二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 29

INDEX|2ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

 特殊な力と言われ、自らの存在を思い出した。
「分かったわ、太陽の巫女の事ね」
 太古の昔、ミコトの姉、アマテラスに端を発する特殊な能力である。
 決して死が訪れないオロチがまた復活した時に、再び封印するための舞いを、太陽の巫女が舞う必要があった。
 直接戦うことはできずとも、封印のためには必要不可欠な役割であるために、シンはヒナを少し変わった戦闘要因としたのだった。
「ロビン、イリス、姉貴、以上が戦闘要因だ。後は皆サポート要因だ」
「サポートですって? 復讐の女神メガエラに残れと言うの!?」
 やはりと言うべきか、サポート要因にされたメガエラは噛みついてきた。
「さっきも言ったろうメガエラ。多数でいけば、ロビンとイリスの邪魔になるだけだ」
 シンは、落ち着きはらって答えた。
「冗談じゃないわ、イリスが行くのに私が居残りだなんて認めないわ!」
「戦力としては、ロビンとイリスで十分過ぎるくらいなんだ。メガエラの入る余地はないんだ。分かってくれ」
「私が弱いとでも言うの!?」
 なおも噛みつくメガエラに、シンはため息をついて言った。
「メガエラ、この際はっきり言うが、お前は弱い。デュラハンと戦うならな。オレとも戦ってもお前に勝ち目はないぞ。天眼の能力を使えばな」
 シンの発言は火に油を注ぐものとなった。
「言ったわね? いいわ、なら、このメガエラの力、その体にたっぷり味あわせてあげるわ!」
 メガエラは、双剣を出現させた。そしてシンに向かって双剣を振るった。
 しかし、同じく双剣を使うシンに止められ、更に切っ先を向けられ動きを御されていた。
「……ぐっ!」
「これで分かっただろう。オレにその剣は届かない」
 シンは、切っ先を向けたまま間合いから下がり、間合いから離れると剣をしまった。
 メガエラは、
一人ならず二人目の人間に敗れ、言葉を失っていた。
「メガエラさん相手に一撃やなんて……シンさん、それだけの力がありながらサポートなんは、本気なんか?」
 アズールは訊ねた。
「ああ、サポートでしかない。戦闘はロビンたちの邪魔になる。オレの仕事はある者の護衛だ」
「ある者って、誰の事や……?」
「イズモの英傑、ミコトの血を引く者、その名はスサ」
「そうか、スサか!」
 ジェラルドは、懐かしい名を大声で言った。
 以前、魔龍オロチが復活した時に、手負いとなるまで攻め立てた後、その封印を担ったのがスサである。
「もうオロチの復活は止められないだろう。スサの能力が不可欠だ。オロチにはもう一度石に戻ってもらわないといけないからな」
 それから、と他の仲間の役割を決めた。
「テレポートのラピスを使えるイワンに、オレたちをイズモ村まで送ってもらう。帰りもイワンの力を借りたい。やってくれるな、イワン?」
「承知しました。戦うのは無理でも皆さんを送り届けることはやってみせます!」
 イワンは、張り切って答えた。
「頼もしいぞ、イワン。さて、戦闘でもサポートでもない役割がある。シバの面倒を見る役目だ」
 シバは、長い間囚われの身となっていた。
 食事もまるで取れていない状態になりながらも、シバは生きながらえている。
 デュラハンの魔脈のような器官を埋め込まれて今もこうして生きている。これをイリスの能力で回復させては、その瞬間シバは死んでしまう可能性があった。
 この力は呪詛の一種であり呪いをかけたデュラハンを討てば、呪詛は消えてシバはもとに戻ると思われた。
「この役目はガルシア、お前に頼む」
「どうして俺なのだ?」
 軽く赤面しながらガルシアは訊ねた。
「理由はお前の胸に訊け、顔に出てるぞ?」
 シンはそれ以上は言わなかった。
「さて、他の要因だ。メアリィ、お前はヒーラーとしてこの船に残れ。ピカード、お前もだ」
 二人は了解の意思を示した。
「おい、シン。オレには役目はないのか?」
「オレにもや、まさか役立たずなんて言うんやないやろな?」
 ジェラルドとアズールは訊ねた。
「ジェラルドたちは、この船を守っていてほしい。もう凶暴化した魔物はいないだろうが、用心にするに超したことはない」
「船の護衛か。心得たシン殿」
 ユピターが答えた。
「冗談じゃないわ! この私がこんな船ごときの護衛なんて……」
「私もいるわ。メガエラより強い私がいるんだから、これ以上ガタガタ言わないわよね?」
 ジャスミンが言った。
 メガエラは、ぐぬっ、と言葉を失った。
「シン、私も船の護衛でいいわよね? 兄さん一人でシバのお世話は大変でしょうし」
「ああ、もちろんだジャスミン。ここに残る中で実力的にもお前が一番だ。ガルシアの手伝いも頼みたいところだった」
 ジャスミンの役目も決まったところで、ロビンら戦士たちの役割全てが決まった
「よし、皆個々の役割は理解したな? そうと決まれば作戦開始だ!」
 シンが言うと、デュラハン討伐作戦は始まったのであった。
    ※※※
 重傷を負った大悪魔、デュラハンが長い時をかけてガイアロックへとたどり着いた。
「これがシレーネの言っていた一枚岩か……」
 今は亡きシレーネの言っていた岩山にたどり着いたデュラハンは、彼女の言っていた言葉を思い出していた。
 ガイアロックに蔓延る生命力を受けた者は不老長寿の体を得て、オロチのように長年この力を受けると不老不死にさえなることができた。
「不老不死、か。今の我には絶対に必要なものだ。だが……」
 死んだシレーネにはもう訊ねる事はできないため、デュラハンは信じきれていなかった。
 しかし、オロチと融合するしかロビンらを倒す事はできないため、進むしかなかった。
 デュラハンは、オロチの祀られる最深部目指し、ガイアロックの岩窟へと歩みを進めた。
 岩窟内は、祀られたオロチが万一復活した時のため、正しい道順で進まなければ外へも最深部にも出られない呪術がかけられていた。
 しかし、デュラハンは、封印されたオロチの気配を察知して先に進んでいった。
 正しい道順を知らずとも、気配を感じられる方向、それで正しい道を進むことができた。
 やがて、デュラハンは、ガイアロックの最奥へとたどり着いた。
 祭壇に祀られたオロチは、石となってそこにいた。
「ついに見つけたぞ! 永遠の命を持つドラゴンを!」
 デュラハンは、喜びの絶頂にあった。
「……まずはこのドラゴンを石化を解かねばな」
 デュラハンは、オロチの石化の原因を調べた。エナジーでも呪術でもない謎の力によってオロチは石になっていた。
 しかし、そのような力に慣れているデュラハンにとって、石化を解くのは容易であった。
「解き放つ! かの者を石に封ずるものより!」
 デュラハンは、詠唱すると同時に解呪の力を使用した。
 石化したオロチの眼の部分が一瞬光を放つと、オロチの体がひび割れ始めた。
 オロチの体は、芯の部分まで石化していたわけではなく、表面が石に包まれていただけであった。
 やがて、卵生の生き物が卵から孵化するように、オロチを被っていた岩は全てヒビ割れ、オロチの封印は解けた。
「グアアアア!」
 封印の解けたオロチは咆哮を上げた。
「……我は魔龍オロチ……主か、我が封印を解き放ったのは?」