二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ロマリア編

INDEX|7ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

「さ~て、一人になっちまったなあ、おっさん?」
 
「おっさんおっさんうるせーぞ餓鬼!!うおおおおおお~!!」
 
……ゴンっ!!
 
ジャミルはカンダタの頭を剣の柄で思いっ切り殴り……、
カンダタはその場にぶっ倒れるのであった。
 
 
……
 
 
「……すいません、すいません、どうかお許し下せえ!金の冠はお返しします!」
 
「おねげーします!」
 
「おねげーします!」
 
「……下がさむいよう、しっこが漏れるよう、トイレ行きたーい!」
 
カンダタと子分共はぺこぺこ頭を下げ、ジャミル達に土下座する……。
 
「……まあ許してやるよ、早く冠返せ」
 
カンダタはジャミルに冠を渡す。……その途端……。
 
……ばしゅううう~っ……
 
「!?」
 
子分共が一斉にパンツの中から煙幕を取り出し、ジャミル達に
向かって放り投げた。
 
「……な、何っ!?げほっ!!」
 
「や~だ~、けむいよ~、ごほっ!ごほっ!」
 
「……ご、ごほっ、ごほっ!」
 
「げほほほほ!……うう~、酷いよお~……」
 
「ふははは!バカタレガキ共め!今日の所は諦めて大人しく撤退してやる!
だかな!てめーらの事は死んでも忘れねえぞ!糞ガキ共っ!!」
 
煙が消えた時にはカンダタ達もすでに逃げてしまい、いなくなっていた。
カンダタ達は逃がしてしまったものの……、ジャミル達は金の冠だけは
どうにか無事取り返す事が出来たのである。
 
4人は急いでロマリア城へと戻る。
 
「……おお……、金の冠だね……、久しぶりだね……、良かっただね……、
これは本当に、そなた達を真の勇者と認めざるを得ないであろう……、
だね」
 
「ほ、本当に……、冠を取り戻して下さるとは……、むむむ、
本当に凄い……」
 
ハインリヒも、大臣も……、無事戻って来た金の冠を目にし、心から
喜びの声を上げた……。
 
「わりィ!カンダタは逃げられちまったんだよ……」
 
「いいだね、いいだね、冠を取り返してくれただけでも……、
あいつは国際指名手配しとくから心配せんでもいいだね」
 
「そ、そうか?本当、悪いな……」
 
「だね、だね」
 
「それでさ、その……、魔王バラモス?って奴の事、おっさん何か
知ってるかい?」
 
「儂は詳しい事はわからんだね」
 
「そうか……」
 
「とりあえず船を手に入れて他の大陸も色々回ってみるといいかもだね」
 
「……うーん、船かあ……」
 
 
……
 
 
金の冠を無事城に届けた4人は城を後にする……。
 
「どうすんの?船……、手に入れるの……?」
 
ダウドが聞いてくるが。船……、と言えば海なので……、何だか不安そうな
表情をしている。
 
「まさか泳いで海渡るわけにいかねーだろ……」
 
「とりあえず港の有る町に行ってみようよ、船貸してくれるかもしれないし」
 
アイシャが促す。漸くジャミルも考えが纏まった様子。
 
「……何時までも此処にいてもしょうがねーし、動くか」
 
一行が町を出ようとすると……。
 
「お~い!待つだね~!」
 
物凄い勢いでハインリヒが町中まで追い掛けて来た……。
 
「……な、何だいおっさん、まだ何か用かい?」
 
「ジャミル、儂の代わりに王様になってみる気はないだね?」
 
「はあ?」
 
「実は城下町の地下にはモンスター格闘場があるんだね」
 
「……知ってるけど、だから何だ?」
 
「儂も一度行ってみたいんじゃが、この格好で行ったら大臣に怒られるだね」
 
「……だから代わりに俺に王様をやれと?」
 
「だねふし。」
 
「……そんなくだらねえ理由で人に厄介事を押し付けるな!早く城に戻れ!!」
 
「……どしても駄目だね?」
 
「駄目な物は駄目なの~っ!!」
 
「……けちだね……」
 
「たくっ!」
 
ハインリヒはしずしず城に戻って行った……。
 
「……ん~、ちょっと可愛そうねえ……」
 
アイシャも少し同情気味になる……。
 
「俺の方がかわいそうだい!」
 
「……」
 
笑いたくて仕方がないのをアルベルトは一人で堪えていた。だが……。
 
「やっぱ待つだねーーっ!」
 
「……うわあ!」
 
城にやっと戻って行ったかと思ったハインリヒが再び引き返して来た。
 
「はあはあ、や、やっぱ……、待って欲しいんだがね……」
 
「……だから何だよっ!」
 
ジャミルに怒られる一国の王。こんな国王いない。
 
「た、体験学習として……、1日だけ……、儂の代わりに……、
国を治めてみる気はないだね?……1日だけ……」
 
「……体験学習だとおお~?おっさん、アンタふざけてんのかっ!
本当に真面目に国を治める気があんのかっ!!」
 
「儂はいつも真剣だがね!だが、儂だって玉には息抜きしたいんだがね!
庶民の娯楽を体験する!これも国王としての務めだがね!」
 
「……何がだああーーっ!!」
 
「……」
 
側で黙って話を聞いていたアルベルトも段々不安になってきた。
本当にこの国王大丈夫なんだろうかと……、しかも1日だけの
限定とは言え、国王の座を……、しかもジャミルに貸すとか
どう考えても頭おかしいでしょと思う……。
 
「別に1日だけならいいんじゃないの?」
 
「……ダウドおおーっ!オメーも余計な事言うなっ!!」
 
必死で叫ぶジャミル。堅苦しい事が大嫌いなジャミルは、
限定とは言え、王宮なんぞに閉じ込められて糞ツマンネー
嫌な思いをするのは当然御免であった。
 
「でも、王様なんだから……、美味しいご馳走が食べれるかもしれないわよ!」
 
「……ご馳走……!」
 
アイシャの言葉にジャミルの片耳がピクリと反応する。ハインリヒは
それを見逃さなかった。
 
「最近はステーキも食べ飽きただね、儂も庶民の食べ物、ハンバーガーと
言う物を一度でいいから食べてみたいんだがね……」
 
「……う、う、う、ううう~っ!」
 
ジャミルが困って唸り出した。……する、奴は絶対承諾する!
アルベルトはそう思った。
 
「分った……、本当に1日だけだかんな……」
 
「やっぱり……」
 
アルベルトが頭を抱えた。想像した通りになったと……。
 
「おお、引き受けてくれるだね!有難い!もう大臣達にも
話は通してあるだね!」
 
「……大臣さん達も……、承諾済みなんですか……?」
 
アルベルトがハインリヒに訪ねる。身体をわなわな震わせながら……。
 
「だね!勇者殿が国王にならばと喜んでいただね!」
 
「うふふ、ジャミル頑張ってね!」
 
「ああ、(ご馳走を食うのだけ……)取りあえずな……」
 
「うわああ~、国が亡びるよお~!」
 
「るせーバカダウドっ!1日だけならいいんじゃないって
言ってたんは何処のどいつだっ!」
 
「も、もう忘れたよお~!……オイラ知らなーいっ!んじゃあ、ジャミル、
王様のお仕事頑張ってねえ~!宿屋で待ってるからー!」
 
余計な事を口走ったダウド、真っ先に宿屋へ逃げて行ったのである。
しかし、ジャミルにやる気を起こさせてしまった一番の張本人は……。
 
「私、知らないもんっ!……そうだ、さっき町に可愛い