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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ロマリア編

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ワンちゃんがいたわね!遊んで来まーっす!じゃあ、
ジャミル、頑張ってねー!」
 
アイシャも慌てて逃げて行く。……ダウドが言った通り、近い内に
……バラモスの襲撃よりも早くこの国は本当に滅亡するのでは……
と、アルベルトは考える……。
 
かくして、1日だけのお騒がせおバカジャミル国王が降臨する羽目になる……。

限定1日だけ……、と、言う事であったが、ジャミルは国王の座を
押し付けられる。翌日、早速王宮に蔓延る事になったのだが……。
 
「……なあ、んで、俺、具体的に何すりゃいいんだ?」
 
「いいんですよ、国王様は国王様なんですから、今日1日だけどうか
大きく構えて下さい!」
 
「はあ、んじゃあ……」
 
大臣に大きく構えろと言われたので、構えたら屁が出そうになり……。
 
『王様はくさいおならをしない。』
 
「……何でだよっ!しょうがねえだろうがっ!」
 
『王様は怒らない。』
 
「……はああ!?何だこの野郎!」
 
いちいち出てくるウインドウメッセージにブチ切れるジャミル。
 
「ふふ、新しい王様って面白い方ですわ!楽しい!」
 
……普段は国王の玉座隣に座っているらしき王女。
暴走する限定国王の姿を心から楽しんでいる。
 
「はああ~、俺、頭痛くなってきた……、これじゃ便所にもいけねえよ、
王様は用を足さないとかどうせ無茶が出てくるんだろうが……、バーカ!」
 
ジャミルはハインリヒがいつも座っている玉座に腰を降ろし頬杖をつく。
とっとと目的のステーキを頂いて時間が来たら一刻も早く此処から
トンズラしたかった。
 
「しかし……、暇だなあ~、ふぁ……」
 
『王様は欠伸をしない。』
 
「……」
 
「さあ、国王様、お昼のお食事のお時間でございます!準備が整いました!」
 
「おっ?」
 
メイドさん達がジャミルを呼びに来る。待ってましたとばかりに
ジャミルが目を輝かせた。
 
「こちらへどうぞ……」
 
メイド集団に案内されジャミルは城内の国王専属食堂と移動する。
 
「♪ふんふんふ~ん!」
 
『王様は音痴なので鼻歌を歌わない。』
 
「畜生……」
 
やがて辿り着いた豪華内装の食堂。……テーブルの前に並んでいたのは
ステーキ……、ではなく、大きな七面鳥であった。漫画などで良く見る
光景、丸いドーム蓋を開けると出てくるアレである。しかし、鳥の育て方は
半端では無く、常に良い餌を与えて丸々太らせ、念入りに飼育し丁寧に
育て上げた最高級品質のお肉。
 
「あの親父、騙しやがったな……、何がステーキだ、まあいいけどさ……」
 
「さあ、国王様、どうぞお召し上がり下さいませ……」
 
メイドさん達が食事を勧めてくる。
 
「でも、これ、全部俺が食べていいって言う事だよな……、すっげえーっ!
んじゃ、早速遠慮なしで行くかなっ!?」
 
『王様はがっつかない。』
 
「分ったよっ!……上品に食えばいいんだろっ!お上品によ!」
 
……思い切り勢いよく齧り付いてやろうと思った七面鳥を仕方なしに、
上品にナイフとフォークで丁寧に切り分けて食べる。
 
「……はあ~、何で飯食うだけでこんな疲れるんだ……」
 
どうにも食った気が起きないのであった。しかし、流石、王家専用の
食事と言うだけあり、専属の素晴らしいコックが焼いているだけあって
味はピカイチであった。
 
「国王様、お肉ばかり召し上がっていてはいけませんぞ、きちんとサラダも
お食べになって下さい……」
 
「げ!」
 
いつ来たのか、いつの間にか大臣がジャミルの側に来て食事を
監視していた。……ジャミルはますます食った気がしなくなるので
ある。取りあえず、ジャミルは出された豪華食事のフルコースを
残さず全て平らげた。
 
「はあ、……まあ、美味かったからいいか……」
 
『王様はぽりぽり尻をかかない。』
 
「……いちいちうるせーなあ、本当によう!」
 
食事時間も終り、ジャミルは再び玉座の間へと戻されるのであった。
 
「……」
 
「いかがでしたか?此処のお料理は……」
 
玉座にボーっと座っていたジャミル、突然、隣にいた王女に問われ
慌ててはっとする。
 
「え?……あ、う、美味かったよ、凄く……」
 
「ですわよね!ふふ、わたくしはまだお腹が空いていないので
頂きませんけど、国王様に喜んで頂いて姫も嬉しゅうございますわ!」
 
「確かに……、な……」
 
料理は美味しくて最高であった。しかし、やはりジャミルにとっては
食べた気がしないのである。大臣のむさい顔が側にあって食べづらかったとか、
メインがステーキではなかった事とか、そんな事は関係なく……。ただ……。
 
「……一人で食っても……、つまんねんだよな……」
 
「国王?……如何なされました?」
 
「ん?……いや、なあ、俺なんか他にする事ねえの?
こうして座ってるだけとか、すげえ暇でさあ~……」
 
「今日は特に何もございませんなあ……、他国からの客人も来る予定も
ないですし、ですが、いいのですよ、国王様はこうしてどっしりと玉座に
座っていて貰うだけで良いのです、あなた様はこの国の国王様なのですから!」
 
「滅茶苦茶だ……」
 
やはりじっとしているのが苦手なジャミルは……、段々尻の辺りが
ムズムズしてきた……。終いには逆立ちして部屋を歩き回ってみたりと
色々やってみるが、大臣は何一つ文句言わない。相変わらず、変な注意書き
ウインドウメッセは表示されるものの……。
 
「なあ、おっさん、俺ちょっと、城下町のパトロール行って来るよ、
な?いいだろっ!」
 
ジャミル、玉座から立ち上がると大臣に頼む。大臣は不思議そうな顔を
していたが、やがて、分りましたと云う様に頷いた。
 
「そうですなあ、じっとしているのも退屈でしょう、分りました、
行ってらっしゃいませ……」
 
「へへ、じゃあな!……おっさん、またな!」
 
大臣はジャミルの背中を見送る。既に分かっていたらしい。
このままジャミルが国王として王宮にはもう戻って来ない事を。
 
「やれやれ、1日どころか、半日で終わってしまいましたか、
残念ですが、仕方がありませんな、やはり彼の背中の翼を
閉じておく事は無理だった様ですな……」
 
実はハインリヒと大臣は……、ジャミルがもしもバラモスを
討伐した後……、本気で国王の座をジャミルに譲ろうと……、
其処まで企んでいたんである。全く、困った……、本当に無責任で
いい加減な王族であった。
 
「お気を付けて、……勇者殿……、旅のご無事をお祈りしておりますぞ……」
 
……そしてジャミルは前国王がいるであろう、……モンスター格闘場へと走る。 
試合はスライムvs一角うさぎvs大ガラスのバトル中である。……困った
前国王はどうやら穴を狙って遊んでいるらしかった。金が有り余っているから
こそ出来る暇人。
 
「いけいけだねー!掛け金10000Gのスライムちゃん!絶対勝つだねー!」
 
……余裕で一角うさぎの勝利。
 
「……オーマイガットだねーー!」
 
「おい、おっさんっ!」
 
「……?だね?おお、あなた様は国王様だね!いやあ、王様が