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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ポルトガ~ダーマ編

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じっと海を見つめていたアルベルトがそう言った途端……、
 
 
……ザバアアアッ!!
 
 
海の中からしびれくらげの集団が大量に現われ船を取り囲んでいる。
 
「気を付けるんだ!ジャミル!」
 
アルベルトも武器を構え、身構えるが。
 
「クラゲだ……」
 
「はい?」
 
「……クラゲクラゲクラゲえええーーっ!!」
 
「……はいい?」
 
「てめえ、昼間はよくも人の足を……」
 
「ジャミル……、刺したのは普通のクラゲでしょ?しびれくらげとは
違うんじゃ……」
 
「クラゲはみんな同じだああーーっ!この野郎っ!喰らえーっ!!
メラメラメラーーっ!!」
 
「……あーあ、あんな大した事ない敵に……、MPの無駄遣いだよ……」
 
呆れて見ているアルベルト。怒り爆発暴走ジャミルのメラを食らい
面食らったしびれくらげ達は慌てて海に潜って逃げていってしまった。
 
「……また……、今度は一体なに……?」
 
「うるさくて寝られないわあ~……」
 
騒ぎにダウドとアイシャも目を覚ましてしまい、寝ぼけ眼で
二人も甲板に上がってくる。
 
「うん……、ちょっと、クラゲがね……、あ、クラゲって言っても……」
 
「クラゲ!?きゃあ~!……クラゲはもういやああ~っ!!」
 
アルベルトの言葉が終わらない内に速攻でアイシャが逃げ出す。
相当クラゲがトラウマになっているらしかった。
 
「……やれやれ……」
 
溜息をつくアルベルト。ダウドはその場で立ったまま又眠ってしまい、
しびれくらげが逃走した後も、ジャミルは無駄にMP放出、海にメラを
放出しまくっていた。……それから数日の航海ののち、ようやく次の
目的地のダーマ神殿が見えて来た。
 
「ほら、見てごらんよアイシャ、もうすぐダーマ神殿に着くよ!」
 
アルベルトがアイシャに声を掛ける。
 
「……ふにゅ~、着くの?うわ、大きい建物ー!」
 
眠たそうだったアイシャが目を輝かせ甲板から身を乗り出し
海の彼方を見つめる。
 
「あーあ、やっと着いたか……、正直言って船の旅がこんなにきついとは
思わなかったぜ……」
 
ジャミルが大きく欠伸をする。海上では特に強いモンスターも
今の処出現していない為、本当に退屈な毎日であった。
 
「あんまりする事ないもんねえ~、ぼそ、敵さえ出なければ……」
 
と、ダウド。どうやら船酔いの方は何とか克服出来たらしいが。
敵が雑魚でもやはりバトルは苦痛らしい。
 
「よし、神殿に行ってみるか!」
 
4人は船から降りて早速次の目的地ダーマ神殿へと向かった。
暫く歩くと、船から見えた建物が自分達の目の前にお目見えする。
 
 
ダーマ神殿
 
 
「おおー、間近で見ると本当にマジででけえ建てモンだなあ!すんげー!」
 
「ちょ、フラフラしないでよ、……迷子になるよ」
 
「わーってるっての!其処のジャジャ馬じゃねーんだからよ!」
 
田舎者丸出しのジャミルにアルベルトが注意。アイシャもダウドも……、
その神殿の大きさにびっくりしてぼーっとしている。
 
「さあ、二人も中に入ろう」
 
「あっ、はーい!」
 
「はあ~い……」
 
アルベルトがアイシャとダウドに声を掛け、4人は神殿の中に入ろうとする。
ところが。
 
「そこの少年達……」
 
「……?」
 
後ろから聴こえてきた声に振り向くと、4人の後ろに神官らしき格好をした
老婆だか老爺か良く分からない老人が立っていた。
 
「な、何か用?」
 
「儂は命名神マリナン様に仕える神官じゃ、どうじゃ?お主たちの中で
名前を変えて欲しい者はおるかの?」
 
「ハア?べ、別にいいよ……」
 
神官はジャミルへ代表で声を掛ける。別に特に名前も変える必要もない為、
ジャミルは断ろうとするが。
 
「名前を変えたい者はおるか!?」
 
「あ……」
 
神官は扉を潜ろうとした4人の前に立ちはだかり往く手を妨害。
……4人は困って固まると作戦会議を始める……。
 
「どうすっか……、名前変えねえと……、あの婆さん邪魔すんぞ……」
 
「いいじゃないかあ、無視して入っちゃえばさあ~……」
 
「で、でも……、扉の前で両手まで広げて通せんぼしちゃってるわ……」
 
「何なんだろう……」
 
「ええーいっ!こうなったらアル、お前代表で名前変えろっ!すいませーん!
えーと、こいつが名前変えたいそうです!」
 
「!!バカジャミルっ!!」
 
ジャミル、ストレートにアルベルトを餌に使う。アルベルトはブチ切れる……。
 
「ほう、そうかそうか、して、何と?」
 
「ハラグロ・ヅラベルトに名前変更……、あいてててっ!この野郎!」
 
アルベルトも負けていない。ジャミルの頭をぐいぐい抑え付ける。
 
「いいえ、こっちです!……ドスケベ・クソタロウに名前を変更してあげて下さい!」
 
「んだとお!この野郎!早くハラグロヅラベルトに名称変更して貰えっての!」
 
「……うるさいっ!ドスケベクソタロウめっ!!」
 
ギャーギャー揉めだし、ついに掴み合いにまで発展する
ジャミルとアルベルト……。
 
「ねえ、二人とも……、もうあのお婆さん何処か行っちゃったわよ……」
 
「早く行こうよお~!」
 
「……」
 
二人が気が付くと、いつの間にか神官は呆れて何処かへ行ってしまった
後であった。アイシャとダウドはさっさと神殿の門の扉を潜り、残された
ジャミルとアルベルトも静々と2人の後を追い、扉を潜った。
 
「おおう……」
 
……神殿内は転職希望者で長蛇の列だった。
 
「うは……、すげえな、これ皆転職希望者かよ……」
 
中には時折凄い人もいて、ウルトラマンになりたいだの、
マジモンでセーラームーンになりたいだの言ってる人もいた。
 
「……ええい!お主達は職業と言う物を舐めておるのか!?」
 
「大変だな……、神官も……」
 
とりあえず転職の間には用はないので宿屋のある二階へ向かう。
一行はしばらく宿屋を借り周辺でLV上げをする事にした。
 
「きゃーい!久しぶりにふかふかの綺麗なおふとんで寝られるー!わーい!
船のベッドルームのおふとんかび臭いんだもん!」
 
清潔なふわふわベットの上でぽふぽふ跳ねて嬉しそうなアイシャ。
 
「あんまり暴れると……、ベッドが壊れ……、あがっ!」
 
「……何か言った?ジャミル……」
 
「ひ、ひいえ、なんれもありまふぇん……」
 
ジャミルの口をぐいぐい横に引っ張るアイシャ。
 
「ったく……」
 
呆れるアルベルトと面白がってケラケラ笑うダウドの二人。
 
 
次の日……
 
朝、ジャミルが起きるとアイシャとダウドがすでに起床していて
二人で楽しそうに何か話をしていた。
 
「なにしてんの?お前ら」
 
「あ、ジャミル、おはよー!ねえねえ、神殿の近くにガルナの塔って
言うのがあるんだって!」
 
「賢者になれる凄いアイテムがあるらしいんだよおー!」
 
「……別に用はねえよな……」
 
「?」
 
最後に起床したアルベルトを見ながらジャミルが呟く。
 
「それは要らないとしてもー、他にすごいお宝があるかもー!」
 
拳にした両手を口元に当てて目をキラキラさせるダウド。