムラクモ、ねェ……何にせよろくでもない目的で来たンだろ。オレらを殲滅させろ、とかな」
 タケハヤは、半笑いで言った。
「……須佐」
 トウジが呼んだ。
「おう、トウジじゃねェか。どうしたその怪我? 凍傷か。ネコの魔法が当たったてとこか」
「言い訳をするようだが、これはナツメの下した命令だ。俺たちに敵意はない。ここは大人しく投降してくれないか?」
 ハハハ、とタケハヤは笑った。
「おもしれェ冗談だな。素直に聞き入れると本気で思ってんのか?」
「……頼む俺たちは戦いたくないんだ」
 タケハヤは、これ以上は話しにならないと考え、話し相手を変えた。
「おい、そこのセーラー服。お前もムラクモだろ? いけ好かねェバァさん言うこと聞いててなンともねェのか?」
 タケハヤは、シュウに声をかけた。
「あなたは、ムラクモを憎んでいるの?」