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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ロマリア編

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「それでは私はこれで失礼します、どうぞ良い旅を……、
又何処かでお会い出来ると良いですね……」
 
「……」
 
青年……、詩人は行ってしまう。ジャミルは通って行く詩人を
ぼーっと眺めていたが……。直後に金銭管理係でゴールドを
管理しているアルベルトの驚く声が聞こえた。
 
「ジャミル!……財布から1ゴールド……、な、無くなってる!」
 
「……何ですと……?」
 
 
んで、エルフの里……。森の中の大自然に囲まれた美しい里では
あるのだが……。 里に行ったはいいがジャミル達はあまり
歓迎されなかった。時折「人間よ……人間が来たわ……」と、エルフ達の
囁く声が聞こえた。詩人が教えてくれた情報通り、里のエルフ達は
人間を嫌い、最悪であった……。
 
「な~んか、俺達って嫌われてる?」
 
取りあえず女王の所へ行ってみる事にする。……エルフ達の
ヒソヒソ声を耳にしながら……。
 
「……人間がこの地へ一体何をしに来たのです!」
 
女王の間に行くと物凄い権幕で女王に怒鳴られた。
 
「あのさ~、ノアニールとか言う村に呪いかけたのあんた?」
 
ジャミルは誰に対しても微動だにせず平然と態度が大きい。
他の3人はただオロオロするばかり……。
 
しかし女王は態度を変えようとはせず、4人に向け容赦なく
厳しい言葉を発する。
 
「……私は虫けらなど相手にしません、お引き取りなさい」
 
 
ぷちっ……
 
 
……ジャミルの頭の血管が切れた。
 
「村に呪い掛けたんはオメーかって聞いてるだけだよ!!」
 
「ジャミル、だめっ!!」
 
アイシャ達が慌ててジャミルを押さえるが大変な事になりそうだった。
 
「……」
 
女王は一呼吸おいてからジャミルを見つめ……。
 
「……お前は人間の中でも特に憎たらしい下品な人間の部類ですね……」
 
「そうかい?よく言われるんだよ、ありがとう」
 
「……褒めてるんじゃないよお……」
 
ダウドが呆れ、溜息をついた。
 
「……確かに村の人間へ眠りの呪いを掛けたのは私ですが、
それも人間が全て悪いのです」
 
「何でだよ!」
 
「私の娘のアンは……、ノアニールの村に住む人間に騙されて
駆け落ちし何処かへ連れて行かれてしまった……、可愛そうに、
彼を愛しているだなんて……、人間などと一緒になって
幸せになれる筈がないのです……」
 
「そりゃ思い違いかもしんねーじゃん、逃げて幸せになってるかも
しれねーよ?」
 
「おまけにアンはエルフの里の秘宝の夢見るルビーを持って
逃げてしまった……、きっと人間に脅されたのよ……、ああ、
可愛そうなアン……」
 
女王はそう言って顔を両手で覆い、泣き出してしまうのだった……。
 
(……こりゃ何言っても駄目だなあ……)
 
ジャミル達は里を後にする……。しかし何とも後味の悪い複雑な気分を
4人は味わったのであった。
 
「種族とか、そんなのどうでもいいだろ……、好きになったらなったで
いいじゃんか……」
 
 
ザザザザザザ……。
 
 
「な、何、後ろに下がってんだよ、てめーら!」
 
「ジャミルが……」
 
「まともな事言ってるわ……」
 
「今日は嵐になるかも……、け、警戒した方がいいかな……」
 
「……失礼な奴らだな!お前らは!!」
 
「でも、何とかして……、ノアニールの村の人達を助ける方法は
ないのかしら……」
 
「俺らじゃどうにも出来ねえよ、まあ、あのエルフのおばはんを
説得できりゃどうにかなると思うけど、あんな頑固じゃ無理だろ……」
 
「そうだね、完全に人間を拒絶してるものね……」
 
「うん……」
 
ジャミルとアルベルトの言葉にアイシャも顔を曇らせる。
 
「お?洞窟だ!もう考えるのはよせよせ!これ以上エルフの仏頂ヅラなんか
考えたくも思い出したくもねーっての!LV上げしよーぜっ!」
 
「あっ、ジャミルったら……、もう~!」
 
「しょうがないよお~!」
 
ジャミル、近くにあった洞窟の中に走って入って行ってしまう。
 
「おーい、お前らも早く来いよー!」
 
「はあ、仕方ないなあ、僕らも行こうか?」
 
「ええ、ふふっ、本当にしょうがないんだから、ジャミルったら!」
 
「やっぱ行くんだねえ~……」
 
アルベルト達もジャミルの後を追い、洞窟に入ってみる事に……。
 
「♪財宝~財宝~お宝~お宝~♪」
 
「……一応、……LV上げの為に来たんだからね……」
 
「わかってますよ~、アルベルトちゃん、アンタ少し真面目
過ぎるんじゃないの?少し馬鹿になってみれば?」
 
「……ジャミルみたいになりたくない」
 
そう言って先へとスタスタ歩いて行った。
 
「そこがかっこいいんだよねえ、アルって」
 
「ジャミルも少し見習いなさいよ」
 
「……アホ~っ!お前なんかバナナの皮で滑ってこけろ~っ!
ボケベルト~っ!!」
 
「……何か聞こえたんだけどさ、何?ジャミル」
 
むっつり顔で眉間に皺を寄せ、アルベルトが戻って来た。
 
「…何もわざわざ戻って来なくたって……、いや、何でも……」
 
……そして、洞窟の奥へ進めば進む程、強い敵と遭遇する率も高くなる。
敵も程よく強くなって来てジャミル達は苦戦していた。
 
「塔の敵が強えーからこっち来たのに大して変わんねーよ!」
 
マタンゴだの、パリイドドッグだの山ほど出てくる。特にパリイドドッグは
集団で出て来てルカナンを掛けてくるので油断出来ない。其所にバンパイアが
出て来た。
 
「あっ、鈴木みそ!」
 
「訳わかんない事言わないでよ……、ジャミル……、今時誰も分からないからさあ……」
 
と、ダウドがぼやいてみる。
 
「……きゃんっ!」
 
「アイシャ!」
 
バンパイアの強力なヒャドを食らってアイシャが一撃で倒れた。
 
「ふにゅ~……、もうだめ……」
 
「アイシャ!大丈夫か!?」
 
「い、一旦外出ようよお……、それで装備とか整えてさあ……、
その方がいいよお……」
 
ダウドが泣きそうになりオロオロし出す……。
 
「僕もその方がいいと思うよ、このままじゃアイシャが大変だ!」
 
「……ったく、しょうがねえな……、けど、この際仕方ねえ……、
よし、外行くぞ!」
 
折角LV上げに洞窟に入ったのに4人は又、敵に追い詰められる
羽目となるのであった。

「こんにゃろっ!どけてめーら!!」
 
アイシャをおぶって剣を振り回しながら持てる力の限り敵を蹴散らし
突っ走るジャミル。その後をヒーヒー言いながら走るダウド。そして、
ダウドのマラソンサポーターと化し励ますアルベルトさん。しかし、
アルベルトも体力が無いので……、これは大変である。
 
「……アイシャ、ちょっと重い……」
 
「聞こえてるよ、ジャミル……、ふんだ!どうせ私はおデブちゃん
ですよ~だ!いいわよ?このままジャミル潰してあげるもん!」
 
ジャミルの首筋を思い切り抓るアイシャ。
 
「イテテテテテ!コラ!冗談だっつーんだよっ!オメーはっ!」
 
「ぶーっ!」
 
「……う~ん……?」
 
……何だかアイシャ、異様に元気だなあと心の中でダウドが
突っ込んでみた。