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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 イシス編

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ガムテープが飛んでくる……。
 
「!!!」(むーむーむー!……おい、このネタ、又俺に吹っ掛けるかっ!?)
 
「わわわ!……み、みんなあああ!」
 
結局、攻撃魔法を使える3人がマホトーンに掛かってしまい
真面に戦えるのはダウド一人と言う非常事態に陥ってしまう……。
……ダウドがオロオロしているその間にも、地獄のハサミ達の容赦ない
ハサミ攻撃!特にジャミルが一番リンチされている様……。
 
「……むー!(この野郎っ!!)
 
しかし、地獄のハサミ、危険人物を怒らせる。ジャミルは自力で
口に貼られたガムテープを引っ剥がしマホトーンを解除する……。
キャットフライ達は慌て、もう一度マホトーンをジャミルに
ぶつけようとする。しかし、2匹とももう自身のMPが無くなったらしい。
 
「チャンスっ!……畜生!テメーらっ!よくもやりやがったなあーーっ!」
 
キャットフライ達は慌てて逃げようとするが、ジャミルは素早く動き、
キャットフライに近づくと、ジャンプし、空中のキャットフライ達の羽を
切り裂いた。羽を裂かれた2匹は……、地面に落下する。その隙を逃さず
ジャミルが落ちたキャットフライ2匹同時を瞬時に切り裂く。
 
「よしっ、こっちは片付いた!……後はっ!」
 
(はあ~、ジャミルってば凄いよお~、何で銅の剣であそこまで……、
やっぱこの人、変人なのかなあ~……)
 
ダウドは呆れた様な……、尊敬している様な……、何だか複雑な、
良く分からん気分でジャミルを見つめていた。
 
「おいダウドっ!ボケっとしてんじゃねえっ、アル達を助けに
行くんだよっ!」
 
「……あ、う、うん!」
 
ジャミルとダウドは地獄のハサミに囲まれているアルベルトと
アイシャの元へと走る。魔法の使えなくなった二人も、決して諦めず、
武器を振り回し、何とか戦っていた。しかし、スクルトでほぼ無敵状態と
なった地獄のハサミ達には全くダメージを与えられていない。
 
「ギラあああーーっ!!」
 
ジャミルの攻撃魔法炸裂。与えるダメージは少ないものの……、
それでもこのままぶつけ続ければ確実に仕留められる筈なのだが。
ジャミルはMPが少ない為、決して無茶は出来ないんである……。
 
「はあはあ、……畜生、は、早く倒れろっ!」
 
ジャミルの息が段々荒くなって来た。もうMPが大分無くなって来ている。
 
「……!」 (ジャミル、無茶しちゃ駄目っ!……ダウド、
お願い、ジャミルをフォローしてっ!)
 
喋れないアイシャがジャミルを気づかいながら、……目線は
ダウドの方を見て、必死に訴えている……。
 
「で、でも、オイラじゃ無理だよお、武器が何せこれだし……」
 
「!……~!」 (無理じゃないのっ!頑張るのっ!)
 
「ひえええーっ!わ、分ったよお!アイシャ、恐いってば!」
 
腕組みをし、アイシャがダウドをジト目で見、仁王立ちする……。
ダウドは仕方なしに、しぶしぶひのきの棒を構えるのだった。
 
「……」 (よし、アイシャ、僕らももう一度頑張ろう!)
 
「……!」 (ええ!)
 
アルベルトもアイシャの方を見ながらジャミルを庇い、地獄の
ハサミ達の前に立つ。
 
「お前らアホかっ!……無茶すんじゃねーってんだよっ!」
 
「無茶でも何でもやるんだよおー!……ジャミルを助けたいんだあーっ!」
 
「ダウド……、よしっ、俺もっ!」
 
「……!」 (ジャミルっ!)
 
アイシャが心で叫ぶ。ジャミルも武器攻撃に切り替えると、地獄のハサミ達に
先頭を切って突っ込んで行く。その後にアルベルト達も続く。
……そして、ジャミルの奇跡の会心の一撃!地獄のハサミの1匹の甲羅を
真っ二つに叩き割る。1匹はその場に倒れ、残りはあと1匹となった。
 
「……!」 (今だあーーっ!)
 
アルベルトも突っ込み、アイシャ、ダウドと続き、3人同時攻撃を
地獄のハサミへと揃って叩き込む。先のジャミルのギラ連発攻撃で
大分此方もHPが減っていたのか、どうにか倒す事が出来た……。
 
「はあ、お、終わったな……、もう勘弁してくれや……、うう、カニが
嫌いになりそうだ……」
 
「オイラももう駄目……」
 
「……!あっ、声が元に戻ったわ、普通に喋れる!……良かった~……」
 
「全く、どうなる事かと思ったよ、今後は気を付けよう、アイシャ……」
 
「そうね……、はああ~……」
 
無事、声を取り戻したアルベルトとアイシャ……。疲れたのか
その場にしゃがみ込んでしまった……。勿論、ジャミルとダウドも……。
当然、このままの状態ではピラミッドには行けないのでアルベルトの
ルーラで一旦イシスへと戻り、新武器を購入し、身体を休めて体力を
回復する事となったのである。
準備を整え、身体を休めた4人は再度ピラミッドへと向かう。……近くで見ると
ピラミッドは苛苛する程高かった。
 
「♪ひゅ~、でけえなあ!」
 
「こんなとこ……、登るの~?もし……、落ちたらどうするんだよお~……」
 
ピラミッドを見上げたダウドが早速ヘソを曲げる……。
 
「行きたくなきゃ戻ってていいぜ」
 
「え……、え~?……じゃあオイラ一人で又砂漠あっちゃこっちゃ
しなきゃじゃん、それも嫌だなあ~……、恐いもん……」
 
「あーのーなーあ!……我儘も大概にしとけよっ!ええーっ!?」
 
「ぶーぶーのぶーだよお!」
 
「あ、ねえねえ、船が手に入ったらちょっと休憩して、みんなで海に泳ぎいこっ!」
 
ジャミルとダウドの間にアイシャが割って入る。このメンバーは
ジャミルを中心に入れ替わりで喧嘩ばっかしている。もっとも、喧嘩の
相手の片割れになるのは必ずジャミルであるが。
 
「アイシャ……、気の遠くなるような話だなあ……、何時になるんだか」
 
「いいじゃない!目標を決めて、休憩のご褒美っ、その方が頑張れるでしょ?」
 
「つ~事だ、まあ、頑張ろうぜ皆……」
 
「……へ~い……」
 
どうでもいいのか、今一乗る気なく返事するダウドであった……。
 
 
ピラミッド内部
 
 
……煮え切らないダウドを連れ、4人はピラミッド内部へと潜入する……。
 
「お、宝箱みーっけ!」
 
早速宝箱を見つけ、ジャミルが興奮する。
 
「……ちょっと待ってよ、ジャミル、今インパスを……」
 
「♪ふんふ~ん」
 
「……かける……、から……」
 
と、アルベルトが言おうとした時にジャミルはすでに宝箱を開けてしまっていた。
中から勢いよく、人食い箱がこんにちはし……。
 
「Hello,baka」
 
「え……、なんだ?」
 
「you!aho!!」
 
「……いってえええーーっ!!」
 
ジャミルは人食い箱に尻を噛まれたのだった……。
 
 
……
 
「だから言おうとしたのに……、町の人が言ってたんだよ、
ピラミッドの宝箱には罠があるから気を付けろって……」
 
「それを早く言えっ!アホンダラっ!……アデランスっ!!」
 
「……ムカ!言おうとしたら勝手に開けたんじゃないかっ!」
 
「あー!また喧嘩するっ!駄目でしょっ!!」
 
……順番で今度はジャミルの喧嘩の相手がアルベルトになり