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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 イシス編

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アイシャがまーた仲裁に入る。本当に忙しい。
 
「ねえ……、みんな……、それどころじゃないよお……」
 
「なんだよダウド!うるせ……」
 
ジャミルが前を見ると冷や汗ダラダラのダウドの後ろにモンスターの
群れが固まっていた。火炎ムカデとか、キャタピラーとか腐った死体とか
大王ガマとかとにかくい~っぱい。
 
ジャミルはアイシャとダウドを咄嗟にそれぞれ両脇に抱えると
一目散に逃げ出す。その後にアルベルトも走って逃げる……。
 
「きゃ!何だかオイラまでジャミルに抱えられてる!何か嬉しい~!」
 
「……重てええ~……」
 
モンスターから逃げ回り、……時には回り込まれ、バトルを繰り返し、
何とか3階に辿り着いた……。
 
「あー、しんどー!ん?なんだこれ?」
 
壁に並んだ丸い変なボタン。そして正面には開かない大きな石の扉が。
ジャミルは扉を蹴ってみるが、……足が痺れる。
 
「何か変なボタンが2つあるね……、何だろう?」
 
「……何だろうねえ~?」
 
「あっちの壁にもボタンが2つ並んでるわ、……全部で4つね」
 
「ボタン……、あ、そうか!」
 
「ど、どうしたの!?アル……」
 
「昨日、城下町で小さい子が歌ってた歌を思い出してごらんよ、確か
ピラミッドのおうたって言ってたよね?」
 
「え~っと、よくわかんない……」
 
「オイラも~!」
 
と、アイシャとダウド。
 
「つまり、こういう事だよ、並んでいるボタンを正しい順番に押していけば
いいんだよ、そのヒントがあの歌の中にあったのさ」
 
「へえ~!そうなんだ~!」
 
「アル凄ーい!!」
 
「……面白くねえ……」
 
どういう事だかさっぱり分かんねえよとジャミルは不貞腐れて
面白くなさそうな顔をする。
 
「そうすれば、あの石の扉が開いて先に進め……、ん、って、ジャミル……、
何してるんだい?」
 
「ん~?ボタン押せばいいんだろ?今、向こう側2つのも適当に押してきた」
 
「!それはちゃんと順番通りに押さないと!!」
 
「……え?」
 
「あああーーっ!!」
 
床にぱかっと落とし穴が開いて4人は地下へと落下した。
 
 
「……ジャミルのあほたれぇぇぇ~!!」
 
 
 
地下1階
 
 
「もうーっ、ジャミルったらっ!気を付けなきゃ駄目じゃないっ!」
 
アイシャがジャミルに注意するが、俺、知らんもーん!と誤魔化す。
 
「……は、早く上に戻ろうよお、何か嫌な予感がする……」
 
「おう、ダウド、お前の予感当たったぞ、良かったな!」
 
「ひ、ひいいっ!?」
 
狭い通路から……、ミイラ男、マミーが此方に向かってのそのそ歩いて来た……。
 
「……全然良くないだろっ!!」
 
アルベルト、ジャミルの頭をばしっと引っ叩く。アイシャは慌てて
呪文の詠唱を始める。
 
「えーいっ!ヒャドよっ!……あ、あれ?」
 
しかし、呪文はかき消されてしまった。
 
「おかしいわ、もう一回……」
 
「待って、アイシャ!……僕の方も!」
 
「ええ?」
 
アルベルトがもう一度呪文を詠唱しようとしたアイシャを止めた。
自らもメラを出してみようとするが、しかし、炎は出ず。
 
「やっぱり……、どうやらこのフロアは魔法が使えないみたいだ……」
 
「じゃあ、打撃中心で行くっきゃねえか、しゃーねえ!」
 
ジャミルは城下町で購入したばかりの鉄の斧を構えると
ミイラ集団を睨んだ。
 
「行くぞっ!……よっ、はっ、ほっ!……畜生、重すぎだあーっ!」
 
威勢よく、鉄の斧を構えたまでは良かったが、今までずっと
装備していた銅の剣が軽すぎた為、重さ抜群の斧にまだ慣れず、
ジャミルはヨタヨタ状態に……。
 
「ちょっ、あぶなっ!こ、こっち来ないでよおおおーー!」
 
「きゃーー!!」
 
「うわーー!!」
 
斧を抱えたジャミル、コントロールが利かず、フラフラと斧を
構えたまま仲間の方に寄ってくる……。仲間達はパニックになり
逃げ回る。……まるで何処かの殺人鬼映画である。
 
「……ああーーっ!!」
 
「ジャミルっ!!」
 
……等々ジャミルがすっ転び、斧を手から手放す……。
しかし、ほおり出した鉄の斧はくるくる回転すると宙を舞い、
ミイラ男、マミーの頭部に次々とグサグサ命中し、頭に刺さり……、
水芸の様に血が大量に噴き出した。
 
「……ガウ~……」
 
「ウガああ~……」
 
「……や、やべっ!何かすげえ怒ってる!?」
 
ジャミルは鉄の斧を急いで拾って回収すると、ミイラ達から
恐る恐る後ずさる……。
 
「逃げよう!この場所じゃとにかく戦いにくい!」
 
「逃げましょっ!」
 
「怖いよおおーー!!」
 
4人は怒り心頭で追い掛けてくるミイラ集団から只管走り、
どうにか又上の階へと逃走に成功したのだった……。

3階に戻り石の扉を開け、漸く魔法の鍵をゲットし、これで先にと思いきや。
ダウドの暴走でジャミル達は又も騒動に巻き込まれる羽目になるのである。
 
 
「よし、さあ此処にはもう用はないね、又イシスに戻って休憩したら
早くロマリアの関所に行こう……」
 
「ちょっと待てよ、……ピラミッドだぞ、アル、おま、このまま
此処を出るってのか?」
 
「何だよ、もう用はない筈だろ……?」
 
ジャミルが半目になりアルベルトの顔を見る。……また碌でもない事を
この男は考えているとアルベルトは直感で感じた。
 
「財宝だよ、財宝!ピラミッドには、絶対、他にも宝が有る筈だっての!」
 
……やっぱり……、とアルベルトは頭を抱える。やはりこの男は碌な事を
思いつかず。
 
「でも、ピラミッドには呪いも付き物よ、王様の宝物とか……、
手を出したら呪われちゃうわよ!」
 
アイシャが注意するが、そんな事ぐらいで引き下がるジャミルではない。
あっさり引き下がったら仲間も苦労はしないだろう。
 
「何だって危険は付き物なんだっ!俺はもう少し探索していくからな、
お前等は先にイシスに戻っていていいぜ!」
 
「もう~、ジャミル……」
 
「はあ、又、どうしてそう無茶を言うかな……」
 
アイシャとアルベルトは困り果てる。ダウドはぼーっと唯、押し黙っていた。
 
「なあ、ダウドはどうだ?金銀財宝とか、絶対ある筈だぜ!……無理か……」
 
ジャミルはダウドの表情を窺い肩を落とした。ダウドも早く帰りたがっているので
当然、財宝探しなど付き合う筈がないと思っていた。だが。
 
「誰だ……」
 
「は、はあ?急に何だよ、お前……」
 
ジャミルの顔を見て突然ダウドが意味不明な事を言い出し、ジャミルは戸惑う。
 
「……財宝を荒す者は誰だ、誰だ……、我の眠りを妨げる者は、
誰だ、誰だ……」
 
「おい……」
 
「ダウド?」
 
「ど、どうしたのっ!?」
 
アルベルトとアイシャもダウドの様子がおかしいのに気づき、慌てて
側に近寄るが。
 
「我の財宝を荒す者は誰だ!お前達か!……我はファラオ国王である!
其処にひれ伏すが良い、愚か者め!」
 
「……ダウド、オメーふざけてんなよ、いい加減にっ!」
 
「待って、ジャミル、あれはダウドじゃない!」