二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ロマリア編

INDEX|4ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

盗賊はロマリアから遥か北にあるシャンパーニの塔に潜伏しているらしい。
 
「ねー、ジャミルう~、オイラこんな物モンスターから見つけちゃった♪」
 
ダウドが自慢げに見せびらかしたのはすごろく券だった。
モンスターから盗んだらしい。ジャミルは指をパチンと鳴らす。
 
「おーっ!いいモン見つけたなあ、でかした!早速すごろく場に
行こうぜ!な?いいよな、アル!玉には息抜きしないと!暫く
バトルばっかだったもんな!」
 
ジャミル……、目を輝かせて手を組み、アルベルトにおねだりポーズする……。
 
「分ったよ、仕方ないなあ~……」
 
まあ、券は一枚だけだからいいかと、ついアルベルトは
承諾してしまった。んで、すごろく場に向かおうとしたが、
アイシャが「ぶー!今日は疲れたの!」と、駄々をこね始めたので
仕方なく近くのカザーブと言う山村で休憩を取ることにした。
 
 
ーカザーブ
 
 
「小せえ村!何にもねえじゃん」
 
「……ジャミル~!聞こえるよお~!!」
 
疲れてお腹も空いていた為、まずは宿で夕ご飯の食事をとる。
文句を言っていた割にはジャミルはご飯を3杯もおかわりした。
しかもガツガツ意地汚く本当に美味しそうによく食べる。
 
「……よく食べるね……」
 
呆れたようにアルベルトがジャミルを見た。
 
「俺、元々太んねー体質だからいいのっ!あ、すみません、
デザートお願いします!」
 
ジャミルのあまりの食いっぷりに……、厨房にいたおかみさんが
出て来て宿屋の店主の旦那と何か相談を始めた。
 
「あんた、……ねえ、どうする?ウチはデザートなんか
食事に取り扱ってないよ……」
 
「全くなあ、こんな山ん中の田舎の小せえ宿に何を求めてんだ……、
あんな食い意地の張った意地汚ねえ客は初めてだ、……よっぽど
普段から食事にありつけてねえんだろうか……、あの食いっぷりからして……、
美味そうに食ってくれるのはこっちも嬉しいけどなあ~……」
 
「確か貰ったプリンが1個だけあったね、仕方ない、出してあげようか……、
あの坊やに……」
 
「そうしてやってくれ、一応、……客だからな……」
 
と、夫婦二人に迷惑を掛けているのをジャミルは知る由もないのであった。
 
一同溜息「……はあっ……」
 
 
翌朝。
 
ジャミル達は早速すごろく場へと向かう。場内に入ると天井に突然、
穴が開いて、上から小太りのおっさんがドスンと落ちてきた。
 
「……うわ!」
 
「あいやー!また駄目だったあるよ!でもわたし、諦めないある!
絶対上まで上がって見せるある!」
 
おっさんはすごろくで失敗し、場外にほおり出されたらしかった。
 
「……」
 
……アルベルトはジャミルもこうなるのではないかと何となく感じていた。
 
 
「あいやー!俺、又駄目だったある!畜生ある!絶対上がってみせるある!
それまで何回だってやるあるよー!ムッキーー!!」
 
 
「……ぷっ。」
 
……アルベルトの想像の中のジャミルも……、何故かシェーシェー
口調になってしまっていた。
 
そして。初めてのすごろくにレッツチャレンジ、アホジャミル。
ゴールの景品は鋼の剣とゴールドらしいが。
 
「うっしゃー!鋼の剣ゲットだぜ!」
 
しかし……。やはりと言うか、物の見事にジャミルは失敗し、
ゴールの景品どころか、道中のプチ景品の薬草なども貰えないまま、
即座に叩き出された。
 
「残念でしたね~、又のお越しを」
 
「……ムッキ~ッ!!」
 
「別にねえ、鋼の剣くらいなら……、ゴールド貯めれば普通に
買えるじゃない……、確かに高いけどさあ~……、そんなに
レアでもないよお~……」
 
「うるせーバカダウドっ!タダで貰う事に意味があるんだっ!!」
 
「ジャミルったら、すぐ無駄遣いしちゃうから中々お金が
貯まらないのよう……」
 
(やっぱりこうなるか、時間の無駄だったな……)
 
ピョンピョン飛び跳ねてムッキームッキー暴れるジャミルを
見ながらアルベルトは思う。
 
「ねえ、ジャミルって、さる山のおさるさ……、んん~!!」
 
「……それ言っちゃ駄目だよお~……」
 
ダウドが素早くアイシャの口を塞いだ。
 
「何か言ったでヤスか?あたしはもうメチャクチャベリーベリー
アンビリバボーハード不幸……、とほほのほ~……」
 
「……少し冷静になれよ……」
 
アルベルトがジャミルの頭にチョップした。取りあえず、
ジャミルはアルベルト達に取り押さえられ、すごろく場を
後にするのであった。
 
「……ムッキ~ッ!!」

さてさて、色々あって4人は漸くシャンパー二の塔に潜入したのだが……。
とにかくまだLVが低かったんである。まだこの塔に入るには達していない
LVだった為、4人は揃って敵にリンチされる非常事態に陥る……。
 
「あぎゃーーっ!!」
 
「いったーっ!頭叩かないでよおおーっ!暴力反対ーーっ!!あたたたた!」
 
「……痺れちゃったの~……、動けないわあ~……」
 
「だ、駄目だっ!このままじゃ全滅だっ!……皆、一旦外に逃げよう!!」
 
ギズモにメラを連発され、さまようよろいに殴られ、キラービーに刺され、
麻痺し、散々大変な目に遭い一行は命からがら塔から逃げ出す……。
……仕方がないのでLVを上げて出直してくる事に……。
 
「ね、ねえ……、あそこに村があるよ、休ませて貰おうよお~……」
 
ボコられてボロボロ、放心状態の4人。何とか癒しを求めて彷徨う……。
ダウドが指差す方向には小さい村があった。
 
「少し休ませてもらうか……」
 
……処が……。村に入った途端、異様な光景がジャミル達を出迎えた。
 
「……な、なんで皆寝てんだよ……」
 
村人全員が眠りこけてしまっていたのだ。
 
「ちょっと、起きてくれよ……」
 
村人を片っ端から突っついてみるが全く反応しない。
 
「え~!ほ、本当にどうしたのかしら……」
 
「目をあけたまま寝てる人もいるよお!」
 
「よし、鼻の穴に指突っ込んでみるか……」
 
「……やーめーろー!」
 
げしっ!!
 
アルベルトの裏拳がジャミルの頭に炸裂する。
 
その時……。
 
「こんにちは、一曲如何ですか?」
 
「???」
 
竪琴を持った青年がこっちへ歩いてくる。カボチャの様な
不思議な丸いターバンらしき物を頭部に着け、しかも、
ターバンの天辺からは尖った大根の様な物がにゅっと突き出ている……。
特に頼んでもいないのだが、青年は竪琴を奏で、歌を歌いだす。
 
「素敵な歌声ね……」
 
「有難うございます、お嬢さん、あなた達も旅人さんの様ですね、
私は通りすがりの旅の詩人です……」
 
「なあ、あんたはこの村の事何か知ってるか?」
 
「詳しい事は知りませんがこの村に住む青年とエルフの女性が
駆け落ちをしてエルフに憎まれていると言う話です、エルフは人間が
大嫌いなのですよ……」
 
「じゃあエルフが何か関係してるって事か……」
 
「エルフの里はこの村のすぐ近くにありますよ、一度行ってみては?」
 
「んじゃあ、ちょっと行って話を聞いてくるか……」