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開かれた新しいゲート

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「……失礼しました〜。」
マサキは職員室に図書室の鍵を返しに行き、ガラガラ…ピシャン、とドアを閉めた後、クレイが話しかけてきた。
「マサキ、わかっていると思うが、今回の事によって、新しいデビチル、彼らの物語が始まったんだ。」
「わかってるって!」
そう話していた時、デビホンが鳴った。
セツナから、屋上に来てほしいという事だった。
「よーし」
マサキは廊下や階段に人がいなさそうだったため、走り出した。
そして、屋上に向かって走って行っている途中で…
「マサキ君!」
後ろから、聞き覚えのある声がして、振り返った。
見ると、去年のマサキを担任した女の先生だった。
「廊下は走らない!」
「す、すみません…。」
すぐに終わるのかと思ったが、違った。
「あぁ、そうだマサキ君、さっき、学校によくわからない変な物が現れたのよ。
…もうすぐ校内放送がかかるわ。今日はもう、校内にいる皆にも全員帰ってもらう事になったから、マサキ君も早く帰りなさい。」
「えぇ…」
「この先は屋上に向かう階段よね?
何か用事でもあるの?」
「いや…えーと…」
マサキは迷って、答える事にした。
「俺達が行かないと、この世界が滅びちゃうんだ。」
先生は、何を言ってるんだこの子は、というような困惑した表情をしている。
マサキは、早く屋上に行かなければと焦っていた。そして…

「先生ごめん、コーーーーール!!」
デビライザーを取り出し、先生のかなり後ろの空いているスペースにデビルを召喚する。
今回呼び出したデビルは…
「タイヘンダー!!」
二足歩行をする白いウサギのデビル、とけいウサギだ。
黒いチョッキを着ており、金色の時計を斜めがけしている。
タイヘンダーが口癖で、いつも忙しそうに駆け回っているデビルだ。

先生から距離が離れた後ろで、とけいウサギは左右に往復しながら
「ターイヘンダ、タイヘンダー!」と言いながら二足歩行で走り回っているのだが、先生の視線はマサキのデビライザーに注がれていた。
「マサキ君、学校に玩具は持ってきちゃいけないって知ってるわよね?」
「いや、あの、これは違うんですよ!俺にとって特別な…」
「玩具を持ってくるのもだめなのに、しかも先生の前で堂々とそれを出すなんて…
先生悲しいわ。」
マサキは走っているとけいウサギに気がつきはっとした。
「そうだ、とけいウサギ!時間を止めてくれ!」
「マサキ君聞いてるの!?」
先生は明らかに怒ってきている。
そのタイミングで、ターイヘンダタイヘンダーと言いながら走っていたとけいウサギが先生の後ろからぐるりと先生の前に回り込んで来て、金色の時計を頭上から正面に向けて振り下ろした。
「タイヘンダッ!!」
ガチャン、と大きな音がし、先生が怒って口を開けている表情のまま、動きが止まった。

マサキは先生の横を駆け抜けていく。
「先生ごめん!俺達が行かないと、東京の未来が終わっちゃうんだ!」
その少し後を
「タイヘンダ!」と言いながらとけいウサギが先生の横をぴょんと跳ねていった。

作品名:開かれた新しいゲート 作家名:きまま