二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ポルトガ~ダーマ編

INDEX|3ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

のしのし歩いて来た……。

「おい……、あれ、カンダタじゃん……、
やっぱあいつらに捕まったのか……」
 
「どうしようか……」
 
樽の中からアルベルトの囁く声が聞こえる。
 
「とりあえず、あの子分共が邪魔だな……」
 
カンダタはジャミル達には気づかずそのまま歩いて行ってしまった。
 
 
……ぷう~……
 
 
「!!!」
 
「あ、やべ……」
 
「キャーいやー!ジャミルくさーい!!」
 
パニックになったアイシャが樽の中から飛び出してしまう。
 
「……こ、こら……、静かにしろよ、アイシャ……、
見つかっちまうだろが……」
 
「キャーキャーキャー!」
 
アルベルトは、しかめっ面をし、手でパタパタ仰ぐ……。ダウドはもう、
狭い樽の中で今にも気絶しそうだった……。
 
「コラア!誰じゃい!そこで騒いどるんは!!」
 
子分の一人がこちらに気づき近寄ってくる。
 
「こうなりゃ戦ってやるぜ!」
 
ジャミルは樽から飛び出し遂に子分達の前に姿を見せた。その後に急いで
仲間達も続いて飛び出す。
 
「……ゲッ!!お、お前達は……!」
 
「久しぶりだねー、おっさん達まーだ、カンダタなんかとつるんでんのー?」
 
「糞ガキ共め……!この間の礼をさせて貰うぞ!!」
 
「おっさん達が俺達に勝てるって言う自信があればいーけどな」
 
「……くっ、糞ガキィ~!!」
 
「行くぞ、皆っ!」
 
ジャミルとダウドは武器を構え、アルベルトとアイシャは呪文の詠唱を始めた。
 
「ほいっ!鞭の舞いっ!いくよおーっ!」
 
ダウドの鋼の鞭攻撃!鞭は蛇の様にくるくると丸まり、子分達を
3体纏めて拘束する。
 
「バギっ!!」
 
「お仕置きよ!ギラーーっ!!」
 
アルベルトとアイシャのW全体魔法攻撃。止めを刺さない程度に抑え、
子分達にダメージを与えてゆく。
 
「ふふ、んじゃあ、最後は俺だ、行くぞっ!!」
 
「んきゃああーーーっ!!やめろおおーーーっ!!」
 
絞めのジャミルの攻撃!……鉄の斧が再び子分達の鎧を切り裂き、
子分達は又辱めの哀れな格好に……。
 
「あ、……一人、パンツまで斬っちまった、ま、いいか……」
 
「きゃあーーっ!!」
 
アイシャが顔を赤くして慌てて両手で目を塞いだ……。
 
「よし、これで雑魚共は片付いたな……」
 
子分達は気性が荒く前回よりは多少手ごわかったが所詮ジャミル達の
相手ではなかった。
 
「ほい、一丁あがりっと」
 
気絶した子分達をロープでふんじばり頭から袋を被せ、そこら辺に
放置して蹴飛ばしておく。
 
「……後は……、大将のカンダタが戻ってこねーうちにラファエル達を
探さねーと!」
 
「ジャミルさーん!」
 
暗闇の奥から微かに声がする……。
 
「……その声はラファエルか?」
 
急いで行ってみると牢屋の中にラファエルがいた。
 
「暗くてよく判らなかったけど、牢屋にいたのはやっぱり
お前だったのか……」
 
「ご迷惑をお掛けしまして……、本当に申し訳ない、僕はっ……、
自分の力だけでコンスタンツを助けたいと思い、此処まで来ましたが、
逆に捕まってしまいました……、お義父さんの言った通りでした……、
やはり僕は弱かった……、僕一人の力ではどうする事も出来なかった……、
でも、そんな事、頭では分かっていたんです……、ですが……」
 
ラファエルが鉄格子を掴み、薄暗い牢屋の中で悔しそうに
唇を噛締めている様子が伝わってくる……。
 
「あ、あの……」
 
隣の牢屋からもう一人の小さな声が聞こえてきた。中を見ると
美しい少女の姿が……。
 
「あんたがコンスタンツかい?」
 
「……は、はい!そうです!」
 
「結局二人一緒に捕まっちまった訳だ……」
 
「で、でも、ラファエルは悪くないんです、彼は私を命を懸けて
助けに来てくれた……、悪いのは私の方よ……、私が捕まったり
なんかしなければ……」
 
「コンスタンツ……、今は此処から何としても逃げよう……、
君は僕が必ず守って見せる……」
 
「ああ……、ラファエル……」
 
「コンスタンツ……」
 
「……イチャつくのはかまわねーけど、帰ってからにしてくれる……?」
 
おい、守れねえから捕まったんだろうがよ……、と思う突っ込みジャミル。
 
「あ、はい、そうでした!今は逃げないと!」
 
「ったく……、世話が焼けるわ……」
 
「すみませんが、ここの牢屋を開けて下さいませ、壁にあるボタンを
押せば鍵が外れる筈ですわ……」
 
「これか、よいしょっと!」
 
ガチャッ……
 
コンスタンツに教えて貰った通り、ジャミルが壁にあった
スイッチを押す。すると鉄格子が開き、牢屋の中からバカップルが
同時に飛び出す。再び無事再会した二人は手を取り合い、くるくる
回り始めた……。
 
「ああ……、ラファエル……!またやっとあなたに会えた……!」
 
「コンスタンツ……!君をもう放さないよ……!」
 
「ラファエル!」
 
「コンスタンツっ!」
 
「きゃ、きゃあ~、……これが大人の恋なの……?」
 
アイシャが顔を赤くし、うっとりとバカップルを眺めている……。
ダウドとアルベルトは口を開け、ポカーン状態。
 
「……だ~か~ら~!帰ってからにしろっつーの!!」
 
場所構わずイチャイチャを始めたバカップルにブチ切れる
ジャミル。何だか嫉妬している様にも見え、見ていたアルベルトは
苦笑いするのだった……。
 
 
「キャーーっ!!」
 
 
「……何だ?……ア、アイシャっ!!」
 
悲鳴に振り向くとアイシャを捕まえたカンダタが仁王立ちしていた……。
いつの間にか戻って来ていたのだった……。
 
「忘れモンしたから戻ってきてみりゃこのザマだ、ったく、
好き放題やりやがってよ!お仕置きだ!ガキ共!!」
 
「……はなしてー!はなしてーっ!キャー!」
 
「うるせー!騒ぐんじゃねえっ!」
 
カンダタはアイシャを羽壊い締めすると首筋にさっと素早く
ナイフを付き付ける……。
 
「……ど、どどどど!どーしよーっ!ジャミルーーっ!」
 
「チッ!糞デブめっ、……ふざけやがって!」
 
ジャミルが悔しげに舌打ちし、ダウドは錯乱しそこら辺を走り回る……。
アルベルトは黙ってカンダタを睨む……。
 
「糞ガキ共、武器を捨てろ!それから、そこの二人も大人しく牢屋へ戻れ!」
 
「……!」
 
「お~っと、金髪の坊ちゃん、……魔法も使うなよー、何か
悪巧みする様なら、この可愛い顔が真っ赤な返り血で染まって
泣いちゃうぜえー!……俺はやると言ったらやるぞー?」
 
「……くそっ!!」
 
カンダタはにやらにやら笑いながら、アイシャの首筋と喉元に
ナイフをちらつかせるのだった……。

「がーっはっはっは!悪ィ事すると、やっぱ痛快、気持ちがいいぜえ!」
 
勝利を確信し、高笑いをするカンダタの後ろに……。
 
             つんつん……
 
「!?おお~っ!テメエ、いつの間に俺の後ろに回りやがった!?」
 
カンダタが首を動かし背後をチラ見すると、なんと、ジャミルがいたのである。